楽我喜帳

日々是遺言〜ブログは一人遊びの備忘録〜
ブログネーム啓花

詩「カンパリソーダ」

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
「カンパリソーダ」

マスターの手から
そっと差し出されたグラス
真っ赤なカンパリソーダ
外は折から激しい雨
思い出もこの雨と一緒に
流してしまえたら…
どんなに楽だろう
かすかに聴こえるメロディーは
あの日と同じ「君の瞳に恋してる」
あなたに連れて来られたこの店で
初めてのカンパリソーダ
それはドキドキ色の赤
バラ色のカンパリソーダ
今夜ひとりカウンターで呑むカンパリソーダ
あなたのアスコットタイの色
想い出色の赤
高層ビルのエレベーターの中で
突然抱きしめられてくちづけされた
あの日の胸の鼓動が
真っ赤なカンパリソーダの泡のように
今 はじけて消えた

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詩「会いたい…」

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
「会いたい…」

今 何してる?
あなたのことを考えてはため息ひとつ
「らしくないね」と友だちは笑うけど
ここの暮らしにも慣れた
どうにかやっていけそうです
楽しいこともつらいことも盛りだくさんの毎日で
あなたと暮らしたあの街のことは忘れてしまいそう

Bye Bye ごめんね
あなたの心ためすようなことをした
調子にのりすぎてバカなひとことを口にした
失って初めて気づくなんて愚か者
もしも叶うなら
あのひとことを消しゴムで消してしまいたい
何事もなかったように

ロンリー ロンリー 
あなたの腕の中もう一度抱かれたい
今はあなたの肌のぬくもりが恋しい
夢の中で抱かれても熱い吐息はつたわらない
もう二度と戻れないことはわかっているけれど

会いたいよ 淋しいよ
今 何してる?

会いたいよ 淋しいよ
もう一度抱いて 抱きしめて

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詩「ENKA~三部作~」

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
「一輪草」

あなた 今頃 何してる?
ひとり お酒を呑んでるの?
ああ、あなたに抱かれたぬくもりを
思い出してる
忘れられないわ
ふたり 暮らしたこの街を
ひとり あしたは出て行くの
もう 二度とは戻らぬこの部屋に
一輪草を
残して行くわ



「MI・RE・N」

ひとり 夜更けに呑む酒は
あなた思って みれん酒
あなた 恋しい 肌のぬくもり
今頃どこで 呑んでるの
抱いて もいちど ああ あんた

ひとり 鏡に微笑めば
あなた恋しい 泣き笑い
あなたに抱かれた悦びは
あの日はどこへいったのか
抱いて もいちど ああ あんた



「抱いて今夜だけ」

あなたの都合のいい時
気が向いた時だけ
電話で呼び出される
一夜の恋のお相手
あなたにとって私は何なの?
ただの遊びの相手ですか
「そんな人」と思いながら
どこかであなたの誘いを待っている
できるならベッドのなかのあなたがずっとほしい
そっと指環(リング)をはずして
渋谷・円山・道玄坂
紅いネオンが妖しくゆれる
今宵一夜 抱いて抱いて抱きしめて

あなたは都合のいい男(ひと)
気が向いた時だけ
電話で呼び出すのね
一夜の恋のお相手
他に何人いるのかしら?
ただの遊びの相手なのに
「そんな人」と思いながら
どこかであなたの誘いを待っている
できるなら今日もあしたもあなたがほしい
そっと指環(リング)をはずした
湯島・たそがれ・池之端
路地裏HOTELに消えてくふたり
今宵一夜 抱いて抱いて抱きしめて

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ポエム三題

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
「夏の終わり」

あの雲はタマちゃん
あっちの雲はドラえもん
あっ
あの雲はソフトクリームみたい

そんなふうにはしゃぐキミの隣りに寝転んで
ボクは目を閉じている

青空にいわし雲
こんなのどかな日が
いつまでも続くことを夢見ている

来年の夏も一緒にいようね
 
ふっとつぶやいたキミの一言が
夏の名残りの蝉時雨にかき消された

  


            
 「1992・秋…そして2003・秋」

あの日
ナイター照明の中で
どの顔も輝いていた
夢には届かなかったけれど

あなたのはにかんだ笑顔
キミの元気なガッツポーズ
いつまでも忘れない

あの年
阪神タイガースはあと一勝ができず
ヤクルトスワローズに
優勝をさらわれた

あれからいくつの苦いシーズンを越えて
いよいよ「その日」はやってくる
それはすべての記録を塗り変えて
いちだんとたくましくなってやってくる

あの日
悔し涙を流したキミは
ここにはいないけれど
嬉し涙のキミがいる

あの日の涙はけっして忘れない
そして
この日の笑顔もきっと忘れない

夢に届いたね
たくましくなったキミにカンパイ!

            
           

 「火星人のひとりごと」

オレンジ色の輝きをまとい
六万年の時を超えて接近した

「コノホシニユメハアルノ?」
「ドウシテイツマデモアラソウノ?」

火星人のそんな声が聞こえてきそうだ
          
火星人はこの地球で起こっていることをながめて
せせら笑っているかもしれない

「チキュウジンテバカダナ」

          
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ポエム

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
「風になって」

いつでも風になって
あなたのことを見守っていたい
静かに
やさしく
吹いていたい



「ひとりじゃないよ」

人は
ひとりでは生きていけないから
いつも誰かと
どこかで繋がっている

二人なら
喜びは二倍になるし
悲しみは半分になる



「マイペース」

自分の人生
ゆっくりゆっくり歩いていきたい
時には寄り道をしながら
迷ったっていいじゃない
それも人生



「しゃぼん玉」

しゃぼん玉
風に吹かれて飛んでゆけ
隣りの町まで飛んでゆけ

寂しい人の心を
そっと包んでおくれ
しゃぼん玉の中で
寂しい心も
温もってゆくだろう

だから
こわれずに
こわれずに
遠い町まで飛んでゆけ



「指定席」

この指定席は
永遠にあなたと私のもの
座り心地がいいから
時々居眠りしてしまうけど
夢の中でも
隣りにはあなた



「今日という日」

なにもない一日
静かに一日が終わる
のぞまない一日
そして
明日はやってくる



「不器用な愛」

あなたをこんなにも愛しているのに
この想いをどう伝えたらいいのだろう
上手な言葉がみつからなくて
ただあなたの目を見つめていた
ありがとう…
そんな簡単な言葉さえ
照れくさくて
心を彷徨っている



「素直な気持ちで」

飾らずに
ありのままの自分で
生きていきたい
人は
傷つくことを恐れて
心まで装飾してしまう
素直な気持ちは
本当の言葉は
時には
小さな棘となって
心に突き刺さる
素直な気持ち
ありのままの言葉
本当の自分を
さらけ出せたらいいね



「ありがとう」

何も言わなくても
わかってくれる
ありがとうの気持ち
伝わっている
いつまでも見守っていてね
口では言えないけれど
心からありがとう
いつまでも大切な人



「気になる言葉」

もしもあの時
あっちの道を選んでいたら
今のあなたには出会っていなかった
人の縁とは不思議なもので
あの日何気なく口からこぼれた言葉
その言葉を跡形もなく
消してしまえる消しゴムがあるなら欲しい
けれどそんなことは
自分だけがいつまでも覚えているだけ
相手はきっと
たぶん忘れている
そう思いたい
でなきゃまた臆病な心になってしまう

思うほど 人は覚えちゃいないよと
    言うけどやはり気になる言葉




「内緒の日記」

内緒の日記
そっと心の中に
綴りつづけていきたい
いつまでも
ずっとずっと



「春満開」

もうすぐ
歓声と声援が戻ってくる
「プレイボール!」
球審の右手が高く挙がる
キミは夢に向かって
第一球を投じた
また新しい春がやってきた

今年も
新しい希望と
満開の桜を連れて



「春がきた」

春ですね
今年もやってきましたね
どんなに寒い冬のあとにも
春はかならずやってくるから
ゲンキになろうね
笑顔でいようね
満開の桜を夢見て
みんな頑張っている
やさしい春の香りに包まれたくて
この日を待っている

なつかしい空
甘酸っぱい香り
ちょっと振り返ってもいいよね
気持ちだけは前を向いていれば…


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哀しい…

2009-08-20 | 日記・雑記【アーカイブ】
今の人たちは
「こうしたらこうなる」と想像することができなくなっている。
だから
信じられないような事件や犯罪が
おきているのかもしれません。
「こんなことをされたら
自分だったらどう思うか?」と
人のことを思いやる心が
薄れてしまったのでしょうか…。
「自分さえよければそれでいい!」
というジコチュー人間が
(老若男女共)あまりに多くて哀しいです(・・、)


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ポエム「ごめんね」

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
出会って
親しくなって
これからもずっと
友だちとして
おつきあいしていけると
思っていた
ちょっとしたことで
サヨナラですね
ボタンのかけちがいですか
もう一度
貴方のホームページを覗いてみたい
貴方にメールをしたい
けれど
やっぱり
すっきり離れることにします
初めから出会わなかったと
思えばいいのだから
今はまだ
少しだけつらいけれど
貴方のことを
思い出してしまうけれど
そのうち忘れられるでしょう
きっと忘れることでしょう
だって
こんなにたくさんの
友だちがいるんですもの
貴方とは
ご縁がなかった
ということですか

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ちょこっとポエム

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】


そんなかすみ草のひとり言

バラやランの花は華やかで優雅で、
いかにも「花の女王!」という感じがして、きれいだけど…。
私はかすみ草やコスモス、紫陽花のほうが好きです。
道端に咲いているタンポポや名もない雑草の花が好きです。
華やかすぎるものは苦手です。
人間も…。
私には似合わない。


変わりたい
変わらなきゃ
でも
これが私だから
今の自分を大切にしよう


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短歌~三十一文字の恋文~

2009-08-20 | 創作【アーカイブ】
紫陽花が 終わればキミの誕生日
  紅いほおずき 一鉢買えり



川開き 花火見物 人込みで
  浴衣姿のキミが眩しい



梅雨明けを待ちわびたりとオープンす
    ビアガーデンに乾杯の声



向日葵の迷路でキミの肩抱けば
    フワリそよ風 やきもちをやく



夏休み 花火・蝉取り・水遊び
    アルバムの中 輝く笑顔

夏休み 今では遠き過去になり
    先生 友のあの日の笑顔

絵日記に 海水浴の思い出が
    幼い文字で綴られている 



夏祭り 花火・縁日 人込みで
  キミの手 しっかり繋いでおりぬ



涼風が吹き抜けてゆく さやさやと
    草むらの中 虫の音 聞こゆ



コスモスが見たいとキミのリクエスト
    黒姫高原 秋の風吹く

アイシテル ススキが揺れる秋の野で
    キミにくちづけ 空に満月

バイバイと茜の空に子らの声
    澄んだ秋空 赤とんぼ行く



九月来て 澄み渡る空 赤とんぼ
    食欲の秋 秋刀魚の煙

青空に届けと打った白球は
    キミ待つ外野 大ホームラン



歌にこめ 熱き想いを綴る日々
    秋の訪れ 物思う吾

行間の隙間に見えるやさしさに
    あなたの笑顔 見え隠れする



中秋の名月望む曇り空
    お月見団子 月にたとえて

満月に照らされ歩くふたり連れ
    秋の夜長のススキの小道



日の暮れが早くなったと思う頃
    壁の日めくり わずかとなりぬ



日めくりが少なくなりぬ霜月は
    せわしい季節 控えておりぬ



忙しい師走に入り雑用が
    津波のごとく押し寄せてくる



キミと往く 長い人生 始まりぬ
    二人三脚 歩み揃えて

早足で 過ぎ行く日々の移ろひに
    ちょっと歩みを亀に変えよか



年明けて 遠い記憶の友からの
    電話にしばし あの日に還る



薬指 光る指輪に嫉妬する
    吾に見せない貴方の素顔 



アルバムの中に詰まりし想い出は
    あの日のキミがはにかむ笑顔



願い事 心に秘めて渡る橋
    振り返らずにあなたの元へ



青空に飛行機雲のアイラブユー
    キミと見上げる冬晴れの空



桜咲く 川岸歩く春の午後
    キミの髪にも花びら落ちて

春の宵 人込み避けて横道で
    キミを抱き寄せ そっとくちづけ



こぬか雨 ひとつの傘で歩く道 
    行き着く先は路地裏ホテル

紫陽花の色変えていく雨の街
    キミと歩きし 人目忍びつ    



人込みで 寄り添うキミの横顔に
    大川端の花火映して

キミと行く 花火大会 夏まつり
    浴衣姿のキミが眩しく



トケイソウ 時の速さを知らせてる
    あれから四年 ここは平和だ

夢の中 懐かし人の変わらない
    あの日の笑顔 今は届かず

綿ボール フワフワ白いコットンが
    妖精のよう 舞い降りてくる

あの頃の淡い気持ちは甘酸っぱい
    初恋の味 懐かしいキミ



師走空 星の瞬き数えれば
    この一年に 思いめぐらす

暮れてゆく 空見上げれば白い月
    向田邦子「大根の月」



賀状にはひと言だけのぬくもりを
    「お元気ですか」それだけでいい



年賀状 手書きコメント添えられた
    キミの笑顔がここまで届く



新年に届いたキミの年賀状
    手書きひと言 微笑み浮かぶ

鍋囲み 家族団欒 冬の夜
    笑い絶えない年でありたい

微笑みて キミが手を振るホームには
    ふるさと訛り 吾を迎える

寒中のハチ公前で待ち合わせ
    キミの笑(え)まひは冬の陽だまり



花吹雪 卯月の空にハラハラと
  吾の思いをのせて舞い散る

桜散り 新緑萌える頃となり
  風も光もキミと戯れ



真っ青な空のキャンバス追いかけて
  キミとふたりで夢のラクガキ

晴れ渡る皐月の空にこいのぼり
  キミの街まで乗って行きたい



今日咲いたチェリーセージと同じ色
  あの日のキミの口紅の色



写真にはあの日の記憶詰まってる
  思い出の中キミが微笑む



あなたへの書きかけ手紙 引き出しに
  あれからいくつため息ついた



いつのまにたった二校の球児らが
    笑顔と涙 八月の空

キミたちはよくやったよと労いの
    声も届かぬ敗者の涙



試合には勝者と敗者 クッキリと
    わかれておりぬ笑顔と涙



冬の道キミと別れしひとりきり
     空見上ぐれば大根の月

コンビニと月の明りに導かれ
     キミの家まで自転車をこぐ



恋(こ)ひ恋(こ)ひて
    わが思(も)ふ妹(いも)の手枕(たまくら)を
      夢に見つつし小夜更けにけり
(恋しくて恋しくて、
私の思うあの子の手枕を夢に見ていると
夜は更けてくる。)



夏の日にこの砂浜で戯れた今は一人で見つめておりぬ



砂浜で舟底上に並んでる夏の賑わい夢見るように



ケイタイの電源OFFにしておりぬ今日は振替休日だっけ



「元気だせ」自分で自分励まして泣いてもいいよ外は雨降り



                 
「ゴメンね」と帰る汝(なれ)には大切な明日(あした)は日曜、パパしていいよ



友だちに戻れるいつか信じてるこんなにつらい恋はたくさん



「好きだからしばりたくないキミのこと」言い訳なんかもう聞き飽きた



「ダイエーの月みたいね」とキミが言う空見上げればダイエー・マーク



「ゴメンね」が言えずあなたを怒らせたほんとはとても好きだったのに



もう一度あの日に戻りやり直すあのひとことはなかったことに

                     
泣きながら聞いていた夏、若き日の※N・S・Pの「八十八夜」

※(二十年以上前の三人組フォークグループが歌っていた歌のタイトル)



思い出す遠い昔のあの笑顔キミは今頃、何しているの?



日の暮れが早くなったと思う頃、壁の日めくりわずかとなりぬ



あの人が住む方角の花火音、哀しいほどの晴天の朝



「週末に会えずにゴメン」悲しげなキミの瞳を見るのはつらい



こんなにもあなたのことがこの胸を占めているとは思わなかった



ケイタイにかけてみたけど留守電のコール淋しい土曜、日曜



                    
クリスマス二人で過ごせぬ夜ならば女同士で朝まで呑もう



“旧姓”と“ちゃん”付けで呼ぶ間柄いくつになってもステキな青春



「試すのか?」そんなひとこと背中越し投げかけられた大雨の夜



会いたいよだけど会えない週末は掃除洗濯、主婦して過ごす



夢の中あなたに会える堂々と人目気にせず腕組み歩く

                                
日曜日、ぐうぜん街で見かけたよ吾にまぶしい揃いの指環(リング)



好きだけど口にだせないこの思い手もつなげないキスもできない



あの人を気にしてしまうこの吾は妻です、だけど女ですもの



キミのこと目で追いかける吾ありて年下のコは好きじゃないのに



「久しぶり」肩叩かれて振り向けば変わらぬ笑顔キミが微笑む



お揃いのぐい呑み作る轆轤(ろくろ)台 いつかふたりで呑めたらいいね



好きだった…けれど素直になれなくて今ではふたり別の幸せ



好きだけど一緒になれぬ人だからこうして歌で思いを綴る



春待ちて歌を作りしこの吾は昨日も今日も変わらぬ暮らし



コンビニで買えない物はキミの愛 今日は雨降り長電話する



如月のまだ冬空に届きたり待ち焦がれしはセンバツ便り



指折りつ春の訪れ待ち焦がる「梅が咲いた」とニュースは告げる



三月になってますます日が延びてこれから嬉しい春の訪れ



東京に少し早めの初雪が降ったその日はあなたの挙式



こんなこともうおしまいと思ってもあなたの誘い断れぬまま



ここにいる私はきっとちがう人、これは夢なの…そう思いたい



しっかりと落としたはずの爪端にマニキユアの跡かすかに残る



妻でない時間がそこに流れてる高層ビルのガラスの向こう



お茶だけと食事までなら許される それ以上にはなれぬ人ゆえ



こんなことしちゃいけないとわかってもあなたの腕に抱きしめられて



好きだから忘れられないあの人を…心で思うそれだけの恋



電話口“です・ます”口調で話す人 傍に誰かがいるのでしょうか



春の宵、枝垂れ桜の花の下 人目気にしてくちづけた人



マニキュアも化粧も落とし着替えれば何もなかった…そう何事も



言わなけりゃわからないよとつぶやけり心にヒミツ持ったあの夜



心だけ思っていてはつらいからあなたにすべて許してしまう



あの人の心いつでもこの吾にあってほしいと願うのは罪



何事もなかつた日には戻れない片想(かたも)いしてた頃がなつかし



人はみな心にヒミツ持ったまま死んでゆくのね誰にも言えず



私でもまだ棄てたものではないと少し自信をくれたあの人



あの人とただいるだけで幸せな気分になれる何もなくても



何気ないドラマのセリフ頷いた そういうことって確かにあると



こんなにもあなたのことが恋しいが心の中は覗いちゃいけない



あの人の思い出香るアールグレイ 今は飲めなくなってしまった



頻繁に夢にでてくるあなたゆえ恋の病はかなり重症



再会のキミと呑みたき一杯はあの日おぼえたドライマティーニ



歳が経ち手首の傷は癒えたけど心の隅にあなたが暮らす



この部屋に残りし香りなつかしきキミが好んだカルバン・クライン



ドキドキと胸の鼓動が聞こえてるエレベーターの中の接吻(くちづけ)



初めてのこの街歩く肩抱かれ ふたりの関係、誰も知らない



あの人と食べに行きたい三ツ星のフレンチ、今日は夫とふたり



なぜかしらドキドキしてるこの胸は今日も鳴らない着信音に



思うほど人は覚えちゃいないよと言うけどやはり気になる言葉



流れ星、望みかなえてくださいな いつかあなたと呑みに行きたい



夕暮れてキャンドル灯るラウンジに秘密の時間、流れておりぬ



突然の雨にとびこむ映画館 スクリーンには別れの場面(シーン)



雨にぬれ紫陽花の花ふるえてる吾の心を見透かすように



会わなけりゃ忘れられると思ってた けれどますますつのる恋しさ



人去りて寂しくなりぬ秋の海 この砂浜でキミと語らふ



「どこに行く?」「海が見たい」と言うキミの頬を伝った涙の理由(わけ)は



風にのり心だけでも飛んでゆく 今日は日曜、あなたに会えぬ



二回だけ鳴らして切ってまたかける それがあの日の二人の法則(ルール)



ケイタイにあなたのナンバー残ってる 試しにかけてすぐ切りました



真夜中におやすみコールかけてみた あなたがでたらすぐ切ればいい



留守電のあなたの声を消去せず、ひとり夜更けに繰り返し聞く



青空をバックに写る家族写真 私に見せぬあなたの笑顔



「オレも今来たところだよ」その言葉 私の遅刻責めないあなた



あなたから電話がかかる「久しぶり」しばしの間、あの日に帰る



電話口、あなたの声は変わらない あれから何年たったのかしら



腕ふるい あなたのために作ります 愛のスパイス、かくし味です



「がんばって」あなたの声が聞こえてる みんなの笑顔 心に届く



バレンタイン キミのためにとチョコ選び、ときめいたのは遥かな昔



歳末の街の喧騒 テレビ見つ、キミのためにとリンゴジャム煮る



パソ開き新着メール何もなし ため息ついて「閉じる」をクリック



掃除とは捨てるものだと教えられ されど捨てれぬ吾のガラクタ



好きだけど一緒になれぬ人だからこうして歌で想いを綴る



       
永遠に憧れの男性(ひと)あの人はいくつになっても「おにいちゃま」なの

                       

春されば真間の手古奈の桜花、思ひし汝(なれ)と二人見ませば



梅の香のほのかに匂ふ春日山、うぐいす鳴きて春遠からじ



初雪に背中押されて汽車に乗るキミもアイツもみんなは元気?



残雪の白き穂高に君眠る季節巡りてあれから二年



あなたへの罪悪感を気にしつつそれでも彼とグラスかたむけ



あの人が今頃、誰と何しても関係ないよ…それは強がり



何もない純愛だけど幸せと思えるあなた大切な人



五・七・五・七・七と指折りながら短歌つくりし吾は少女に



この私アソビ相手の一人でも愛されてると思いたいから



あなたには私の他に何人かいるのでしょうと少しやきもち



歌つくり赤面してははにかんでこんな自分をいとしく思う



あの人と過ごした夜の次の日は一日、夢の中にいるよう



この歌は作って書いて消しました、心の中に書き留めておく



あの人を忘れられなくなりました…あなたのすべて独占したい



あの人とただいるだけで幸せな気分になれる何もなくても



それも恋、体求めぬ恋があるどちらといえばそっちを選ぶ

                              

女です抱かれてみたいあの人にけれどやっぱり心で結(むつ)ぶ



いつの日かドラマのような恋したい…でもね現実そうはいかない



三年の間、見ぬうちあの人は哀しいくらいジジイになった



あの人がとても小さく見えました粋がってても歳には勝てぬ



本屋にて素敵な出会い期待する映画のような恋がしたくて



あの人は一線越えちゃダメな人、イイ関係が終わりになるから



春欝か、ため息ばかりついている切ないほどにあなた恋しく



あの日から魔法にかかったみたいです早く自分を取り戻したい



あの人はただのアソビの相手でも私にとっては大切な人

            

あの夜からちょうど一ヶ月(ひとつき)この傷が思いださせる忘れたいのに



あの人を見ているだけで幸せな気分になれた頃が懐し



連休はたまった洗濯片付けて今頃キミはいつものホカ弁



休みの日、昼まで寝てるキミだから一人暮らしのコンビニ弁当



連休にあなたのことを思ってるきっと今頃、家族サービス



それぞれに春満開の花見酒ケイタイ鳴らしあの人誘う



公園のベンチに座る吾ひとり、隣にキミの笑顔はなくて



誕生日、一緒に過ごせぬ二人だが遠く離れてローソクを消す



あなたへの薔薇もワインもむだでした…私はひとり、幸せ祈る



あなたからカードが届く誕生日、見慣れぬ切手に外国の文字



風の盆、胡弓哀しくひびく夜…あれからキミはどうしているの?



台風の近づく夜に一人では心細いよ、ずっとそばにいて



ケイタイのあなたのメモリー消せぬのは未練でしょうか?まだ愛してる



CDが奏でる歌に耳澄ます やさしさ色に包まれた夜



お台場のツリーに明かり灯る頃 ふたりで誓う永遠の愛



新しき年の初めに「今年こそ」誓った決意、日毎にうすれ



ご無沙汰の友から届く年賀状「そのうちいつか呑めたらいいね」



新年の寒き一日 白梅の蕾みつめて春を待つ吾



新春の街は静寂、身に纏い 冬晴れの朝えさ食む雀



歳月は街の形を変えゆくが人の心は変わることなく



春近し 桃の節句の白酒でお内裏様もホロ酔い気分



春の宵 そぞろ歩きの二人連れ、行く着く先は路地裏HOTEL



花の下 あなたと歩く肩抱かれ私の頬も桜に染まる



あじさいの花のごとくに変わりゆく吾の心もアジサイブルー



あじさいの色鮮やかな梅雨の街 ひとつの傘で寄り添い歩く



あじさいのごとく開いた傘の花 梅雨空の下 色鮮やかに



夏の宵 花火見物キミと行く団扇の風に甘い移り香



梅雨明けて大川端に花火咲く 浴衣姿のキミがまぶしく


外は雨 君の心の移ろいに 色変えてゆく紫陽花の花




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川柳~十七文字の手紙~

2009-08-19 | 創作【アーカイブ】
花びらがキミの肩にも舞い降りる

ハラハラと散る花びらの無常かな

花びらを浮かべ乾杯 花見酒



雑草のように生きたい この世界

雑草のはびこる庭に夏は来る

雑草の中にもキラリ 花みつけ



校庭に歓声戻る 新年度

校庭を駆け回った日 なつかしい



寺町で 木の芽田楽 乙なもの

木の芽時 おかしな人にご用心



孫追いつ 目を細めてる好々爺

いつまでも孫でいたいね お正月

ベンチでは日向ぼっこの爺と孫



新緑の萌えさかる街 キミと往く

新緑が目にも眩しい頃となり

鯉のぼり 新緑のなか泳いでる



駅前の放置自転車 困り物

駅前のティッシュうれしい花粉症



公園の木陰でのんびり お弁当

木陰には涼しい風が吹き抜ける



雨の街 色とりどりの傘の花

雨の日の地下鉄車内 ムシムシと

雨が降る 吾の心も鉛色



雨上がり 空にかかった虹の橋

橋の下 ブルーシートの家並び

風あびて 水上バスで橋めぐり



夏本番 開幕告げる花火かな



台風が去って真夏日 戻りたり

台風が去ったあとには晴れマーク

台風の後片付けに汗流す



早師走 気ばかり焦る年の暮れ

年の暮れ 街行く人も忙しなく



除夜の鐘 煩悩払い 年迎え

年越しの蕎麦に祈るか 幸あれと

去年(こぞ)今年 祈る幸せ 永遠に



七草を過ぎて待ちわび梅の花

正月も終わり頭を切り替える

七草の粥に漂う春兆し



大寒を過ぎて春へのプロローグ

立春が過ぎれば早し雛祭り



冬枯れの庭に一輪 梅の花



残雪の白き穂高に君眠る

立春を過ぎて待ちわび 花便り



内裏様 白酒呑んで ほろ酔いに

ひなまつり 過ぎて待ちわび 花便り



春待ちの 弥生の空に霞立ち

東風 春待つ吾の髪乱し

待ちわびる すみれタンポポ 桜花



校門を くぐる親子に 花吹雪

みな笑顔 卯月の空に 乾杯す

友と往く 桜並木の 散歩道

桜花 今を盛りと咲き誇る

満開の桜見上げて みな笑顔



十五夜の月に祈るか幸せを

満月の中で餅つくうさぎかな



添えられた「お元気ですか」嬉しくて

一行の手書きの文字に笑顔見え

一枚のハガキに託す 「元気です」



春待ちの 里に一輪 梅の花

待ちわびる「光の二月」花便り



コンビニで買えない物はキミの愛



こんな時 鳴いたら困る腹の虫



春風にスカートふわり おやじニヤッ



窓口で時間取ってるオバサン連



旅終わり 開口一番「ウチがいい」



君からの便りを待って早二年         



松の枝 神籤を結び君を待つ



「電話する」受話器見つめてベルを待つ   



私から電話できないもどかしさ



ドキドキと人目気にしてあなた待つ



この駅でいつもあなたと待ち合わせ      



「待ち合わせ 駅はまずい」とあなた言う



来るはずのないあなたへの伝言板       



息きらせ「待った?」とあなた夢の中



スティション 出会いと別れ 今日もまた



風の駅 見かけたあなた家族連れ      



秋風にコスモスの花 ユラリ揺れ



陽だまりのベンチにふたつ白い影       



大の字になって見上げる青い空



夕焼けに染まる公園 せつなくて       



皮肉にも出会いと別れ同じ場所



枯れ葉舞う 秋の日暮れに何思ふ  



病葉を拾ひて君を懐しむ



夢の中 読んだためしのない手紙       



あれは夢? 煙草の匂い 腕枕



雨が降る 哀しい気持ち流すよに     



雨粒は天使が落とす涙かな?



紫陽花の青あざやかに雨の街      



雨粒で涙ごまかし空見上げ



ついて行く あなたの影を踏まぬよに   



別れ際 ふたつの影が重なって



夕焼けとあなたの背中見送って



何気なく言われた言葉 突き刺さる      



意地っぱり 気持ちと言葉 裏返し



出来るなら あの日の言葉 消したいよ    



紙の上 輝く言葉ちりばめて



人生はいつも二股 選択股        



今頃はちがう人生 歩いてた    



初恋はほぼ結ばれぬものだから     



いつの世も男と女はややこしい    



主婦しても女ですもの 恋したい

                          

亭主には見せない笑顔 あの人に    



街を行くステキな男に目はハート   



妻子あるあなた 私は人妻で…



夫には死んでも言えぬヒミツあり    



誰にでも心に秘密あるものだ



黒板の相合い傘のきみは今…      



黒板の相合い傘は遠い過去      



あの人と一つの傘で歩きたい      



もう少しこっちへお寄りと肩抱かれ



「ポストマンご苦労さま」と投函す   



筒型のポストに落とす旅便り     



今日もまたポストのぞいて便り待つ   



球児たち 砂をあつめて夏が逝く    



球児らの涙しみこむ砂哀し      



甲子園 汗と涙の砂光る



砂に書く「I Love You」を波が消す   



砂の城 はかない夢もくずれゆく



「元気です」君の便りが嬉しくて        



「どうしてる?」あなたの声が聞きたくて



遠い日の花火ではない恋心 



少しだけ時間を止めていいですか?       



いつのまに黄ばんだ写真 過去になり      



占いのいいとこだけを信じてる

                                          

哀しいが人は天使になれないよ               



いつのまに日の暮れ時が早くなり        



遠くなり 幼き頃の夏休み           



世の中に恐ろしきもの 嫉妬なり        



空中で飛行機雲の「I Love You」



菜の花の色したリボン 揺れていた       



キミに合う 菜の花色のカーディガン



西行の気持ちがわかる 春卯月         



キミは今 夢に向かって歩きだす        



信号が変わらなければいいとキミ        



交差点 信号待ちで一目惚れ          



今の世は自由とわがまま はき違え



流されず自由に生きるキミが好き



名も知らぬ 煌めく星に導かれ         



星月夜 キミと二人で歩く道          



キミが乗る回転木馬 ボクが撮る



「会いにきて」流れる星に願いかけ      



流れ星 あなたにとどけ この思い      



流星群 気持ちはひとつ「アイシテル」    



助手席にもたれるキミのその寝顔



一面に金平糖の星の夜 



五色沼 あなたが漕いだ貸しボート       



砂浜に残した足跡 波が消す



ご無沙汰の人から届く「元気です」      



なかなかに会えぬ人ゆえ賀状出す



電線をたどって行けばキミの街



改札を抜ければそこはキミの故郷        



東京の初雪便り 雨混じり



改札で迎えるキミの顔浮かべ         



初雪の頃に出会ったキミだった



やや遅れキミの街にも雪便り



初雪ははかなき恋のため息か



春風のごときブラウス身にまとい        



春風のようなあなたが好きでした 



遠い日の“お誕生会”キミとボク                                  



キミからのカードが届く年一回      



誕生日祝ってほしいな、あの人に



紫陽花が色変えてゆく梅雨の町
 
 

紫陽花と見紛う如き傘の花






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