それは某月某日。
私はパソコンとにらめっこしていた。
うぅーーーーーん
高いなぁ……
見ていたのは航空会社のウェブサイトだ。
煌々と値段一覧が表示されているが、そのどれもがメチャクチャ高かった。
2日後のフライトは厳しそうだ。
そもそも2日後のフライトなんて高いに決まってる。
どうしてもっと早く決めておかなかったんだ。
と、誰も彼もに言われそうだけど、私の仕事は予定が読みにくい。
さらに言い訳させてもらうけど、元々はもっと近くの国でウロウロする予定だったのだ。
でも急に、そこには行けない理由が出来ちゃったもんだから……
はぁ、とため息が漏れる。
フライト先は、咲人のいる国だ。
どこかこの国以外の外国へ行ってみたかった。
でも誰も知り合いがいなかったら寂しい。
どうせなら会いたいと思える人がいる国に行きたかった。
おもむろに携帯を開くと、咲人からメッセージが来ていた。
『メイサ、本当に来るの?チケットは見つかった?』
彼はわかりやすくウキウキワクワクしている。
日中はあまりマメじゃないのに、ものすごく早く既読がつき返信が来る。
アンタ仕事大丈夫なのか…?
ポチポチポチポチ
『んんー、あるっちゃるけど、とにかくバカ高いわ。
まぁ当たり前ね、今ハイシーズンだし。
日本円で言うところのこれくらいしちゃうわ』
とフライト代のスクショを送ってやると、OH NOと返信が来た。
『確かにそれは高いな…。そうだな、俺の街に空き部屋があるよ。
綺麗だし誰も住んでない。
もし君がくるならそこを使っていいし、君は何一つお礼や支払う必要はない。
俺からのバースデープレゼントだよ』
そう
此度の旅行は、私めの誕生日旅行なのです。
無料で使っていい部屋?どんだけオンボロなんだろう。
っていうか咲人ずいぶん来て欲しそうだなぁ。
初めに予定していた国は、咲人の一度行ってみたいと言っていた国で、
私の国からやたら近い。電車で1時間だ。
私は初め、咲人にそこへ行く予定を告げ、あなたも来ればと言ってみたのだ。
咲人は私が休暇を取ると言った瞬間、俺の国にくるの!?と大喜びし、
いや、ここに行く予定なんだと言ったらガッカリし、
あなたも来ればと言われ、君がくるなら案内できるくらいの時間は取れるけど俺がそこへ行けるほどのそんな時間はないと答えた。
確かに電車で1時間の私とは違うかもしれないけど、あちらはあちらで飛行機で1時間半だ。
私は正直、こいつ自分は来て欲しいくせに来ないのかよと腹が立った。
そしてとても、悲しかった。
何なら正直言うと、ちょっと泣けた(恥)
何よ、結局好き好き言っと私のことなんか真面目に考えてないんじゃん。
なんで自分から行く気はないのよ。
一度でも会ってみたいとか会う努力しようとか思わないわけ?
…………その程度ってことだよね。
メソメソとその場に崩れ落ちて泣いたのは、
今でも悲しい思い出であります。はい。
んで!(話を戻す)
その晩、咲人は私と電話で話したいと提案して来た。
真っ暗な部屋で話し始めると、彼は言った。
「で、どう?もう決めたの。そもそもなんで初めの予定変えたの?」
「だってさーあたしが行く予定とガッチリ合わせたかのように、大嫌いな上司がそこ行くっつったんだもん」
「あー……オッケーそれは無いな」
「そぉよ。あんな狭い国、絶対遭遇するじゃん。
しかも何が悲しくて自分の誕生日に会わなきゃならんねん」
「わかったわ」
ふむ、と咲人は唸った。
私は続けた。
「今も迷ってるけど……あなたの国に行くかどうか」
「今もって、わかってるのか、明後日だぜ」
「わかってるわよ。でも1人でそんなとこ行ったことないんだもん。
フライトも高いし、アンタの母国語なんか一個も喋れないわよ」
「安心しろよ。大都市だぜ。ほぼ100で英語喋れるから」
「(いや私の英語そんな良くないだろ)」
「ふーむ、まぁフライト代はな……」
半分払うよとか言ってくれないかなー。
いや、別にお金の問題じゃなくて、それくらい来て欲しがってほしかったんだよね。
電話を切り、ベッドの中でも私はまだ迷っていた。
するとふと、携帯が光った。
咲人からメッセージだ。
『メイサ、もし君が俺の国に来るなら、俺は君とできるだけ過ごせるようにするし、案内するよ。
空港も、都市部の空港についても郊外の空港についても、
俺は君を迎えに行くよ。』
(°_°)
咲人が
押してる。
来て欲しいんだろうなぁ。
翌朝目を覚まして、ぼんやりする視界の中で考えた。
明日どこへ行くか。
何が何でも誕生日にこの街で1人でいるのは嫌だ。
大嫌いな上司に会ったら、自由を感じないから嫌だ。
って事はもう…………
ポチっ
購入ボタンが光った。
ポチポチポチポチ
『Hello, Sakito. あなたの言ってた部屋まだ空いてる?』
チケット購入画面のスクショを添付した。
『私、
明日そっちへ行くわ』
続きます。
私はパソコンとにらめっこしていた。
うぅーーーーーん
高いなぁ……
見ていたのは航空会社のウェブサイトだ。
煌々と値段一覧が表示されているが、そのどれもがメチャクチャ高かった。
2日後のフライトは厳しそうだ。
そもそも2日後のフライトなんて高いに決まってる。
どうしてもっと早く決めておかなかったんだ。
と、誰も彼もに言われそうだけど、私の仕事は予定が読みにくい。
さらに言い訳させてもらうけど、元々はもっと近くの国でウロウロする予定だったのだ。
でも急に、そこには行けない理由が出来ちゃったもんだから……
はぁ、とため息が漏れる。
フライト先は、咲人のいる国だ。
どこかこの国以外の外国へ行ってみたかった。
でも誰も知り合いがいなかったら寂しい。
どうせなら会いたいと思える人がいる国に行きたかった。
おもむろに携帯を開くと、咲人からメッセージが来ていた。
『メイサ、本当に来るの?チケットは見つかった?』
彼はわかりやすくウキウキワクワクしている。
日中はあまりマメじゃないのに、ものすごく早く既読がつき返信が来る。
アンタ仕事大丈夫なのか…?
ポチポチポチポチ
『んんー、あるっちゃるけど、とにかくバカ高いわ。
まぁ当たり前ね、今ハイシーズンだし。
日本円で言うところのこれくらいしちゃうわ』
とフライト代のスクショを送ってやると、OH NOと返信が来た。
『確かにそれは高いな…。そうだな、俺の街に空き部屋があるよ。
綺麗だし誰も住んでない。
もし君がくるならそこを使っていいし、君は何一つお礼や支払う必要はない。
俺からのバースデープレゼントだよ』
そう
此度の旅行は、私めの誕生日旅行なのです。
無料で使っていい部屋?どんだけオンボロなんだろう。
っていうか咲人ずいぶん来て欲しそうだなぁ。
初めに予定していた国は、咲人の一度行ってみたいと言っていた国で、
私の国からやたら近い。電車で1時間だ。
私は初め、咲人にそこへ行く予定を告げ、あなたも来ればと言ってみたのだ。
咲人は私が休暇を取ると言った瞬間、俺の国にくるの!?と大喜びし、
いや、ここに行く予定なんだと言ったらガッカリし、
あなたも来ればと言われ、君がくるなら案内できるくらいの時間は取れるけど俺がそこへ行けるほどのそんな時間はないと答えた。
確かに電車で1時間の私とは違うかもしれないけど、あちらはあちらで飛行機で1時間半だ。
私は正直、こいつ自分は来て欲しいくせに来ないのかよと腹が立った。
そしてとても、悲しかった。
何なら正直言うと、ちょっと泣けた(恥)
何よ、結局好き好き言っと私のことなんか真面目に考えてないんじゃん。
なんで自分から行く気はないのよ。
一度でも会ってみたいとか会う努力しようとか思わないわけ?
…………その程度ってことだよね。
メソメソとその場に崩れ落ちて泣いたのは、
今でも悲しい思い出であります。はい。
んで!(話を戻す)
その晩、咲人は私と電話で話したいと提案して来た。
真っ暗な部屋で話し始めると、彼は言った。
「で、どう?もう決めたの。そもそもなんで初めの予定変えたの?」
「だってさーあたしが行く予定とガッチリ合わせたかのように、大嫌いな上司がそこ行くっつったんだもん」
「あー……オッケーそれは無いな」
「そぉよ。あんな狭い国、絶対遭遇するじゃん。
しかも何が悲しくて自分の誕生日に会わなきゃならんねん」
「わかったわ」
ふむ、と咲人は唸った。
私は続けた。
「今も迷ってるけど……あなたの国に行くかどうか」
「今もって、わかってるのか、明後日だぜ」
「わかってるわよ。でも1人でそんなとこ行ったことないんだもん。
フライトも高いし、アンタの母国語なんか一個も喋れないわよ」
「安心しろよ。大都市だぜ。ほぼ100で英語喋れるから」
「(いや私の英語そんな良くないだろ)」
「ふーむ、まぁフライト代はな……」
半分払うよとか言ってくれないかなー。
いや、別にお金の問題じゃなくて、それくらい来て欲しがってほしかったんだよね。
電話を切り、ベッドの中でも私はまだ迷っていた。
するとふと、携帯が光った。
咲人からメッセージだ。
『メイサ、もし君が俺の国に来るなら、俺は君とできるだけ過ごせるようにするし、案内するよ。
空港も、都市部の空港についても郊外の空港についても、
俺は君を迎えに行くよ。』
(°_°)
咲人が
押してる。
来て欲しいんだろうなぁ。
翌朝目を覚まして、ぼんやりする視界の中で考えた。
明日どこへ行くか。
何が何でも誕生日にこの街で1人でいるのは嫌だ。
大嫌いな上司に会ったら、自由を感じないから嫌だ。
って事はもう…………
ポチっ
購入ボタンが光った。
ポチポチポチポチ
『Hello, Sakito. あなたの言ってた部屋まだ空いてる?』
チケット購入画面のスクショを添付した。
『私、
明日そっちへ行くわ』
続きます。