昨夕、市陸上競技場のトラック外周を、ジョギング前の準備運動としてウォーキングしていたら、私の前を三人の爺さんが歩いていた。
「いや、偶に運動すると、気持ちがいいね」
「ああ、そうだね」
「はは、毎晩、体に悪い事ばかりしているからね。偶には、矢張り運動しないとな」
「酒か」
「いや、ははは、酒ばかりじゃないよ」
「何、あんた、あっちの方もまだ現役か」
「ははは、酒と女は、なかなか卒業できないよ」
「はは、私もね、あんた見たいに毎晩じゃないけど、矢張り、酒と女は、止められないよ」
「ふふ、酒と女は、男の命取りだよ。あんた達は、長生き出来ないな」
とそれまで沈黙していた爺さんが言った。
「いや、解ってはいるんだけどね」
「そうだな。解ってはいるんだけどな。なかなか難しいよ」
「あんた達は、馬鹿だね」
「いや、ははは」
「へへへ、ヒガさん、きついね」
いや、いや、男は、生涯現役で有るべきか。それとも、年相応に枯れて行くべきなのか。これは、大問題だ・・・はて、何方が仕合せか。
『 諦めの 春と出会いて 泪顔 』 石 兎
「いや、偶に運動すると、気持ちがいいね」
「ああ、そうだね」
「はは、毎晩、体に悪い事ばかりしているからね。偶には、矢張り運動しないとな」
「酒か」
「いや、ははは、酒ばかりじゃないよ」
「何、あんた、あっちの方もまだ現役か」
「ははは、酒と女は、なかなか卒業できないよ」
「はは、私もね、あんた見たいに毎晩じゃないけど、矢張り、酒と女は、止められないよ」
「ふふ、酒と女は、男の命取りだよ。あんた達は、長生き出来ないな」
とそれまで沈黙していた爺さんが言った。
「いや、解ってはいるんだけどね」
「そうだな。解ってはいるんだけどな。なかなか難しいよ」
「あんた達は、馬鹿だね」
「いや、ははは」
「へへへ、ヒガさん、きついね」
いや、いや、男は、生涯現役で有るべきか。それとも、年相応に枯れて行くべきなのか。これは、大問題だ・・・はて、何方が仕合せか。
『 諦めの 春と出会いて 泪顔 』 石 兎