工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

紙製小型ガソリンカーの製作1

2015-01-20 22:17:30 | 今日の製作所
年末のこと

紙で仙台市電等の素晴らしい作品群を製作されている方から型紙のデータを頂きました。
コミケなどで頒布されており、目にされた方もいるかもしれません。

頂いたのは最新作、阿南鉄道の2軸ガソリンカー。
KATOのチビ客車動力を使うものです。
・・・シバサキのキットやとて簡を連想させますが、こちらは窓が一段なのでペーパー工作で何とかなりそうです。



なんだそれはというのはこんなのです。(これは成田鉄道の同型車)
雨宮製作所の標準的なガソリンカーで、薄い屋根のかなり角ばった車体が特徴。
ガソリンカーは如何にも薄くて軽そうな雰囲気の車両が多い中、重そうな雰囲気を持っています。
・・・たぶん腰板が長いせいでしょう。

全国の(かなり小規模な)私鉄各社に導入され、おそらく最後まで残ったのは蒲原鉄道でサハ化されたものだと思います。
最近アルモデルからHOのキットが発売されているので、それでご存知の方も多い事でしょう。


さて、キットというか型紙の方はCADデータなので取敢えず印刷。
以前の紙工作にはケント紙を使っていましたが、最近はペーパークラフト用紙がプリンタ用紙コーナーで売られているので素直にそれを使います。



不慮の事故で破棄する事になる場合を考え、いつも多めに作ります。
・・・なんと言っても紙。原価はとても安い。
今回は最新作の阿南鉄道のガソに加え、かなり昔にweb上で公開されていた日車製?のものも同時に製作します。





あとはデザインナイフと定規を使って窓を抜いていくのみ。
最初のうちは結構ミスを連発すると思いますが、これは慣れてコツを掴むしかないかと・・・
とにかく切れ味が悪くなったら刃をすぐ交換しましょう。

それから、紙の印刷面にはクリアー、裏にはサーフェイサーを塗布します。
これは通常切る前に行います。今回は窓を抜いた後にスプレーしてみました(笑
・・・冬は手汗で「スルメ」みたいになる心配は無いのでどっちでも大丈夫そうです。


扉のモールド表現には透明なシールを使います。



図書館の本の表紙に貼ってあるアレです。
私は東急ハンズで購入しましたが、製本材料が置いてあるお店なら購入できそうです。



こんな感じに扉の周りに貼り付け、いらない部分を窓と同じ要領でカット。
紙まで抜かないように注意です。



窓のすべてと扉のモールドが出来たら今度は内板と外板を貼り合わせます。



内板の印刷面にサフを吹き付け、乾かないうちに外板を重ねて接合しました。
・・・かなり荒業です。乾いたら修正不可能なので慎重にやりましょう
ここで1両ロスしました(笑

ただし!実は実家での作業で資材が無かったのでこうなってしまったのでありまして・・・

通常はサフが乾いた後に重ね、窓や隅からシンナーや流し込み接着剤をしみこませれば接着できます。
こちらの工法を推奨しますw






乾いたら前面と側面を切り出し。
内外がうまく接合していない場合は、裾などからシンナーや流し込み接着剤を流して固定しましょう。






あとはプラの板キットと同じ要領。
一両は少しアレンジし、前後の窓を1枚分縮め、荷物台が付くようにしてみました。
このようなアレンジが簡単にできるのは紙ならではでしょう。



側面と前面の接合部が前面に来て目立つので、瞬着を盛りつけて整形しています。
・・・サフが茶色いのは在庫の関係です。


(つづく)