石兎の風流日誌

日常に考えた事を俳句・短歌で綴る。

新内閣・・・

2010-06-10 01:39:46 | 日記
 国際政治は、青臭い書生論で行なわれている訳ではない・・・国際政治は、残酷なリアリズムだ。
 
 大国は、一様にダブルスタンダードだ。隣国の中国と同盟国の米国外交を見れば、それは歴然としている。中国は、善隣友好互恵関係を外交の看板にしながらも、着々と武力を増強し、形振り構わずに世界中で天然資源を買い漁っている。そして、米国は、自由人権を外交の看板にしながらも、身勝手な金融投機を行い、テロとの戦いと称して無辜の民(イラク・アフガン)を戦渦に巻き込んで殺している。
 
 いやはや、全く、日本は良くも悪くも国際政治の舞台では、青臭い・・・そんな日本に昨日、菅連立内閣が、スタートした。
 
 菅総理は、自分の内閣の事を、奇兵隊内閣と命名したが、幕末に高杉晋作が創立した奇兵隊は、栄光の歴史に色取られている訳ではない。奇兵隊は、明治政府が成立した時に、解散命令を受けたのだが、解散を拒んで反乱を起こした一部の隊員達は、桂小五郎(木戸孝允)が実権を握っていた長州藩に弾圧されて悲惨な最期を遂げたのだ。要するに、大部分の奇兵隊の隊員達は、使い捨てにされたのだ。奇兵隊を利用して、明治政府で功成名を遂げたのは、伊藤博文や山県有朋などの幹部達だけで有った。

 奇兵隊の歴史を知ってか知らずか、菅総理は、光と影の有る長州奇兵隊の名前を自分の内閣に命名してしまった・・・さて、吉と出るか、凶と出るか。

 大国の狐や狸達と渡り合って行けるのであろうか。内政外政問題山積だ・・・


  『 気を病みて 気力萎えし 夜などは  維新の志士の 写真を見る 』        石   兎