『じゃあ次は仁さんの番ね』
送信ボタンを押し、私はベッドの上でウーン、と伸びをした。
寝っ転がってるとは言え、ずっと携帯とにらめっこしていると体が固まってしまいそうだ。
話し始めた時に作っていた夕飯はとっくに食べ終わり、気がつけばもう23時を過ぎていた。
彼とのチャットは深夜まで及ぶことが多い、と言うか、そもそも始めるのが遅かった。
すぐに、トーク画面に彼からの返信が浮かんだ。
『僕の番?』
『そう。次は仁さんの話を教えて』
『そうか。じゃあ
僕がメイサさんをナンパしてみる』
はい?
『(笑)』
『行くよ』
えっ何?
何するの???
よくわからんがとりあえず……
『どうぞ』
と、予想外の仁さんの返答にハテナマークを浮かばせながら送った。
すぐに入力中サインが点き、そしてまたすぐ、彼からのメッセージが届いた。
『よかったら、僕とお茶しませんか?』
(´⊙ω⊙`)
私の返事は
『オッケー!』
軽っ!!
すぐに仁さんから『やった』と返信が来た。
この時2人は、距離にして1200km離れたところに住んでいた。
当然彼は今まさに私とお茶しようとしているわけではなく、急いで戦闘服(ボディコン)に着替える必要もなかったのだが、よく分からないオンラインナンパを快諾した形になった。
仁さん何言ってんだろう(笑)
でもまぁ、ナンパごっこ?したくなるくらいには私のこと魅力的だと思ってるってことなんだろうな。
そんな見解のままその日は終わり、その数日後に、私達は初めて電話していたのだ。(やっとそこに戻る)
「メイサさんは料理得意そうだね」
「んー、まぁそうね。趣味だし」
「あっそうだ。僕も自炊しなきゃいけないから、どんなものをとったらいいか教えてほしい」
いいわよ!と私は鼻息荒く答えた。
「ズバリね…」
「うん」
ジャジャーン!
「色の濃い野菜よ!」
(´⊙ω⊙`) (・∀・)イロノコイヤサイヨ!!
短い沈黙の後、仁さんが言った。
「色の濃い……野菜。」
プーッ!!と、どちらともなく吹き出した。
いや、私の方が激しかったかもしれない(笑)
「えっ何何?なんでそんなにびっくりしているの?(笑)」
「いや、僕は、もっと具体的な食べ物の名前、教えてもらえると思ってたのに(笑)ハハハ(笑)」
「ハハハハ!(笑)今おかしかったよねー(笑)」
「うん(笑)ハハハ(笑)じゃあさ、じゃあさ、」
「なに?」
仁さんは笑いを堪えながら言った。
「キュウリは?」
私は答えた。
「色の濃い野菜だよ」
私達はまた吹き出し、声を上げて笑った。
何でもないこのフレーズが、もうとにかく面白くて、間違いなくこの日1番のヒットになった。
笑い声で息絶え絶えの中、私は涙を拭いながら言った。
「あー……面白いねぇ」
「そうだね(笑)メイサさんと話すと本当に楽しいよ」
「そう言ってもらえると嬉しいわ(笑)」
「また明日、時間がある?」
「え?……あるよ」
「よかったら、また明日話せたら嬉しい」
気がつけば私達は、4時間も電話していた。
初めてのチャットもとても長かったけれど、電話とチャットではレスポンスにかかる時間も違うので、電話で4時間も話し続けられたなんて、ずいぶん楽しかったんだなぁと自覚させられた。
私は思わず笑顔になって、ウン、勿論、と答えた。
嬉しそうに笑う仁さんの声が聞こえた。
「じゃぁおやすみ。また明日連絡するね」
「うん、おやすみなさい」
電話を切った後、私は胸が暖かい気持ちでいっぱいなことに気がついた。
すごく楽しかったな。仁さんと話していると、時間が経つのがあっという間。
こんなに沢山話せるなんて、ちょっとすごいことなんじゃないかな?
もしかして、いや、もしかしなくても私は………
仁さんのこと、好きになるかも。
続きます。
送信ボタンを押し、私はベッドの上でウーン、と伸びをした。
寝っ転がってるとは言え、ずっと携帯とにらめっこしていると体が固まってしまいそうだ。
話し始めた時に作っていた夕飯はとっくに食べ終わり、気がつけばもう23時を過ぎていた。
彼とのチャットは深夜まで及ぶことが多い、と言うか、そもそも始めるのが遅かった。
すぐに、トーク画面に彼からの返信が浮かんだ。
『僕の番?』
『そう。次は仁さんの話を教えて』
『そうか。じゃあ
僕がメイサさんをナンパしてみる』
はい?
『(笑)』
『行くよ』
えっ何?
何するの???
よくわからんがとりあえず……
『どうぞ』
と、予想外の仁さんの返答にハテナマークを浮かばせながら送った。
すぐに入力中サインが点き、そしてまたすぐ、彼からのメッセージが届いた。
『よかったら、僕とお茶しませんか?』
(´⊙ω⊙`)
私の返事は
『オッケー!』
軽っ!!
すぐに仁さんから『やった』と返信が来た。
この時2人は、距離にして1200km離れたところに住んでいた。
当然彼は今まさに私とお茶しようとしているわけではなく、急いで戦闘服(ボディコン)に着替える必要もなかったのだが、よく分からないオンラインナンパを快諾した形になった。
仁さん何言ってんだろう(笑)
でもまぁ、ナンパごっこ?したくなるくらいには私のこと魅力的だと思ってるってことなんだろうな。
そんな見解のままその日は終わり、その数日後に、私達は初めて電話していたのだ。(やっとそこに戻る)
「メイサさんは料理得意そうだね」
「んー、まぁそうね。趣味だし」
「あっそうだ。僕も自炊しなきゃいけないから、どんなものをとったらいいか教えてほしい」
いいわよ!と私は鼻息荒く答えた。
「ズバリね…」
「うん」
ジャジャーン!
「色の濃い野菜よ!」
(´⊙ω⊙`) (・∀・)イロノコイヤサイヨ!!
短い沈黙の後、仁さんが言った。
「色の濃い……野菜。」
プーッ!!と、どちらともなく吹き出した。
いや、私の方が激しかったかもしれない(笑)
「えっ何何?なんでそんなにびっくりしているの?(笑)」
「いや、僕は、もっと具体的な食べ物の名前、教えてもらえると思ってたのに(笑)ハハハ(笑)」
「ハハハハ!(笑)今おかしかったよねー(笑)」
「うん(笑)ハハハ(笑)じゃあさ、じゃあさ、」
「なに?」
仁さんは笑いを堪えながら言った。
「キュウリは?」
私は答えた。
「色の濃い野菜だよ」
私達はまた吹き出し、声を上げて笑った。
何でもないこのフレーズが、もうとにかく面白くて、間違いなくこの日1番のヒットになった。
笑い声で息絶え絶えの中、私は涙を拭いながら言った。
「あー……面白いねぇ」
「そうだね(笑)メイサさんと話すと本当に楽しいよ」
「そう言ってもらえると嬉しいわ(笑)」
「また明日、時間がある?」
「え?……あるよ」
「よかったら、また明日話せたら嬉しい」
気がつけば私達は、4時間も電話していた。
初めてのチャットもとても長かったけれど、電話とチャットではレスポンスにかかる時間も違うので、電話で4時間も話し続けられたなんて、ずいぶん楽しかったんだなぁと自覚させられた。
私は思わず笑顔になって、ウン、勿論、と答えた。
嬉しそうに笑う仁さんの声が聞こえた。
「じゃぁおやすみ。また明日連絡するね」
「うん、おやすみなさい」
電話を切った後、私は胸が暖かい気持ちでいっぱいなことに気がついた。
すごく楽しかったな。仁さんと話していると、時間が経つのがあっという間。
こんなに沢山話せるなんて、ちょっとすごいことなんじゃないかな?
もしかして、いや、もしかしなくても私は………
仁さんのこと、好きになるかも。
続きます。