(雲の流れのような人生)
福岡は住み心地の良い国際交流都市です。
いつものように福岡県立美術館にぶらりと行ってみました。
今回の旅で特に印象に残ったのが高島野十郎の光と影を感じさせられる絵画です。
花、しだれ桜の描き方は精密で驚嘆させられました。
鑑賞を終えてから館内のハイビジョン画面を見ました。
高島野十郎の生涯が雲のように思えました。
( ハイビジョンの流れ)
リンゴを手にした自画像
早春
ろうそくの絵
ノートルダムとモンターニユ通り
セーヌ河畔(昭和5年~8年)
洋梨とぶどう (昭和16年)
春の海(昭和27年)
割れた皿(昭和33年)
有明の月(昭和36年)
睡蓮(昭和50年)
高島野十郎は福岡県出身です。
仏教に深い関心を持って85歳の生涯を閉じるまで独身を貫いて来ました。
高島野十郎は生涯をかけて独学で絵を描き続けています。
老齢期になってからは油絵を描くために起き上がる事すら困難になってしまいました。
一本の蝋燭を数多く描き続ける事によって孤独から光明を見出そうとしていたのでしよう。
最後まで油絵を描き続けた高島野十郎の姿は一本の蝋燭そのものだつたのかも知れません。
高島野十郎は雲の流れを追うように絵画を描き続けたのです。
そして画壇には、あえて知らそうとはせずに無名画家として質素に生涯を全うしたのです。
このように、日本には才能がありながら埋もれたままになっている画家が数多くいます。
福岡の画家 高島野十郎もその一人だと思います。
「緑の館絵画を楽しむ会」のHPはこちらです。