読書と映画とガーデニング

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皆川博子「皆川博子コレクション1 ライダーは闇に消えた」

2023年05月04日 | ま行の作家
編・日下三蔵出版芸術社2013年3月 初版発行437頁文庫未収録作品に、アンソロジーや再編集本に収録されたきり文庫化の機会を逸してきた作品、さらに一度も本になっていない未刊行作品を増補してまとめた全五巻のうちの第一巻第一部表題作「ライダーは闇に消えた」1975年3月に講談社文庫から書下ろしで刊行されて以来、実に38年ぶりの再刊江戸川乱歩賞に応募するつもりで書き溜めていた本格推理小説の文法に則った青 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」

2023年04月20日 | ま行の作家
角川文庫2022年6月 初版発行解説・小松和彦607頁江戸、神田にある袋物屋・三島屋一風変わった百物語を続けていますこれまで聞き手を務めてきた主人の姪・おちかが嫁入りしたことを機に、その役目を引き継いだのは三島屋の次男・富次郎さてさて、新章・三島屋変調百物語にはどのような趣向が凝らされているのでしょう「泣きぼくろ」再会した友が語り始める一家離散の恐ろしい運命憑りつかれたことで人格が変わってしまう恐 . . . 本文を読む
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森沢明夫「本が紡いだ五つの奇跡」

2023年03月10日 | ま行の作家
講談社2021年9月 第1刷発行348頁編集者・津山奈緒、作家・涼元マサミ、装幀家・青山哲也、書店員・白川心美、読者・唐田一成崖っぷちの5人は、ある1冊の本にめぐりあう先回の「きらきら眼鏡」が残念だったので、しばらくは読まないつもりでしたが主人公が5人の連作短編集ならどうかしら、と思い読んでみました要は森沢明夫さんが好きで読みたいのです本作も他作品とのリンクがあってウフフ津山奈緒から涼元マサミへ以 . . . 本文を読む
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丸山正樹「慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス」「わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス」

2023年03月02日 | ま行の作家
「慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス」創元推理文庫2021年12月初版解説・池上冬樹290頁デフ・ヴォイスシリーズ第3弾連作形式の短編4編妊娠したろう者の妻と夫の悲劇を見据える「慟哭は聴こえない」ろう者の俳優の苦悩を捉える「クール・サイレント」行き倒れたろう者の人生を辿る「静かな男」会社内での障がい者差別をめぐる裁判劇「法廷のさざめき」これまでと同様聴覚障がい者たちの苦悩と葛藤、主人公・荒井が抱える . . . 本文を読む
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宮部みゆき「心とろかすような」

2023年01月28日 | ま行の作家
創元推理文庫2001年4月 初版2012年9月 26版2019年11月 新装初版解説・戸川安宣 宮部さんのデビューの頃344頁元警察犬で今は蓮見探偵事務所の用心犬、ジャーマン・シェパードのマサと飼い主で所長の浩一郎氏、長女で調査員の加代ちゃん、末っ子で高校生の糸ちゃん、etcが立ち向かう5つの事件をマサの目を通して描く連作短編集犬が人の言葉を解して、というとオダギリジョーさん大活躍のNHKドラマ「 . . . 本文を読む
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丸山正樹「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」

2023年01月16日 | ま行の作家
2015年8月 第1刷2020年3月 第10刷解説・三宮麻由子304頁昨年読んだ「龍の耳を君に デフ・ヴォイス」の前作仕事と結婚に失敗した荒井尚人、43歳今の恋人にも半ば心を閉ざしています求職難に直面して止む無く唯一の技能である手話通訳の仕事を選択肢に入れたことから、長く封印していた自分が「コーダ」であるという事実が浮かび上がってきますろう者の法廷通訳を務めたことから広がる人間関係ろう者に寄り添う . . . 本文を読む
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丸山正樹「龍の耳を君に デフ・ヴォイス」

2022年11月08日 | ま行の作家
創元推理文庫2020年6月 初版解説・頭木弘樹 読んでいる間の胸の熱さをなんと説明したらいいのか…376頁ろう者の両親から生まれた聴こえる子、コーダである荒井尚人はろう者の日常生活のためのコミュニティ通訳や、法廷、警察での手話通訳に携わっています場面緘黙症で話せない少年の手話が殺人事件の目撃証言として認められるかなど、荒井が関わる三つの事件を描いた連作集ですろう者だけでなく場面緘黙症 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「今夜は眠れない」「夢にも思わない」

2022年10月29日 | ま行の作家
読んだと思い込んでいたけれど初読みでした「今夜は眠れない」角川文庫2002年5月 初版発行2022年7月 55版発行解説・濤岡寿子276頁主人公は中学一年生の緒方雅男東京下町の中古マンションで両親と三人暮らしの普通の中学生ですある日、弁護士が訪ねてきて、母親の聡子が若い頃命を救った人物から五億円が寄贈されると話します何が何だかわからないまま、マスコミや見知らぬ人からの電話手紙来訪攻撃に家族はぎくし . . . 本文を読む
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三浦しをん「愛なき世界」

2022年09月12日 | ま行の作家
中公文庫2021年11月 初版発行上巻 322頁下巻 276頁解説・伊予原新恋愛・生殖に興味ゼロの院生・本村紗英に恋をした洋食屋の見習い・藤丸陽太一見、殺し屋のような松田教授、サボテン一筋の後輩男子らに囲まれ、松田研究室で愛しい葉っぱの研究に没頭中の本村に藤丸の思いは届くのでしょうか今回三浦さんが描くのは愛という概念のない植物の世界が、物語の中に溢れんほどの愛の世界が広がっていました研究も料理も、 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「子宝船 きたきた捕物帖二」

2022年08月11日 | ま行の作家
PHP研究所2022年6月 第1版 第1刷360頁二人の「きたさん」が江戸深川で起こる不可解な事件を解き明かしつつ大人になっていく物語の第二弾千吉親分亡きあと、文庫の振り売りを続けられただけでも幸いだった北一成り行きで岡っ引きの真似事をし、そのまた成り行きで、文庫売りとして独り立ちすることもかないました真似事だけでも歯がゆくて腹が煮えくる岡っ引き稼業、ほかに正業があって気が紛れなかったら辛くてやっ . . . 本文を読む
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湊かなえ「ブロードキャスト」

2022年07月23日 | ま行の作家
角川文庫2021年1月 初版発行解説・ぶんけい384頁中学時代、駅伝に打ち込んでいた圭祐はあと一歩のところで全国大会を逃しました陸上強豪校に進学を決めるも、合格発表の帰りに交通事故に遭い入部を断念目標を失っていたところ、脚本家を目指す正也に声の良さを買われ、放送部に入部することにしました放送部に焦点を当てて青春を描きます陸上への未練が捨てきれなかった圭祐が放送部の活動にのめり込み、クラスの苛めや差 . . . 本文を読む
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森沢明夫「きらきら眼鏡」

2022年07月18日 | ま行の作家
双葉文庫2018年7月 第1刷発行解説・宇田川拓也534頁厚紙加工メーカーの営業マン、立花明海(あけみ)突然、愛猫を喪い、喪失と押し寄せる寂しさを孤独だった幼い日々と重ねて打ちひしがれていました翌日、行きつけの小さな古本屋に足を運び、そこで『死を輝かせる生き方』という一冊に目が留まり購入早速読み始めると、「大滝あかね」と記された名刺が挟まれており、次のページの赤ペンで傍線の引かれた一文に目が釘付け . . . 本文を読む
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宮部みゆき「きたきた捕物帖」

2022年07月09日 | ま行の作家
宮部みゆき「きたきた捕物帖」PHP文芸文庫2022年3月 第1版第1刷解説・細谷正充432頁16歳の北一幼い頃に迷子になったところを深川元町の岡っ引き・文庫屋の千吉親分に拾われ末の子分をしていますといっても主な仕事は文庫(本や小間物を入れる箱)売りで、特に思うところもなく毎日を過ごしていたのが、千吉親分がふぐの毒にあたって亡くなり岡っ引き稼業は止めることに文庫屋稼業は一の子分の万作とその女房おたま . . . 本文を読む
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麻宮ゆり子「花電車の街で」

2022年04月22日 | ま行の作家
双葉文庫2021年9月 第1刷発行解説・大矢博子331頁戦後の高度成長が始まった昭和30年代碧は母と2人、名古屋の繁華街・大須で暮らしています娯楽施設や商店がひしめき、個性的な面々が集う「ごった煮の街」でアルバイトをしながら足繫く映画館に通う碧の夢は将来、映画監督になること人々が辛いことを一瞬でも忘れられるような映画を作りたい…街の移ろいや大人たちとの交流を通して描かれるひとりの少女 . . . 本文を読む
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三浦しをん「ののはな通信」

2022年01月11日 | ま行の作家
角川文庫2021年6月 初版発行解説・辻村深月517頁横浜にあるミッション系の女子高校に通う野々原茜と牧田はな庶民的な家庭に育ち、クールで毒舌な野々原茜=のの外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手な牧田はな=はな高校時代~大学時代~40歳を過ぎてから、の3期に渡って2人の往復書簡をまとめたものですいつしかはなに友情以上の気持ちを抱いたののは玉砕覚悟で告白をします秘密の告白は受け入れられ幸せに満ちた . . . 本文を読む
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