まさるの一口馬主日記

「一口馬主」の視点から競馬を語ります。競馬以外では男声合唱、野球観戦、ヘラブナ釣り、旅行等で余暇を楽しんでいます。

音無厩舎、3本の矢

2025年02月20日 20時21分53秒 | 厩舎論
大好きな音無秀孝調教師があと2週で引退となります。
開催日でいえば4日間。いよいよラストです。

音無調教師はJRA通算1000勝まであと5つとなりました。

厩舎スタッフも出走馬に究極仕上げを施すでしょうから、もう幾つかは勝てるかもしれません(ちなみに今週は10頭の出走予定です)。
それでも5勝はなかなかに厳しい数字です。
そして今週のフェブラリーSにも3頭もの精鋭を送り込みます。

昨日のフェブラリーS追い切り後の公式会見(YouTube)で音無調教師の話を私は仕事の帰り道でイヤホンで聞きながら駅から家までの道のりを歩いて帰りました。
本当に音無先生らしい飾らない、そして思ったことをはっきりと発言する先生の素朴なお人柄がイヤホンからよく伝わってきて「これで引退か」と思うとグッとくるものがありました。


音無先生は開業後、なかなか勝てずに相当苦労したようです。初年度は1勝。
そこで橋口弘次郎先生に頭を下げて厩舎運営のヒントをもらいに行ったそうです。そこで特に参考になったのが「人の動かし方」だそうです(ホントこれが管理者の悩みであり難しい事なんですよね)。
そうして一つ一つ勝ち星を積み上げ、師匠ともいえる橋口先生の991勝を追い越した訳です。
先生は恐らく1000勝にはそれほどのこだわりは無いと思います。
それでもなんとか勝たせてあげたい、私がそう感じるのだから、それこそスタッフは「先生に花道を」と遮二無二頑張るだろうと思うのです。





先生は会見の最後にこう締めくくっています。
「まぁ、最後やからね。何頭出してもええかなって思いもあって。まぁ、G1だから結構メンバーも強いなって思いもまたありますよね。だからもう、みんなそれぞれ自分の力を出し切ってね、もうそれで着順には僕はこだわりません。3頭出したら3頭無事に上がってきてくれたらそれでいいなと思っています。

私がいつもいつも言っている一番大切にしている事(信念とも言う)を音無先生も言ってくれました(泣)




最後のG1に3頭を送り込む音無厩舎。
3頭とも栗東の坂路をそれぞれしっかりと追われました。
音無厩舎の得意の調教スタイルです。しっかりと力を出し切れる状態にあると思います。
私はこの3頭を軸にして3連複フォーメーションの馬券を買って応援したいと思っています。


堀宜行厩舎を考察する③

2025年01月28日 21時00分00秒 | 厩舎論
さて今回は堀厩舎の騎手の起用について考察してみます。

堀厩舎の騎手起用と言えば「外国人ジョッキー」がまず思い浮かびます。
堀厩舎の過去10年の騎乗者別成績です。
R.ムーア(勝率28.6%)、D.レーン(26.7%)、モレイラ(32.6%)、キング(19.4%)・・・。
かつてはルメール(24.9%)もM.デムーロ(22.3%)さんもたくさん乗っていました。
かつての私は堀調教師の外人好きには思わず眉をひそめてしまう事もありました。それでも外人を乗せ続ける堀師の思惑には「一戦必勝」の気持ちがあったからだと今だから納得できるのです。
継続騎乗の利点も分かったうえでの勝負レースに対してのピンポイントでの外国人ジョッキーの起用。

先日の考察の中でもお話ししましたが、この厩舎には『叩いて次』という概念は他の厩舎に比べるとかなり低いと思います。
日本人ジョッキーは最近でこそレベルが上がってきたように思いますが、それでもC.デムーロが来たり、モレイラが来たりすると結構な勝ち鞍を持っていかれます。あのルメール騎手ですらC.デムが来ただけでリズムを崩し、勝ちを逃すというった事例も散見されました。
やはり外国人ジョッキーは腕も確かですが、ハングリーで勝ちに飢えていると思える騎乗がたくさん見られました。堀氏の重視しているのはこの部分ではないでしょうか?

一口で言えば簡単なのですが、JRAの騎手はみんなうまいです。
それでも差が出来るのは乗り馬の質の違いが一番の理由ではありますが、メンタルの部分によるところが大きいと思います。

堀調教師は近年では関西の騎手では松山騎手(17.6%)、美浦の騎手では佐々木ジョッキー(14.3%)の起用が目立ちます。
一方、今までコツコツ頑張ってきた石橋脩騎手(15.8%)を殆ど乗せなくなっているのは気になるところです。
堀厩舎の過去10年で63勝と最も勝ち星をあげている石橋脩騎手。
そんな石橋騎手も本当に最近は目立たなくなりました…。
今までの石橋騎手のポジションは佐々木大輔騎手に取られてしまいましたね。


まぁ、今後おかしな事にならなければきっと佐々木騎手は将来、関東リーディング級の活躍を見せてくれるジョッキーになると思います。
今年、最も注目しているジョッキーです。
堀調教師の定年まで15年。
私もその時までは健康に生きられるように頑張らなきゃ(汗)


音無厩舎を全力応援!!

2025年01月25日 21時00分00秒 | 厩舎論

私の30年の一口馬主人生の中で一番の賞金を稼いでくれた馬は「インディチャンプ」です。
インディチャンプはステイゴールド産駒であったことはもちろん、音無厩舎であったことが決め手となって出資した馬でした。
シルクホースクラブは昔から音無厩舎には特別な馬を提供していると思っていたからです。



その音無秀孝厩舎も定年までいよいよラスト1か月となりました。
1000勝まであと7勝と迫っています。
一般的にはちょっと難しい数字のような気もしますが、音無厩舎のスタッフも気力を振り絞って仕上げてくるでしょうし、ひょっとしたら届く数字になるかもしれません。
その為にも明日、1勝ないしは2勝欲しいところです。
その中でも明日の重賞プロキオンSに出走するサンライズジパングはチャンスありと見ています。

そして、2月3日に半年ぶりに戻ってくる松若風馬騎手。
この問題児を改めて引き受けてくれた音無先生の懐の広さ。
音無先生は九州の人と聞いています。情に厚いですね。

また、デルマソトガケは次走予定していた根岸Sを変更して、2月6日の佐賀記念に松若騎手で向かう事となったそうです。
「もともと風馬が乗っていた馬だから」と音無先生は言うそうですが、絶対にそんな筈はありません。
ホント泣かせます。
師匠のこの恩に報いようと松若騎手も魂の騎乗をしてくれると思います。
応援したいですね。

もともと音無先生はメディアでは騎手上がりの調教師という事もあって騎手に辛口です。平気で乗り方にダメだしするし(笑)
でも、口は悪くても本当はこうして情に厚く、誰よりも騎手の事を考えていた先生だったと思います。


音無先生には何としても1000勝を達成して引退してもらえたらいいなと思っています。
最後はおとなしくならずに大暴れしてもらいたい!!
この1か月、私は音無先生への感謝を胸に音無厩舎の馬を全力応援していきたいと思います。


明日キャリーオーバーで話題の『WIN5』を久々に買ってみようかと思います。もちろんサンライズジパングを絡めます!

堀宜行厩舎を考察する②

2025年01月15日 22時00分00秒 | 厩舎論
TARGETで引っ張ってきた昨年、一昨年の堀厩舎の成績です。
拡大すると

堀調教師の昨年、一昨年のざっくりとしたデータです。
昨年が48勝。一昨年が38勝(勝率は32.1%、30.2%)と極めて立派な成績。
そして、去年は傾向が変わってきていて、
①中山コースを使うようになった(2023年7勝→2024年18勝)
②北海道シリーズを積極的に使うようになった(2023年24戦→2024年36戦)
もちろん両方とも結果を残しています。

堀厩舎と言えば東京コースという固定概念を崩したと言える去年の成績でした。
こんなにも成績が出るのなら今までも使えばよかったのにと思います。



さてここで堀宜行氏の経歴を。
そもそも堀調教師は千葉県市川市の出身。
学生時代の中山競馬場での誘導馬のお世話のアルバイトで競馬と出会い、一般企業に就職したのちにJRA競馬学校の厩務員課程を経て競馬の世界に飛び込みます。
諏訪富三厩舎で厩務員として、二ノ宮敬宇厩舎で調教助手として経験を積んで、自分の厩舎を開業したのは2003年になります。

助手時代にエルコンドルパサーで海外遠征を経験した堀氏はかつての同僚である佐々木幸二さん(現役の調教助手で、かつてエルコンドルパサーやナカヤマフェスタ、ディーマジェスティなどを手がけた名調教助手。ちなみにエルコンドルパサーが遠征した際には馬と共に約半年現地にいたため、同じ二ノ宮厩舎で働いていた女性が現地まで応援に駆けつけた。それが後の奥さんとなる人であり、先日紹介したディオデルマーレに乗った佐々木大輔騎手のお母様となる人だったという小ネタあり)を厩舎で助手として起用しています。
また、二ノ宮厩舎のベテラン厩務員さんなども堀氏のところへ行ったという事です。
なるほどスタッフが充実しているわけです。

そして、騎手上がりの人材を助手として積極的に起用しており、高橋智大騎手と宗像徹騎手 や森安騎手などもスタッフとして働いているようです。


昨年、20年間堀厩舎で修業をして開業した森一誠調教師も堀厩舎を長年支えた人物です(もういきなりに成功していますね)。
森助手という右腕とも言える大きな柱を失っても厩舎の成績が落ちないと言うのが堀厩舎の底力と言うか、総合力の高さを見せつけた結果となったのでした。



ちょっと話が横道にそれちゃったので、考察が全然終わりません。
次回は堀厩舎の騎手起用、その次は得意の調教パターン、堀厩舎が育てた人や種牡馬となった活躍馬たちなど・・・。
これは5回を超える構成となりそうです。まいった。話を広げ過ぎた。
もっとコンパクトにすべきだったかな。
まぁ、一気に行くのではなく、気長に作っていくとしましょう(笑)。
興味のある人だけまた読んでくださいね。

堀宜行厩舎を考察する①

2025年01月12日 14時00分00秒 | 厩舎論


昔は堀厩舎は嫌いな厩舎でした。
東京しか使わないし、やたら出走するレースは少ないし、調教師はマスコミ嫌いなのか殆ど表には出ないし(現在の森一誠調教師がメディア対応をしていた気がします)。
大昔には大勢のスタッフがまとまって辞表を提出するなんて事案もあったようです。その時は堀先生が頭を下げて丸く収まったようですが、超一流厩舎として「妥協を許さない方針」についていけないスタッフも居たとか居ないとか。
パワハラ事案なんて言うのもあったようですし。

しかし、私は幸運にも「サリオス」に出資出来て、堀調教師の公式コメントなどを見るにつけて考えが変わりました。
堀師は今や数少ない「本物の調教師」だと思うようになりました。
単なる競馬ファンであり、外部の人間である私には詳細はもちろん分かりませんが、この調教師のこだわりは美浦所属の厩舎でありながら、ノーザンF生産馬であっても基本的にNF天栄を使わないという事に全て表れていると思います。
わざわざ輸送距離が多いNFしがらきを使って、最後はしっかりと自厩舎で仕上げるというもの。
外厩で殆ど作ってもらって最後を厩舎で整えるという今流行りの厩舎ではなく、基本的にトレセン内で自らの厩舎で馬を調教する調教師だと感じるようになりました。

この調教師のこだわり、馬への考え方、体調管理・状態の把握などはなかなか他とは比較出来ず、改めて凄い調教師だと心酔するようになりました。


さらに、今回幸運にも新馬勝ちを収めてくれた「ディオデルマーレ」の調整をずーっと見ていて本当に凄いな(行き過ぎでは…とも)と思ったものです。

トップ厩舎でありながらディオデルマーレをおよそ3か月も厩舎において調教してくれたのです(師は山元トレセンは果たして信頼しているのかな?)。
計時されている時計だけでも坂路37本、ウッド11本の計48本もありました(途中、頓挫があってのもので本数自体は増えています)。
当初のデビュー戦の前の美浦のウッドチップ6Fから81.7‐65.9‐50.8‐36.1‐22.8‐11.2秒と素晴らしいタイムを叩き出しました。加速ラップで終い11.6‐11.2は新馬では凄い(この猛時計を出して挫跖を発症。しばらく厩舎で休養となりました)。 
そして、再度立ち上げてすぐの出走となり、不安の多いデビューとなりましたがあの勝ち方。
もう私の堀調教師に対する信頼はMAXになりましたね。

先日のジュニアC後のディオデルマーレはやや右前に硬さがみられるということで未だに厩舎に在厩しています。レースが終わって即放牧ではなく、レース後の状態をしっかりと確認するまで面倒を見るという方針もありがたいですね(まさか、ひょっとして続戦か?)。
この徹底ぶりです。ありがたいです。

そして皆さんにも記憶に新しい京都金杯でのサクラトゥジュールも関屋記念以来の休み明けでも勝利しました。去勢明けの長期休養明けでの重賞勝利ですよ。
そうです。私の推測するに堀調教師には叩きと言う概念は少なく、全戦必勝の方針で攻めて攻めて、攻め抜いているように私には感じるのです。
もちろん良血馬が集まっているからこその成績かもしれませんが、その馬たちを攻めて攻めて自ら強くする。そしてしっかりとケアをする。
その方針が徹底されているからこそのこの成績だと思うのです。

ディオデルマーレはその攻めにデビュー前に少し疲れを見せてしまいましたが、倒れることなく厩舎の攻めに耐え抜いたからこそ、見込みアリと評されてこうしてトップ厩舎の貴重な1馬房をず3か月以上もずっと使わせて頂いていると考える訳です。


長くなりましたので後日続編を。