徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

段階的復職~ハンブルク・モデル(がん闘病記24)

2018年03月05日 | 健康

約7か月のがん治療のための病欠後、今日から職場復帰しました。

俗に「ハンブルク・モデル(Hamburger Modell)」と呼ばれ、正式名称「段階的復職(Stufenweise Wiedereingliederung)」という制度がドイツにはあります。この制度を利用して、私はひとまず1日4時間労働で復帰しました。2週間後には1日6時間に増やし、さらに2週間後の4月2日からフルタイム復帰の予定です。

フルタイム復帰するまでは、形式的には病気扱いとなり、給料は支払われず、健康保険組合から傷病手当が支払われます。雇用主はこの場合、被雇用者の職業的リハビリをサポートするだけになります。

段階的復職は多くの場合6週間で、労働時間ももう少しゆっくり増加させるものなのですが、私は比較的元気ですので、早く給料をもらいたいと思って、4週間に短縮しました。

直接フルタイムでの復職も理論的には可能でしたが、7か月近く休職していたので、いきなりフルタイム復帰はちょっと自信がなくて。。。。というわけで4週間という妥協案となった次第です。

今日は会社のLANに接続して必要なアップデートを行い、上司と業務について話し、後は社員総会に参加してきました。これだけで4時間を超えてしまったので明日は在宅勤務で2時間くらい働くつもりです。

何がしんどいって、やはり通勤そのものが一番しんどいですね。しばらく車の運転してませんでしたし、渋滞していると神経が疲れます。

そういう意味で、段階的復職ばかりか在宅勤務が可能な労働環境はありがたいものです。

がん闘病記25


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

放射線治療の経過(がん闘病記20)

放射線治療半分終了~副作用キター!(がん闘病記21)

直線加速器メンテナンスのため別病院で放射線照射(がん闘病記22)

放射線治療終了(がん闘病記23)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)


放射線治療終了(がん闘病記23)

2018年02月20日 | 健康

今日で28回の放射線照射が終了しました。2月12日のローゼンモンタークを除き平日は毎日通院するという人生初の体験でした。照射自体には時間は大してかからないので、病院に入ってから出てくるまで30分以内で済むことが多かったです。だから通院の負担は軽かったと言えます。副作用の方は、下腹部照射のため尾籠な話になってしまいますが、結局一回の便秘で痛めた肛門とその周辺の傷が治ることなく、その後便が柔らかになっても痛みが治まらずに血が混じります。処方されたクリームは塗っているのですが、傷の治りが遅いのも放射線照射の影響のようです。回復はこれから、というところでしょうね。副作用や後遺症に関して経過観察するため、6週間後に再度来るように言われました。

今月は婦人科の検診にも行ってきました。本当は去年の夏に摘出手術を受けた後すぐに行くべきだったのですが。。。まあとりあえず異常はなかったので、結果オーライということで。ただし、「膣内容塗抹で若干の変質が見られた」とのことで、引き続き「要観察」だそうです。こちらは半年後に再検診です。

この「若干の変質」って嫌な響きですね。以前、2015年に子宮筋腫で子宮掻爬手術を受けた際に子宮壁の細胞にも「若干の変質」があって、結局それが2年後に子宮内膜がんに発展したと思われるので、「心配するほどのことじゃない」と言われても心配になってしまいます。

明後日は化学療法を受けたがん専門クリニックで血液検査と担当医との面談があり、そこで今後の方針を決めることになります。恐らく「段階的復職」の段取りを決めることになると思いますが、その前に何もしないバカンスが欲しいですねぇ。温泉とかで療養できたらいいですね。

がん闘病記24


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

放射線治療の経過(がん闘病記20)

放射線治療半分終了~副作用キター!(がん闘病記21)

直線加速器メンテナンスのため別病院で放射線照射(がん闘病記22)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)



直線加速器メンテナンスのため別病院で放射線照射(がん闘病記22)

2018年02月02日 | 健康

今日は通院中の聖マリア病院の直線加速器がメンテナンス中のため、姉妹病院である福音教会系森の病院(Das Evangelische Waldkrankenhaus)の放射線科に照射を受けに行きました。渋滞と道に迷ったのとで30分ちょっとかかりました。あいにくの雨で駐車場から病院の建物に入る間に結構濡れてしまいました。(傘を使えばよかったのでしょうけど)。

放射線科の建物は無愛想なグレーの箱のようで、終末医療のホスピスと姑息的治療(緩和治療を主眼とする)センターの近くという位置づけで、あまりいい気はしなかったのですが、放射線科の中に入ってみるとなかなかいい待合室が待ち受けていました。

海水魚の大きな水槽と


ちょっと和風の中庭がいい感じでした。

結構混んでいて、予約時間から20分くらい遅れて呼ばれました。

ここの直線加速器はちょっと古いモデルだそうで、聖マリア病院の機械よりも大型でした。照射時間もいつもよりかかりました。おまけに機械の回転中に出るノイズが癇に障るほどうるさく、またじっと見つめていなければならない天井には空の写真がなく、灰色がかった退屈な天井でした。待合室がいい感じでも、ここの放射線科には2度とお世話になりたくないですね。特にノイズが負担に感じました。

終わった時に外は土砂降りになっていたので、病院のカフェテリアで朝食をとって一息入れることにしました。そろそろランチタイムが始まろうかという時間でしたけど、私たちは朝何も食べずに出てきたので。

お腹も一杯になり、紅茶で体もあったまり、カフェテリアを出るころには小雨になってました。

駐車料金は聖マリア病院の駐車場よりも高くて、1時間1.50€、2時間分3€払う羽目に。繁華街から遠い丘の上の森に隣接する病院だから、駐車する人は病院に用のある人だけだと思うのだけど、随分ぼったくってると思うのは私だけでしょうか。街中の病院だったら、病院に用のない人でも駐車してしまうことがあるだろうから、それなりの料金設定をするのは理解できるのですが。

閑話休題

夕方に昔の同僚から久々に電話があって半時間ほどお話ししました。彼とはFBで一応繋がっていたとはいえ、「いいね」もコメントもなかったので、まさか彼が私の投稿を読んでるとは思わなかったのですが、実は黙ってフォローしてたようです。彼も実は胃癌で1年間休職していて、昨年の10月にようやくフルタイム復職したとのことでした。そのことはごく親しい友人以外には内緒にしていたとのことですが(だから同僚以上友人未満である私は知らなかった)、私のFBの投稿を見てて話したいと思ったようです。胃を全摘したそうですから、日常生活に対する影響は私の子宮がんなどとは比べものにならないくらい大変ですね。30kg痩せたそうで、痩せ方も半端じゃありませんね。彼はものすごくグルメで、以前はたまにプライベートで一緒に食事しに行くことがありましたけど。なんでもボンとその近郊の星付きレストランはほぼ制覇したそうですから、もしかして胃癌は外食のし過ぎが原因の一端でもあるのかなと思いました。彼の治療は、化学療法→手術→リハビリ→化学療法だったそうです。がんの治療は必ずしも摘出手術から始まるわけではないのですね。

さて、私の放射線照射も残すところ後11回。ちょっとした消化不良くらいで済みますように!

がん闘病記23


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

放射線治療の経過(がん闘病記20)

放射線治療半分終了~副作用キター!(がん闘病記21)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)

 


放射線治療半分終了~副作用キター!(がん闘病記21)

2018年01月30日 | 健康

今日で14回目の放射線照射が終わり、残すところ後14回となりました。

残念ながら昨晩から副作用が始まったようで、尾籠な話で恐縮ですが、排便の際に肛門に激痛が走って、かなり辛いことになりました。
今朝も同様の激痛を伴う排便があったので、早速放射線照射の後に放射線腫瘍医と話して、薬を処方してもらいました。便秘薬のMovicolは化学療法を始めた時に出してもらったものがまだあったので、Doloproctというクリームだけ薬局で買ってきました。自己負担は5€。

医師の話によると、小腸が放射線に刺激された場合、便秘よりは下痢になる方が多いらしいです。私もこれからそうなるかもしれないから気を付けるようにと言われました。

もっとも私のは通常の「便秘」のように詰まってたわけではなく、便が異常に硬かっただけなんですが。まず水分を十分に摂っているか聞かれましたが、毎日2リットル以上は確実に水・白湯・お茶・紅茶などで飲んでいるので、水分不足というのはあり得ませんね。だからやはり放射線による腸の機能障害と判断されました。

抗がん剤による関節痛の方がましだったとは言いませんが、こういう痛みもかなり不快ですね。

がん闘病記22


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

放射線治療の経過(がん闘病記20)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)

 

 


放射線治療の経過(がん闘病記20)

2018年01月23日 | 健康

放射線治療の経過と言っても大して特記するようなことはないのですが、週末以外毎日12時に病院に行くのは生活リズムを一定にするにはいいことですね。

 

家から病院までは車で道が混んでいる時でも15分位しかかかりません。駐車場が満車になっていることが多く、私だけが病院に入り、ダンナが駐車場に空きが出るまで待つということがたびたびです。

12時の放射線照射に合わせて、その1時間前に1リットル近くの水分を摂るのはいいのですが、待ち時間が長くなるとかなり困った事態になります。1度などは25分も待たされたため、照射が終わってから慌ててズボンと靴を履いてトイレに駆け込む羽目になりました。

今日の待ち時間は10分位でした。今日で治療の3分の1が終わったことになります。

気になる放射線量を聞いてみました。1回の照射につき1.8Gy(グレイ)の放射線を浴びることになるそうです。グレイとは、ある物質が放射線に照射されたとき、その物質の㎏当たりの吸収線量を示す単位で、定義はJ/kgです。と言っても物理の苦手な私には分かったような分からないような、いや、結局よく分からない単位なのですけど。そういうわけで、現在までの照射量は16.2Gyで、放射線治療全体の合計は50.4Gyとなります。

エックス線やガンマ線の場合は1対1でシーベルトに換算できるとのことで、50.4Gyは50.4シーベルトに相当します。

え?ミリとかマイクロではなく、シーベルト?!

なんとそこに間違いはありません。生体(人体)が受けた放射線の影響は、受けた放射線の種類と対象組織によって異なるため、吸収線量値(グレイ)に、放射線の種類ないし対象組織ごとに定められた修正係数を乗じて、実効線量(シーベルト)に換算します。「グレイからシーベルト換算」というページによると、50.4Gyの実効線量は、膀胱で2.02Sv、その他の臓器で6.05Svに相当するらしいです。全身被曝ではないので、「年間1ミリシーベルトの被曝上限」と言う場合の被曝量とは異質の物なのですが、単位だけ見てると「ヤバい量」に思えますね(笑)

今のところ副作用は出ていません。下腹部を照射しているので、腸の機能に障害が出て、下痢または便秘になったり、トイレが近くなったりする可能性があるらしいのですが、照射量16.2Gyの段階では何もなしです。今後出てくるかもしれませんが。

照射後数か月以上へて起こる晩期反応というのも色々あるようで恐ろしいのですが、それは今考えても仕方のないことなので、考えないようにしています。


放射線治療とは関係ありませんが、化学療法が終わってから約6週間後(12月30日あたり)に生え始めた髪の毛は、その後順調に伸びて、頭皮の白さが目立たなくなりました。

がん闘病記21


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)



放射線照射第一回(がん闘病記19)

2018年01月11日 | 健康

今日は放射線照射の第1回目でした。

当初の予定では、治療は1月8日に開始する筈でしたが、放射線量を計算する元となるCT撮影を膀胱中の水分が不足していたために2回やり直す羽目になり、その分治療開始がずれ込んでしまいました。

私の場合、子宮があった場所の周辺部分を外部照射することになっています。尾籠な話で恐縮ですが、その照射範囲に放射線に弱い小腸が入ってしまわないように、膀胱を一杯にして小腸を押し上げる必要があったわけです。今日もCT撮影の時とほぼ同じ膀胱・小腸の位置を再現するために、照射の1時間ほど前に1リットル近く水分を取りました。冷たい水を大量に飲んでしまったので、体が冷えてしまったのはよくなかったですね。明日は温かい白湯とか生姜湯とかを飲もうと思います。

さて、放射線照射の前に、靴やズボンを脱がなくてはいけないので、下の写真のような着替え用キャビンに案内されます。幅1.5m弱、長さ2mくらいかと思います。そこにイス1つ、鏡1枚、絵が2枚。

 

さすがに放射線室で私が写真を撮るわけにはいかないので、病院のパンフレットから直線加速器の写真を転用。

これの黒い台に横になり、このずんぐりむっくりした放射線照射の機械が何回か回転するのを不動のまま待ちます。照射は上下・両脇などいろんな角度から下腹部に向けて行われます。

その間じっとしている患者の退屈を紛らわすためなのか、真上の天井には、桜の花の咲く木々の間から見える青空を撮影した写真が飾ってありました。2x2mはあるのではないでしょうか。確かに白い天井を見ているよりは青空の写真を見ている方が、閉塞感が少ないかも知れません。

照射時間はトータル5分位でした。その後、お腹に新しいマーキングを入れられ、寝ている状態で写真を撮られました。

なんだかんだで滞在時間は30分以上になり、駐車料金を払わなければならなくなったのがちょっと悔しいですね。後5分早く終わっていれば無料だったと思うと余計に。。。

放射線照射の副作用は、今日のところは若干気持ち悪くなった程度です。回を重ねると累積放射線被曝量が増えるので、副作用が強くなる可能性があるらしいです。あまりひどくならないことを祈ります。

明日は12時から照射。週末はお休みで、月曜日からまた毎日12時に照射です。

がん闘病記20


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)


放射線治療の準備(がん闘病記18)

2018年01月02日 | 健康

明けましておめでとうございます。

新年早々ですが、ドイツでは1月2日は全く普通の平日ですので、病院も通常営業です。というわけで、放射線治療計画のためのCT撮影に行って参りました。

ここ、聖マリア病院の放射線科では患者がバスタオルを持参することになっています。他の病院では使い捨てのシートをCT撮影などに使用しますが、こちらではCTにも放射線照射の直線加速器にも患者持参のバスタオルを敷くのです。環境にやさしく、病院のコスト削減にもなっているのはよく理解できますが、面倒くさいのは否めません。

少し待ち時間がありましたが、CT撮影自体はかなりあっけなく終わりました。ポジショニングのためのマーキングをお腹につけられ、透明な防水絆創膏を貼られてしまったので、お風呂禁止です。シャワーはOKだそうですが、夏はともかく冬にシャワーだけというのは辛いですね。

もう一つ事務的な面倒なことがあります。抗がん剤治療を受けたがん専門クリニックからの紹介状は年末で有効期限が切れてしまうので、今四半期のためにもう一度紹介状をもらって聖マリア病院に提出しないと健康保険組合との清算ができないため、私個人に請求書を出さざるを得なくなるというのです。紹介状をもらって最初の診察が12月28日だったので、非常に理不尽な感じがしますが、四半期毎の清算サイクルは動かせないので仕方ありません。がん専門クリニックに新しい就労不能証明書を取りに行くついでに紹介状も再発行してもらうことにします。

 

ところで、11月21日に受けた最後の抗がん剤はどうやら体からほぼ抜けたようで、12月30日からわずかに頭髪が生え始めました。今日は眉毛もちょっぴり復活して来ているのが判明しました。

最後の抗がん剤投与から6週間で頭髪などが復活するのなら、確かにそれを何十人あるいは何百人の患者さんで何十年も確認してきたドクターからすれば、抗がん剤による脱毛は「些末事」と言えるでしょうね。私にはもちろん初体験なので、「また生えて来るから大丈夫」と言われても、若干不安でしたけど。ちょっと頭皮がかゆいのですが、嬉しいかゆみですよね(笑)

がん闘病記19


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)


放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

2017年12月29日 | 健康

今日、というかすでに昨日ですが、聖マリア病院(St.Marien-Hospital)の放射線科で放射線治療についての初面談に行ってきました。当初の予定では29日だったのですが、病院側の都合で28日に変更になりました。

うちから車で10分強のところで、丘の上に立つ結構大きな病院です。放射線科は本館の向かい側にあるモダンな建物で、待合室も明るく、あまり病院という感じがしない雰囲気なのですが、今日そこで見かけた患者さんたちは、傍から見てもかなりやつれていて苦しそうな感じで、「ああ、やっぱり病院なんだな」と妙に実感してしまいました。

 

さて、今日は放射線治療が必要かどうか、どういう効果とリスクがあるのかについて話をしたわけなんですが、結論から言うと、今放射線治療をやることを強く勧められました。

子宮内膜がん〔子宮体がん〕の診断が出た当初は、CTなどで他の転移が認められなかったので、ステージ1aなら手術のみ、ステージ1bなら手術の後に放射線治療という治療方針が提示されていました。この場合の放射線治療は、膣の中から子宮口に向けて局所的に照射する内部照射の一種の腔内照射でした。

実際にはステージ1どころではなく、両側の卵巣および腹膜にもがんが見つかり、当初予定されていた子宮・卵管・卵巣ばかりでなく、リンパ節44個に大網膜も切除する大手術になってしまいました。幸い郭清されたリンパ節はどれもクリーンだったので、遠隔転移の可能性は無く、最終的な診断はステージ3bと出ました。がんの組み合わせとしてはかなり珍しい部類だそうです。子宮体がんが発生源で、卵巣・腹膜へ転移ということで治療プランも練られましたが、卵巣がんが転移ではなく原発性である、つまり子宮体がんと併発した可能性もないとは言えず、また腹膜がんも卵巣からの転移ではなくやはり併発の可能性もなくはない、みたいなことが診断書に書かれてあります。今日の面談でも改めてそのことを指摘されて、しばらく忘れていたのに現実に引き戻されてしまった感じです。

とにかくその腹膜がんがあったせいで、本当に転移なのか併発なのか確定できないにせよ、がん細胞が取り切れてない可能性が高いということで、手術後は放射線ではなく化学療法を勧められ、それが終わったら必要に応じて放射線治療という治療プランが推奨されました。

そして8月8日から3週間ごとに抗がん剤投与を計6回受けて、11月28日の血液検査を最後に化学療法は無事終了し、今日の面談までの1か月間治療的なことは一切なく、体調もよかったので、私もダンナも病気のことをほとんど忘れかけていたわけです。普通に買い物に行ったり、散歩したり、コンサートにまで出かけていって、かぜすらひかずにいるので、むしろかなり元気だと言えます(笑)

しかしまあ今日の放射線腫瘍医の話では、再発の危険をより少なくするには化学療法に加えて放射線治療をするのがいいとのことでした。この場合の放射線治療は外部照射で、範囲は下腹部に限られているとはいえ、腔内照射に比べればずっと広範囲の照射になります。具体的には「三次元原体照射」という、最初にコンピュータとCT、MRI、PETなどの画像を使って、がんの大きさや形、部位を特定し、がんと周囲組織を立体的に再現した上で、治療装置を回転させながら、がんの大きさと形状に合わせて正確に放射線を照射する方法で、正常組織への影響がなるべく少なくなるように工夫されているため、以前に比べれば副作用が格段に少なくなっているらしいですね。

下の写真は放射線治療のパンフレットを写したものですが、その中の右側の写真がCTで、左側の写真が直線加速器「TrueBeam」です。

もっとも、私の場合はCTで分かるほどのがん細胞が発見されるかどうかはかなり疑問ですけど。治療をするのであれば、週5回、トータル28回(約6週間)の照射になるとのことです。

思ったほどリスクが多くないことと、体への負担は化学療法よりもずっと軽いということを聞いて、治療を受ける方にかなり心を動かされています。やはりできるかぎりのことはした方がいいのではないかと。

このまま放置してがんが再発する可能性はそれほど高くはないらしいのですが、こういうことはそもそもはっきりと予想できることではありませんし、珍しい組み合わせのがんということで、予後の予想がより難しいということは念頭に置いておかないといけません。発生と転移に関する診断も確定していないほどよく分からない組み合わせって何なんでしょうね?

放射線治療を「しない」ことに対する不安要素はかなりあります。

第1の不安要素は統計的な予後の悪さです。子宮体がんのステージ3期の5年後生存率は日本の統計では60%弱のようです(ドイツの統計では57-66%というのもあれば、40%前後というのもあり、???)。卵巣がんは原発性ではなく、子宮がんからの転移という所見のほうが優勢ではありますが、卵巣がんから腹膜への転移というのは比較的珍しくない話で、その場合もステージ3になります。卵巣がんのステージ3の5年後生存率は40%だそうです。また、腹膜がんが原発性である可能性も否定しきれないということが診断書に書かれているので、原発性腹膜がんで5年後生存率の統計があるかと思ってリサーチしたのですが、珍し過ぎて統計がないんですね。一般的に予後は卵巣がんより悪く、1年以内に亡くなってしまう方も多いらしいですが、5年後もぴんぴんしている人もいないわけではないらしいので一概には何とも言えないみたいですね。でもまあ統計的に見れば、私が5年後に生存している可能性は高く見積もって6割強ということになりますよね。

第2の不安要素は抗がん剤治療が腹膜がんには必ずしも有効とは言い切れないということです。一般的な説とは言い難いかも知れませんが、一説によると血液を通して投与される抗がん剤は血流の少ない腹膜には有効な量が到達しない可能性があるらしいです。このため折角受けて何とか終了した抗がん治療で「安心」とは言えず、どうしても一抹の不安が残るわけです。

第3の不安要素は、がん再発後の治療成績がよくないということです。放射線治療は、がん細胞ががん細胞と認知できないくらいの時に徹底的に潰すつもりで行う方が効果が高く、再発後の場合だと照射する放射線量を増やさないといけなくなるため、治療リスクがより高くなるらしいです。だから、放置せずに今のうちにやっておいた方がいいということですね。

第4の不安要素は最近読んだアメリカの研究で、がんの標準治療を受けた患者とそれをせずに代替治療を受けた患者の5年後生存率を比較すると、乳がんの場合はなんと代替治療を受けた患者の死亡率が5.7倍も高いとのことでした。調査したがんの種類全体での結果は「転移のない早期がんの治療に代替療法を選んだ患者が、5年以内に死亡する確率は、標準療法を選んだ患者より2.5倍高い」というものでした(拙ブログ「抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)」にちょっと詳しく書きましたので、興味のある方はそちらも読んでみてください)。この「2.5倍」という数字の中には子宮がんや卵巣がんの症例は含まれていません。どちらも乳がんに比べると症例数がぐっと少なくなるので統計的な比較が難しいのでしょう。でもある種の「傾向」としてこの数字は無視できないと思うのです。
食事療法でがんが治った例というのも巷には溢れてますし、「標準治療」をほとんど敵視する向きも随分あるようですけど、そうした成功例の陰に多くの失敗例があるのではないでしょうか。
実際、健康な食生活を奨励するような健康情報サイトで、抗がん剤・放射線治療を一切せずに食事療法を選択し、肌はつやつやにもかかわらずがんの進行が止まらず、たぶん余命いくばくもない感じの患者さんの例が紹介されていました。ご本人はその選択を後悔していないとのことでしたが、私がその立場ならかなり後悔するのではないかと思います。免疫力増進のために毎日欠かさず新鮮な野菜・果物ジュースを飲み、体を酸性にしないような食生活を心がけて、また体を冷やさないようにする努力もしてますけど、「それで100%大丈夫」と言い切れる人はいないでしょう。いるとしたら、それは他人事だから軽く楽観視しているだけで、かなり無責任な安請け合いだと思いますね。

私もこのアメリカの研究を読むまではどちらかというと放射線治療は願い下げにしたいなと思ってたのですが、これを読んでから大分考えが揺れてました。ただ、放射線腫瘍医がどういう見解を示すか分からなかったので、それ以上考えず一時棚上げにしてました。でも、今日話を聞いた後では、天秤は「やる」方に傾いてます。

というわけで、1月2日はすでにCT撮影と照射計画、1月8日に初照射という日程を決め、インフォームドコンセントの書類にも目を通して署名してきました。これはまだ治療の同意書ではなく、「説明を聞いた」ということに対する署名です。最終判断は1月2日にすることになります。あまり日数はありませんが、それまでもう一度考え直して断ることも可能です。

がん闘病記18


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)


化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

2017年11月29日 | 健康

抗がん剤投与の1週間後であった昨日、例のごとく血液検査と担当医との面談に行って参りました。

血液値に問題はありませんでした。次の検査は来年の2月22日です。

 

これまで通っていたがん専門クリニックでは放射線科がないため、担当医の教授が最寄りの放射線治療のある病院に予約を入れてくれたのですが、そこの担当医が予定が詰まっているらしくて、予約は1か月後の12月29日となりました。個人的にはさっさと今後のことを決めたいと思っていたのですが、まあ仕方ありません。診断書(就労不能証明書)の延期は出してもらえるので、会社の方は休んだまま、治療なし・副作用なしで1か月養生できそうです。昨日・今日と副業の翻訳でやたらと忙しかったのですが、きちんと養生するためには手間のかかる難しい翻訳依頼は断るようにしないとダメですね 昨日受けた依頼のうちの1件がそういうやたらの手間のかかるもので、判断を誤ってしまいました(反省)。

 

さて、放射線腫瘍医との面談のために手術をしたマルテーザー病院で出してもらった諸々の診断書のコピーとレントゲンやCT撮影画像の入ったCDを持っていくように言われたので、昨日の午後はマルテーザー病院にも行ってきました。CDは全部で4枚でした。

興味本位で最初に開いたCDにはCVポート埋め込み手術後のレントゲン画像が入っていました。素人目にもポートが写ってるのが分かりますね。

CT撮影の画像が入ったCDも見てみましたが、そっちの方は数が多いのもありますが、上半身を輪切りにした断面図なんか見ても何が何だか素人に分かるわけはありませんね。でも、分からなくても自分に関するデータがCDでもらえるのはいいことだと思います。

がん闘病記17


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)


抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

2017年11月21日 | 健康

ようやく抗がん剤治療が今日の6回目で無事終了しました。

抗がん剤点滴中は気持ちよく爆睡し、血液値にも異常なし。

 

前回の抗がん剤投与から副作用の指先のしびれが全く改善してないので、キーボード操作が少々やりにくいというのはあるのですが、それ以外の副作用は大抵2・3日で終わる一過性のものなので、それほど生活の質に悪影響はありません。

毎日新鮮な野菜や果物のジュースを作って飲んでいるせいか、季節の変わり目のこの時期に風邪もひかずに過ごせています。

来週火曜日に検査と担当医との面談があり、そこで放射線腫瘍医との面談日程を決めることになると思います。いろいろと思うところはあるのですが、まずは専門医の意見を聞いてから判断しようと思ってます。心配の種は原発性なのか転移なのかはっきりしていない【腹膜がん(Peritoneales Karzinom)】です。取り敢えず子宮・卵巣がんからの転移という扱いで、パクリタキセルとカルボプラチンを組み合わせたPC療法がおこなわれましたが、はっきりとしたマーカーがあるわけではないので、治療効果はこれまでのところ不明です。

今日は健康保険組合から電話があり、治療状況などを聞かれて、またリハビリや段階的復職支援プログラム(ハンブルク・モデル)について「そういうものがあるということを知っておいてください」と言われました。入院した病院のソーシャルワーカーのおかげでもうすでに知ってましたけどね。でもこの保険の積極的な姿勢は高く評価できますね。被保険者自身が申請してくるのを待っているだけだとどうしても保護の必要な人を多く取りこぼしてしまうものです。だから保護対象者に積極的に働きかけていくことが必要です。誰も彼もがリサーチ力に優れているわけではありませんし、ただでさえ病気でリサーチどころではなくなっている場合もあるので、こうした保険組合からの積極的アプローチは非常に重要だと思います。ドイツのどの保険組合もこのようなアプローチをするのかは不明ですが。私の加入している保険組合はTechniker法定健康保険組合です。

 

障碍者認定

さて、8月17日に障碍者認定申請書を提出し、8月28日に申請書受理のお知らせが来て以来しーんとしていた案件ですが、11月13日付で障碍者認定のお知らせが来ました。障碍度(Grad der Behinderung)は80%と認定され、有効期間は6年です。障碍度50%の5年有効期間を予想していたので、ちょっとうれしいですね。

就労者が障碍者認定を受けると次のような特典があります。

  • 追加有給休暇1週間(通常5日)
  • 特別解雇保護
  • 就労先でのサポート請求権
  • 残業免除(本人が望めば)
税制上の特典は以下の通りです。
  • 障碍度に応じた障碍者控除(現在45-50%なら570€、75-80%なら1060€)
  • 上記の定額障碍者控除の代わりに障碍によって生じた実費を控除対象として申告することも可能
  • 障碍度70%を超える障碍のある就労者は通勤費用、自家用車の維持・修理費・月極駐車場料金・自動車税・保険・駐車料金などを含む経費を控除対象として申告することが可能
  • 実費の代わりに通勤距離定額控除(Kilometerpauschale)1kmあたり0.30€で申告することも可
  • 自分で運転できない場合は、運転手のための追加通勤距離定額控除が申告できる
  • 障碍度80%以上と認定された歩行困難者はさらにプライベートな移動のための経費も控除対象として申告できる。プライベートの移動は年間約3000kmまでが適正範囲。
その他、美術館・博物館・コンサートなどの入場料や公共交通機関の運賃などが割引になる場合があります。
この前行った五嶋みどりのコンサートも障碍者割引があったので、もうちょっと障碍者認定が早かったら半額だったのに、とちょっと惜しい気持ちになりました。しかももう一つ障碍者割引のあるクリスマスコンサートのチケットを購入してしまった後だったので、2度損した気分です。まあ、6年間有効なので、その間ガンガン利用させてもらうことにしましょう。
 

唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)