「アケミ、ホワイト・デーどうだった」
「ええ~何、今頃そんな事聞くの」
「ははは、アケミの成果が気になったからさぁ~」
「ふん、人の成果なんか、気にしないでよ」
「ははあ、さては成果ゼロだったのね」
「な、何、成果ゼロって。本命チョコは、一人だけでしょ。ケイコ、あんた、本命チョコ沢山配ったの」
「はは、保険よ、保険」
「馬鹿、恋に保険が有るの」
「有る、有る。私付き合いたい男、一人だけじゃないから」
「はあ~、あんたって人は」
「アケミ、何、真面目に考えているの」
「・・・・・・・」
「一寸、一寸待ってよ、アケミ」
とケイコ。
= 犬 と 一 緒 に =
犬を引く少女。
何処かで、誰かが、心細げに呼んでいる。
私の心は、共鳴する。
不安の拠所は、人の心だと。
ここは、鄙びた一本道。
八月の末の夕暮れは、少し足早で、
少女も、犬と一緒に、私の傍らを駆け抜ける。
石 兎
「ええ~何、今頃そんな事聞くの」
「ははは、アケミの成果が気になったからさぁ~」
「ふん、人の成果なんか、気にしないでよ」
「ははあ、さては成果ゼロだったのね」
「な、何、成果ゼロって。本命チョコは、一人だけでしょ。ケイコ、あんた、本命チョコ沢山配ったの」
「はは、保険よ、保険」
「馬鹿、恋に保険が有るの」
「有る、有る。私付き合いたい男、一人だけじゃないから」
「はあ~、あんたって人は」
「アケミ、何、真面目に考えているの」
「・・・・・・・」
「一寸、一寸待ってよ、アケミ」
とケイコ。
= 犬 と 一 緒 に =
犬を引く少女。
何処かで、誰かが、心細げに呼んでいる。
私の心は、共鳴する。
不安の拠所は、人の心だと。
ここは、鄙びた一本道。
八月の末の夕暮れは、少し足早で、
少女も、犬と一緒に、私の傍らを駆け抜ける。
石 兎