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正直諦めていました。
レースも見ていませんでした。
最後、何着だったのかな?と夜に結果を確認したら、まさかまさかの「優勝」。
こんな事ってあるんだね。
いや、無い。25年競馬見てるけど、こんな事、普通無いよ。競馬はそんなに甘くない。競馬にはいつも現実を突きつけられる。ロマンなどは人間の勝手な後付け理論。だから、トゥザクラウンのラストにも期待はしていなかったし、さよならレースも見たくなかった。
まさかラストチャンスをモノにするとは血統のなせる業か?陣営の執念か?はたまた出資者の祈りが通じたか?私にはその全部だと思った。奇跡だと思った。
前走だって惜しい2着とかじゃない。前に行って交わされて0.9差。見どころなしの9着。前走を見る限り、いくら長期休養明けを叩いたとはいえ、今回一変を期待するのはさすがに無理だと思った。
限定未勝利の18頭立ての芝マイル戦で勝つなんて、25年競馬見てる俺だって微塵も思っちゃいない。
経験からは、この時期の芝のスーパー未勝利を勝つなんて、愛馬が重賞勝つより難しいことだ。
手替りの北村友一騎手は末脚を活かす競馬をしたんだね。スタートはやや遅れたのかな?
名手ルメールもホワイトも前に行って沈んだけど、よく控える競馬をしてくれたよ。友一は私の馬ではレッドデイヴィス以来のエスコート。あの時はミソが付いたけど全く怒らなかった。デイヴィスに強い競馬をさせてくれたから。あれでデイヴィスは自信付けたし。
確かに今回は展開も見事ハマった感はあるけど、よく度胸決めて控える競馬をしてくれたよ。有力馬はみんな前に行っていたし、スーパー未勝利は大体前の競馬になる事が多いし。脚余らせて終わるわけにはいかないし。
馬も本当に頑張って走ってくれたと思うよ。スゲーカッコよく走っていた。馬体は未勝利で終わるには惜しい馬だよね。神様もここで終わるには惜しいと羽を付けてくれた様な直線の伸び。久しぶりに競馬で痺れたね。ラストの素晴らしいストライドには感激したよ。現地ならまず泣いているね。
池江先生、この馬、友一に命を繋いでもらったのだから、これからも北村友一で行こうよ。トゥザクラウン=北村友一。このコンビに俺は全く異存ないよ。ラストまで行こうよ。今まで逃げていた馬を、最後のこの舞台で差しに転換させて実行してしまう大胆さ。外人やトップジョッキーじゃなくてもいいんだよね。
きっと苦しかっただろうと思うんだ。
昨年のPOGで一番人気のあった馬が、大絶賛されていた馬が入厩後まさかまさかのトーンダウン。夏にデビュー出来る予定が怪しい怪しいと思いながらも秋にデビュー。圧倒的な1番人気で結果大凡走。レース後公表された重度の喉なり。その後の骨折や喉の手術。弁だけでなく声帯まで除去するなんて。しかも、そこまでやっても今なお完治していない。。。
あまりにも色々あり過ぎた。掲示板などでも悪口を散々叩かれ、陣営やスタッフも苦しかった事だろうね。我々出資者も心が踏み躙られた。私は怒り狂った。
最終戦の舞台を瞬発力がより求められるマイルに定めた池江師は慧眼にも恐れいった。私は戦前はマイルには否定的だったので。
最低でもクラシックには乗っかると期待して出資した馬で、あのデビュー戦、そして事後報告には、俺も頭から水をぶっかけられて一口熱も一気に冷めてしまったのは事実。
そんな馬が今日勝った。
長くやっていても、まだまだ競馬はわからない。
こんな事もあるんだね。
でも、分かる事はトゥザクラウンが本当に頑張ってくれたと言うこと。
そして凄くカッコ良く走る馬だと言うこと。
久しぶりに心が震えたレースになった。
この馬のカッコ良い走りを出来るだけ長く見続けたいと思うようになった。
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