お久しぶりです。
なかなか忙しく落ち着いて綴れない日が続いておりましたが
今週からちょっと頑張りたいと思います。h
咲人の話は勿論、ここに書いていることは私がこの小さい脳みそと身体で体験して来た
リアルアドベンチャーです。
ここに書き綴ることで、私の記憶を整理しているつもりです。
大切だった人や、失ってしまったもの、
そして何より知れて良かったことが沢山あります。
時間がかかると思いますが、何とか全て書き終えたいと思います。
が、がんばるぞぉー(苦笑)
ではでは、遅くなりましたが……続きへどうぞ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「メイサ、俺は提案がある」
突然咲人はそう切り出した。
私はつまんだチョコレートを空に上げたまま、ハイ?と応答した。
「俺たちは、この不健康な睡眠不足状態を抜け出すために、ルールが必要だと思う」
「へぇ。そうですか」
「まず、このルールはどちらかが翌日働かなければならない場合に適用される。
かつ、その働く予定の人間が翌朝9時より前に起きなければならない場合だ。
眠気を感じた時点から15分以内に切る。
どうだ?」
いや、どうだって……エエんちゃう?と答えた(笑)
「ちなみに眠気を感じた時点、というのはお互いの眠気を察した場合も含む。
例えば、君がアクビをした場合とか。」
「ほーほーなるほどね。いいわよ」
よし、と咲人は満足げだった。
私はこんな咲人のユニークなところが好きだった。
真面目っていうか超理屈っぽいっていうか。
何にでも一生懸命な感じがして、可愛かったのかも知れない。
その日の会話も他愛もないことだったから、何を話したかなんて覚えてない。
でも、とても楽しかったこと。
そして数時間後にひどく眠くなったことを覚えている。
「咲人の声、眠そうだね」
「いや俺は眠くないけど、君は?」
「実は眠い」
「あ、切ろう」
「えぇーーイヤだぁーーー」
「何時に起きるの?」
「…7時です」
メイサ、ルールだぜ、と咲人が首を振るのが浮かんだ。
私は後15分だけ、と食い下がった。
咲人は承諾し、何について話したい?と聞いてきた。
私はウンッと伸びをしながら、何にしようかなぁーと声も伸ばした。
ふと自然に少し声がかすれた。
途端に、咲人がちょっと笑って話し出した。
「前回くらいから思ってるんだけど、君は違う声のトーンを使うことができる。
声の能力を持ってるよな」
「どんな?」
「…自分でもわかってるんだろ」
「わかんない」
「男を口説ける能力だよ。変な言い方だと思うかもしれないけど、誘惑してる」
「そう?」
「そうだよ」
「Sure?」
「Sure。Because 俺がまさに今その渦中にいるから」
と言って誤魔化すように笑った。
ふぅーん。
咲人、私に口説かれてるの?
クラクラしてくれてるのかしら。
「ふーん、そう?」
「あー!あと、あれだよ。君のあの顔!前回のビデオコールで見せたやつ」
と咲人が声を上げたのは、プクーっと頬を膨らませた顔の話だ。
所謂ぶりっ子な表情だと思うのだけど、これもまた私のクセの一つで、
前回咲人が私を拗ねさせる事を言ったときに、見せたのだ。
確かにその時も咲人は、それはズルい!と言っていた。
「あーあれ」
「そう。あの顔をする時いつも、いつもと違う声を出す。
あの顔はどこから来てるの?いつもするの?」
「知らんけど…あなたあの顔大好きね」
「そうだね」
「どうして?」
「すごく可愛いから。でもあの顔されると困るけど」
「え、どうして?」
「ずるい」
ふーん?
苦笑する咲人の顔が浮かんで、私はうんとより一層彼のことが愛しくなった。
てな感じに私のロマンチックが止まらないのも知らず、咲人は無情に言った。
「メイサ、もう時間だよ」
「ヤダ」
「Yada?なに?」
「ノーって意味だよ」
咲人は軽いため息混じりに私の名前を呼んだ。
「メイサ。さっき俺たちは相談して、君も賛成しただろ」
「してない」
「(笑)」
「わすれた」
「メイサ」
「ヤダ。ヤダ。」
と駄々をこねたが咲人がそのまま冷静に私を説得しそうだったので、
私はうんと可愛い声で日本語で言ってみた。
「お願い。」
咲人が黙った。
「…ダメだよメイサ。それはズルイ」
「プリーズって言ってる」
「わかるよ。←なんでわかったん?でもダメ、そんな声出さないで」
「お願い。お願い。お願い、咲人」
「もー。。。。」
「あと五分だけ。ね。お、ね、が、い」
はぁぁーーーと長めにため息をつくのを聞き、私は彼が手で顔を覆っているところを想像した。
優しくて可愛い咲人はこんなに甘えられたら断れっこない。
そしてこんな風に甘えられるのが、彼自身大好きに違いないんだ。
勿論
私もこれが大好だ。
「…わかった。じゃ、何について話す?」
甘えるのが大好きなんて書いた割に素直になれない私は、
ガラリと声のトーンを戻し、腕を組んでエラそーに言った。
「日本語の練習したら?」
「(笑)いいよ。」
と言って、咲人はゆっくりと
覚えたての、なかなか限られたフレーズを言い始めた。
メイサはすごく可愛い
咲人はメイサが実に好き
いいね、いいね、と茶化すと、咲人も楽しそうだった。
俺はメイサの声が好き
俺はメイサの笑顔が好き
おれは。。。
咲人はたくさんのことを言ってくれた。
超初心者の彼が紡ぐ日本語はとてもゆっくりでシンプルで
それを言う彼の声も、いつものとても聞き心地が良い声で
私はとても幸せだった。
「グッジョブ。よくできました」
「いい先生だからね」
「そうよ。咲人に対してはね」
「いつもだろ。君は基本的にどの学習者にも親切なんだろ」
そうだけど。。。
「オッケー。確かに私はいつもいい先生だし教えるのが好きよ。
でも咲人は特別。特に今はラブリーな文を教えてるからすごく楽しいわ」
「なるほどね……
さて。メイサ、時間だよ」
「ヤダ」
「ダメだ。←覚えた
聞いて、君は忘れたかも知れないけど、俺たちはさっきルールについて話し合って、君は同意した。
君はルールを守らなければならない。」
私がうぅーと唸ると、咲人は、ね?とやさしく言った。
「やだ」←しつこい
「メイサ…」
「寝れないもん」
「なんで?」
「理由が二つある」
教えてよと促され、私はポツリポツリと話し始めた。
「一つは、まだあなたと話したい」
「なるほど」
「もう一つは、たくさんラブリーなこと聞いたから…寝れない」
咲人はちょっと笑った。
きっと、あの笑い皺いっぱいの可愛い顔をしている。
電話じゃなくて、ビデオコールにすればよかったな。
さっきからずっと咲人の顔想像してばかりだ。
「わかった。じゃあ今は電話を切って、明日、つまり今日、
電話の初めと中盤でまたそういうこと言ってあげる。
それでどう?そっちの方が寝られていいでしょ」
「やだ。初めと、中盤と、最後がいい」
「(笑)また寝れないぞ」
「いいの。聞きたいの。で、もうあと五分」
咲人はふーん!と強くため息をつき、ヤレヤレ声を出した。
「じゃ、質問。君は自分のことしつこいって思う?(笑)」
は!?
「…なんでよ」
「さっき俺の事しつこいって言っただろ。でも君自身はどうなんだよ」
「……そうね、今しつこいかもね」
「その通り(笑)」
私はツンっとエラそうに応戦した。
「でも、あなた喜んでるでしょ」
咲人は苛立ちもせず、いつもの余裕綽々のキザな声で That’s true と答えた。
私はちょっと彼をからかってやろうと思った。
「咲人って、それいう時正直じゃないよね」
「は?なんで?」
「平気なフリ知ってるっていうか。。(英語でなんて言うんだ?)」
「あー。。。 えっと、ちょっと冷たく聞こえるかも知れないけど…
これは俺たちの文化っていうか」
と咲人はバツが悪そうにした。
彼の国の文化では、男はカッコつけなければならない。
クールに振る舞うのだ。
まぁおそらくそれはその国特有と言うよりはユニバーサルなのだけど、
非常に日本人と似ている。
っていうのも手伝って、私はどうってことなく答えた。
「大丈夫よ。
だって、咲人がどうしたって、私は咲人がどう思ってるかわかるもん」
「(笑)わかるの?」
「わかるよ。咲人の反応でわかる。私のこと大好きなんだって。」
咲人は
そうだね、と笑った
咲人
本当?
「オッケーメイサ」
「はい」
もうさすがに切らなきゃ。
「寂しいよ、咲人。。。」
うなだれる私に、咲人は優しく言った。
「寂しがらないで。すぐ話せるよ」
私は微笑んだ。
「うん」
おやすみ。
続きます。
なかなか忙しく落ち着いて綴れない日が続いておりましたが
今週からちょっと頑張りたいと思います。h
咲人の話は勿論、ここに書いていることは私がこの小さい脳みそと身体で体験して来た
リアルアドベンチャーです。
ここに書き綴ることで、私の記憶を整理しているつもりです。
大切だった人や、失ってしまったもの、
そして何より知れて良かったことが沢山あります。
時間がかかると思いますが、何とか全て書き終えたいと思います。
が、がんばるぞぉー(苦笑)
ではでは、遅くなりましたが……続きへどうぞ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「メイサ、俺は提案がある」
突然咲人はそう切り出した。
私はつまんだチョコレートを空に上げたまま、ハイ?と応答した。
「俺たちは、この不健康な睡眠不足状態を抜け出すために、ルールが必要だと思う」
「へぇ。そうですか」
「まず、このルールはどちらかが翌日働かなければならない場合に適用される。
かつ、その働く予定の人間が翌朝9時より前に起きなければならない場合だ。
眠気を感じた時点から15分以内に切る。
どうだ?」
いや、どうだって……エエんちゃう?と答えた(笑)
「ちなみに眠気を感じた時点、というのはお互いの眠気を察した場合も含む。
例えば、君がアクビをした場合とか。」
「ほーほーなるほどね。いいわよ」
よし、と咲人は満足げだった。
私はこんな咲人のユニークなところが好きだった。
真面目っていうか超理屈っぽいっていうか。
何にでも一生懸命な感じがして、可愛かったのかも知れない。
その日の会話も他愛もないことだったから、何を話したかなんて覚えてない。
でも、とても楽しかったこと。
そして数時間後にひどく眠くなったことを覚えている。
「咲人の声、眠そうだね」
「いや俺は眠くないけど、君は?」
「実は眠い」
「あ、切ろう」
「えぇーーイヤだぁーーー」
「何時に起きるの?」
「…7時です」
メイサ、ルールだぜ、と咲人が首を振るのが浮かんだ。
私は後15分だけ、と食い下がった。
咲人は承諾し、何について話したい?と聞いてきた。
私はウンッと伸びをしながら、何にしようかなぁーと声も伸ばした。
ふと自然に少し声がかすれた。
途端に、咲人がちょっと笑って話し出した。
「前回くらいから思ってるんだけど、君は違う声のトーンを使うことができる。
声の能力を持ってるよな」
「どんな?」
「…自分でもわかってるんだろ」
「わかんない」
「男を口説ける能力だよ。変な言い方だと思うかもしれないけど、誘惑してる」
「そう?」
「そうだよ」
「Sure?」
「Sure。Because 俺がまさに今その渦中にいるから」
と言って誤魔化すように笑った。
ふぅーん。
咲人、私に口説かれてるの?
クラクラしてくれてるのかしら。
「ふーん、そう?」
「あー!あと、あれだよ。君のあの顔!前回のビデオコールで見せたやつ」
と咲人が声を上げたのは、プクーっと頬を膨らませた顔の話だ。
所謂ぶりっ子な表情だと思うのだけど、これもまた私のクセの一つで、
前回咲人が私を拗ねさせる事を言ったときに、見せたのだ。
確かにその時も咲人は、それはズルい!と言っていた。
「あーあれ」
「そう。あの顔をする時いつも、いつもと違う声を出す。
あの顔はどこから来てるの?いつもするの?」
「知らんけど…あなたあの顔大好きね」
「そうだね」
「どうして?」
「すごく可愛いから。でもあの顔されると困るけど」
「え、どうして?」
「ずるい」
ふーん?
苦笑する咲人の顔が浮かんで、私はうんとより一層彼のことが愛しくなった。
てな感じに私のロマンチックが止まらないのも知らず、咲人は無情に言った。
「メイサ、もう時間だよ」
「ヤダ」
「Yada?なに?」
「ノーって意味だよ」
咲人は軽いため息混じりに私の名前を呼んだ。
「メイサ。さっき俺たちは相談して、君も賛成しただろ」
「してない」
「(笑)」
「わすれた」
「メイサ」
「ヤダ。ヤダ。」
と駄々をこねたが咲人がそのまま冷静に私を説得しそうだったので、
私はうんと可愛い声で日本語で言ってみた。
「お願い。」
咲人が黙った。
「…ダメだよメイサ。それはズルイ」
「プリーズって言ってる」
「わかるよ。←なんでわかったん?でもダメ、そんな声出さないで」
「お願い。お願い。お願い、咲人」
「もー。。。。」
「あと五分だけ。ね。お、ね、が、い」
はぁぁーーーと長めにため息をつくのを聞き、私は彼が手で顔を覆っているところを想像した。
優しくて可愛い咲人はこんなに甘えられたら断れっこない。
そしてこんな風に甘えられるのが、彼自身大好きに違いないんだ。
勿論
私もこれが大好だ。
「…わかった。じゃ、何について話す?」
甘えるのが大好きなんて書いた割に素直になれない私は、
ガラリと声のトーンを戻し、腕を組んでエラそーに言った。
「日本語の練習したら?」
「(笑)いいよ。」
と言って、咲人はゆっくりと
覚えたての、なかなか限られたフレーズを言い始めた。
メイサはすごく可愛い
咲人はメイサが実に好き
いいね、いいね、と茶化すと、咲人も楽しそうだった。
俺はメイサの声が好き
俺はメイサの笑顔が好き
おれは。。。
咲人はたくさんのことを言ってくれた。
超初心者の彼が紡ぐ日本語はとてもゆっくりでシンプルで
それを言う彼の声も、いつものとても聞き心地が良い声で
私はとても幸せだった。
「グッジョブ。よくできました」
「いい先生だからね」
「そうよ。咲人に対してはね」
「いつもだろ。君は基本的にどの学習者にも親切なんだろ」
そうだけど。。。
「オッケー。確かに私はいつもいい先生だし教えるのが好きよ。
でも咲人は特別。特に今はラブリーな文を教えてるからすごく楽しいわ」
「なるほどね……
さて。メイサ、時間だよ」
「ヤダ」
「ダメだ。←覚えた
聞いて、君は忘れたかも知れないけど、俺たちはさっきルールについて話し合って、君は同意した。
君はルールを守らなければならない。」
私がうぅーと唸ると、咲人は、ね?とやさしく言った。
「やだ」←しつこい
「メイサ…」
「寝れないもん」
「なんで?」
「理由が二つある」
教えてよと促され、私はポツリポツリと話し始めた。
「一つは、まだあなたと話したい」
「なるほど」
「もう一つは、たくさんラブリーなこと聞いたから…寝れない」
咲人はちょっと笑った。
きっと、あの笑い皺いっぱいの可愛い顔をしている。
電話じゃなくて、ビデオコールにすればよかったな。
さっきからずっと咲人の顔想像してばかりだ。
「わかった。じゃあ今は電話を切って、明日、つまり今日、
電話の初めと中盤でまたそういうこと言ってあげる。
それでどう?そっちの方が寝られていいでしょ」
「やだ。初めと、中盤と、最後がいい」
「(笑)また寝れないぞ」
「いいの。聞きたいの。で、もうあと五分」
咲人はふーん!と強くため息をつき、ヤレヤレ声を出した。
「じゃ、質問。君は自分のことしつこいって思う?(笑)」
は!?
「…なんでよ」
「さっき俺の事しつこいって言っただろ。でも君自身はどうなんだよ」
「……そうね、今しつこいかもね」
「その通り(笑)」
私はツンっとエラそうに応戦した。
「でも、あなた喜んでるでしょ」
咲人は苛立ちもせず、いつもの余裕綽々のキザな声で That’s true と答えた。
私はちょっと彼をからかってやろうと思った。
「咲人って、それいう時正直じゃないよね」
「は?なんで?」
「平気なフリ知ってるっていうか。。(英語でなんて言うんだ?)」
「あー。。。 えっと、ちょっと冷たく聞こえるかも知れないけど…
これは俺たちの文化っていうか」
と咲人はバツが悪そうにした。
彼の国の文化では、男はカッコつけなければならない。
クールに振る舞うのだ。
まぁおそらくそれはその国特有と言うよりはユニバーサルなのだけど、
非常に日本人と似ている。
っていうのも手伝って、私はどうってことなく答えた。
「大丈夫よ。
だって、咲人がどうしたって、私は咲人がどう思ってるかわかるもん」
「(笑)わかるの?」
「わかるよ。咲人の反応でわかる。私のこと大好きなんだって。」
咲人は
そうだね、と笑った
咲人
本当?
「オッケーメイサ」
「はい」
もうさすがに切らなきゃ。
「寂しいよ、咲人。。。」
うなだれる私に、咲人は優しく言った。
「寂しがらないで。すぐ話せるよ」
私は微笑んだ。
「うん」
おやすみ。
続きます。