くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

一生の宝物

2019-06-06 19:30:00 | プール&スポーツクラブ
一生の宝物を手にしたのは、わたしではない。悪い心を持つトレーナーHくんだ。

プールで。

「くるりさん、僕、今日本当にいいことがあったんですー(*´∀`)♪」

「なになにー?」

「僕、格闘技好きなんですよ」

「そうだよね、知ってる、知ってる」

「でですね、なんと!X選手のサインもらったんです!」

Xさんは元キックボクサーで二度のK-1世界王者になった人だ。彼は尊敬の念を込めて、選手と呼んでいるらしい。

「なんで?どうして?どうやって?」
 
「えへへ、X選手のお父さんからいただいたんです!X選手のお父さん、ぼくの泳法レッスンに出てくれてるんですよ。きっとくるりさんも会ったことあると思います」

「へえ、お父さんがここに通ってるんだ。あー、Xさんって○○スイミングに記録が貼り出されてたもんね」

○○スイミングは、この辺りにあるスイミングスクールでミルキーも小さい頃通っていた。

わたしも毎週送り迎えをしていたが、ずいぶん前に卒業したはずのXさんの記録が貼り出されていたのを覚えている。ちゃんと見ちゃいないので、記録を破られていないからなのか、それともXさんが有名人だからなのか、掲示理由はわからない。

Hくんは大学生の時、ここのスイミングスクールでバイトをしていたらしい。が、ミルキーは習っていない。

「僕、お父さんがX選手のお父さんって知らなくて、でも格闘技が好きだって話から、X選手が大好きで、全試合録画して今も観てるって話してたんですー」

で、お父さんはきっと息子の熱狂的なファンに感激したのだろう。スポーツクラブのフロントに写真とサインを彼宛に預けてくれ、そこから親子関係を知ることになったのだそう。

「あー、僕、今までの人生の中で一番嬉しいです!もう、サイコーです!」

(・・・早く練習しようよ)

「くるりさん、これヤフオクとかで売れますかね?」

「ええっ!?あなた、人でなし?」
 
「冗談ですー」

「そんなこと言っちゃダメだし、しちゃいけないし、思ってもダメだよ」

「へへっ、絶対にしませんよう。これ、家宝にします」

・・・怪しいもんだ。悪い心が見え隠れ。

後日、フィンスイムのレッスンでそのお父さんとご一緒したのだけれど。Xさんもイケメンだが、お父さんの方がイケメン。還暦はとうに過ぎているけれど、すらりと背も高くカッコいいおじさんだった。

「くるりさん、お父さんどうでした?」

「カッコいいねぇ」

「でしょう?」

Hくんはお父さんにもハートを鷲掴みにされているようだ(( *´艸)