読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

平野啓一郎「空白を満たしなさい」

2022年09月06日 | は行の作家
上巻講談社文庫2015年 11月 第1刷発行2022年 6月 第15刷発行339頁下巻Kindle講談社文庫 2015年 11月 第1刷発行を電子書籍化240頁NHKの土曜ドラマを見て、よく分からなかったり消化不良だったりした箇所が多かったので原作を読んでみました下巻は紙の書籍入手に時間がかかりそうで、とうとう電子書籍のお世話になることに…電子書籍も悪くないですねけれど、積極的にはな . . . 本文を読む
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葉室麟「孤篷のひと」

2022年08月16日 | は行の作家
角川文庫2018年8月 初版発行解説・東えりか371頁戦国乱世を生き抜き、徳川の天下となったのちも大名として、茶人として名を馳せた小堀遠州の人生を描きます68歳となった遠州徳川幕府の伏見奉行を務める遠州のもとをさまざまな人物が訪れます奈良の豪商で塗師屋の松屋久重作庭を手伝ってきた家臣の村瀬佐助姫宋和の茶人として名高い金森宋和義理の弟で作庭の右腕となった中沼左京弟子の五十嵐宗林医師の宗由絵師の狩野采 . . . 本文を読む
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藤沢周平「逆軍の旗」

2022年07月19日 | は行の作家
文春文庫2014年 2月 新装版第1刷2019年10月    第5刷解説・歴史的事実を描く文体の力 湯川豊303頁戦国武将・明智光秀を描く「逆軍の旗」描く中心は本能寺の変そのものではなく、いかに戦国時代とはいえ人を殺し過ぎる信長に狂気を見、恐怖を感じた光秀が信長誅殺に至るまでと、信長を討ったあとの心の揺れのようなものが精密にたどられます初出は1973年藤沢周平さんが、現時点(2022年)までに研究 . . . 本文を読む
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東野圭吾「さまよう刃」

2022年04月27日 | は行の作家
角川文庫2008年5月 初版発行2021年6月 50版発行499頁会社員、長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川で発見されます花火大会の帰りに未成年の少年グループに拉致、薬物を注射され蹂躙された末の遺棄でした謎の密告電話によって犯人を知った長峰は突き動かされるように単独で娘の復讐に乗り出します犯人の一人を殺害、さらに逃走する長峰を警察とマスコミが追います少年法に守られた犯人を裁くことはできるのか正義とは何 . . . 本文を読む
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原田ひ香「三千円の使いかた」

2022年03月04日 | は行の作家
中公文庫2021年8月 初版発行2021年9月 3刷発行解説・垣谷美雨「他人は他人、自分は自分」とあなたは心の底から割切れていますか?337頁就職して一人暮らしを始めた美帆(貯金30万円)結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金600万円)習い事に熱心で向上心の強い母・智子(貯金100万円弱)そして年金生活中の父方の祖母・琴子(貯金1000万円)彼女たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金を . . . 本文を読む
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平野啓一郎「ある男」

2022年01月07日 | は行の作家
文春文庫2021年9月 第1刷369頁弁護士の城戸はかつて離婚調停で担当した里枝から奇妙な相談を受けます彼女は離婚成立後、子どもを連れ故郷に戻り大祐と再婚女の子を授かり幸せに暮らしていましたが夫が仕事中に命を落としてしまいます実家とは疎遠になっていた大祐ですが連絡を取ると実兄がやってきますしかし、兄はこの男は大祐ではない、全くの別人だと言います大祐として生きていた「ある男」は一体誰だったのでしょう . . . 本文を読む
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堀江敏幸「その姿の消し方」

2022年01月04日 | は行の作家
新潮文庫2018年8月発行解説 矩形の時間 松浦寿輝199頁留学生時代に「私」がフランスの古物市で手に入れた1938年の消印が押された絵葉書差出人はアンドレ・Lという男性宛先はナタリー・ドゥパルドンという女性写真の裏に書かれた不思議な散文詩に想像を搔き立てられた「私」は再び彼の地を訪れ、同じ送り主からの絵葉書を捜し求めるのでした長い間隔を置いて幾度かフランス滞在を重ね、少しずつ情報が集まりアンドレ . . . 本文を読む
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葉室麟「風のかたみ」

2021年12月04日 | は行の作家
朝日文庫2020年10月 第1刷発行解説・冲方丁280頁上意討ちにあった豊後安見藩一門衆筆頭の佐野了禅医師の伊都子は目付方の密命を帯び、佐野家の女人たちが暮らす白鷺屋敷に送り込まれますしかし、そこでは不審な死が相次ぎ…了禅の過ちが引き起こした悲劇から自分たちを守ろうと画策する、了禅の妻、長男の嫁と娘、次男の妻、2人の女中、そして伊都子読者は伊都子のモノローグに導かれながらあれこれ想像 . . . 本文を読む
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葉室麟「蒼天見ゆ」

2021年08月25日 | は行の作家
角川文庫2017年12月 初版発行2020年11月 7版発行解説・北上次郎372頁九州、福岡藩の支藩である秋月藩時は幕末西洋式兵術の導入を進めていた執政・臼井亘理は屋敷で就寝中に尊攘派によって妻もろとも斬殺されます武士にあるまじき方法での暗殺であるにもかかわらず、亘理を快く思っていなかった家老の動きもあり藩の裁きは臼井家に対し冷酷なものでした息子の六郎は仇討を固く誓いますが明治6年に仇討禁止令が発 . . . 本文を読む
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東野圭吾「人魚の眠る家」

2021年06月20日 | は行の作家
幻冬舎文庫2018年5月 初版発行2018年9月 5版発行469頁離婚を考えていた播磨和昌と薫子に、娘の瑞穂が薫子の母や妹たちと遊びに行っていたプールで溺れたという連絡がきます病院で医師から伝えられたのは『おそらく脳死』という残酷な現実一旦は受け入れた2人でしたが、娘との別れの直前に翻意医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意します和昌は祖父が起こした会社の三代目社長です元々は事務機器メーカー . . . 本文を読む
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藤沢周平「花のあと」

2021年05月01日 | は行の作家
文春文庫1989年3月 第1刷2019年7月 第55刷解説・桶谷秀昭268頁江戸市井ものが4編「鬼ごっこ」「寒い灯」「疑惑」「冬の日」武家ものが3編「雪間草」「悪癖」「花のあと」北川景子さん主演の映画「花のあと」を観て原作を探しました表紙カバーは、主人公が初恋の相手とただ一度だけ手合わせをしたシーンです原作では主人公の女性は“醜女”に近いという設定ですが、映画ではそんなわけ . . . 本文を読む
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葉室麟「嵯峨野花譜」

2021年04月24日 | は行の作家
文春文庫2020年4月 第1刷解説・澤田瞳子321頁文政13年(1830年)まだ10代半ばながら活花の名手と評判の少年僧・胤舜は、ある理由から父母と別れ、京都・大覚寺で師・不濁斎広甫の元、華道の厳しい修行に励んでいます「忘れ花」「利休の椿」「花くらべ」「闇の花」「花筐」「西行桜」「祇王の舞」「朝顔草紙」「芙蓉の夕」「花のいのち」活花の世界を描くだけではなく、「昔を忘れる花を」「亡くなった弟のような . . . 本文を読む
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藤沢周平「夜消える」

2021年03月25日 | は行の作家
文春文庫1994年3月 第1刷2017年5月 第30刷解説・駒田信二225頁江戸・市井に生きる人々を描いた7編「夜消える」酒に溺れ仕事も出来なくなった父親のせいで所帯を持つ話が流れそうになった娘「おとっつぁんなんか死んでくれればいい」という言葉を聞いた父親は大好きな酒を土間に置いたまま姿を消してしまい、三年が経ちました「にがい再会」岡場所に身を落とした幼馴染に再会した商家の主人幼馴染に三十両貸して . . . 本文を読む
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東野圭吾「片想い」

2020年09月02日 | は行の作家
文春文庫2004年8月 第1刷2019年5月 第44刷解説・吉野仁614頁中谷美紀さん主演の連続ドラマWが良かったのと、映像では描き切れなかった部分があるのではないかと思い読んでみました帝都大学アメフト部のOB西脇哲朗は10年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会しある「秘密」を告白されますその秘密とは、美月が実は子供の頃から男性の心を持っていたということ、そしてある男を殺害してきた、という . . . 本文を読む
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深緑野分「戦場のコックたち」

2020年06月27日 | は行の作家
創元推理文庫2019年 8月 初版2019年10月 5版解説・杉江松恋528頁1944年6月、ノルマンディ降下作戦で初陣を迎えた合衆国陸軍特技兵(コック)のティム、19歳冷静沈着なリーダーのエドら同年代の兵士たちとともに過酷なヨーロッパ戦線を戦い抜く中、たびたび戦場や基地で奇妙な事件に遭遇します常に死と隣り合わせの状況で若き兵士たちは気晴らしのため謎解きに興じますが…プロローグ、第一 . . . 本文を読む
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