花垣五年古酒

ささやかながら退職者を送る会が開かれた。昔のように先輩後輩の付き合いもなく、まして職場旅行などもなくなり、みな自分のことできゅうきゅうとして日々仕事に追われている昨今では、ほとんどの人が帰宅を急ぐばかりで、業務終了後の宴に集まったのは、昔からの付き合いの深い人だけに限られた。新参者の私には面識もほどほどだから、それでも宴に参加したことを喜んでいただけたのは幸いだった。私も定年まであと十年をきった。そのときには、こんな小さな宴も催されない時代になっているんだろう。何かのおりに飲もうと思い、しまっておいた日本酒・花垣の五年古酒を持参し封を開けた。大吟醸の馥郁とした香りと古酒特有の熟成された円やかさが口と鼻腔に拡がった。
この時期に大吟醸の「たれくち」が限定で出荷される。これもまた違った味わいで実にフルーティーな飲み口で人気があり、女性に好まれる仕上がりなので数か月を待たずに完売される。注文した「たれくち」がもうそろそろ我が家にも届く頃だ。とりあえず冷蔵庫に仕舞い込み、桜の咲くのを待つとしよう。
花垣＞http://www.hanagaki.co.jp/shop/shop_top.htm