自分の目で見たことしか信じない、そんな心構えで生きておりますが、じつは 最近ものすごい光景を見たんです。
ある書店の片隅にある、ポストカードのコーナーを偶然見ることがあり、ある光景を見てしまって目が点に・・・・・・・。
一人の女性が、クリスマス用にかな、ポストカードを選んでいるのでしたが、片方の手に50枚くらいはあったのでは?
そして、さらに違う絵柄を一所懸命に選んでいるのでした。
うわああっ、・・・・・・・・。
ものが売れない時代に、この中年の女性の買い方を見て、本当に驚きました。
50代くらいのごく普通の主婦のようにしか見えなかったけれど、1枚150円くらいでしたから、50枚で7500円かあ、
書店の書籍の利益がどのくらい薄いものかを知っているぼくは、カード類の利幅を知りません。
書籍を数千円も買ってくれるよりもきっと利益は大きいのではないでしょうか?なんとなくそう思います。
フォトグラファーとして、ぼくのポストカードを1枚100円にしますから、50枚でも80枚でも買って頂きたいなあと思ったことです。
そういえば、遠い昔に、おしゃれな都心の、六本木の雑貨店に ぼくのポストカードを委託でおいてもらったことがあったのですね。
暑中見舞いの用途にでしょうか、ある一つのポストカードが100枚だか売れていたのです。ほかの絵柄はまったく売れていませんでした。
お店の人に聞いたことでは、一人の女性だったそうです。
ぼくは個展を終えたばかりの頃でまったく無名であったことは今と変わりません。
バブルの真っ只中の、30年近くも前のことでした。
ぼくに言ってくれればよかったのに、1枚150円が、100円とかもっとお安くできたのに、と思ったことです。
( それじゃあ、お店が成り立たないで困ってしまうのでしょうが・・・・ )
また、不況がやがて終わり、少しモノが売れていくようになるとよいのですが。
そうか、ポストカードは売れているんだねえ。ネットで売ってみようかしら。
写真・文 石郷岡まさを