幻冬舎文庫2012年8月 初版発行2017年11月 23版発行文庫化によせて・吉永小百合319頁書簡形式の連作ミステリーです面白い設定で湊さんの力量が窺えます「十年後の卒業文集」高校の放送部で一緒だった仲間たち部長だった浩一と副部長だった静香の結婚式で久しぶりに再会しますその後、高校時代のあの事件の真相はどこにあるのか?卒業後、地元に残ったあずみと、東京へ出て結婚後は夫の赴任先の海外で暮らすことが . . . 本文を読む
光文社時代小説文庫2002年1月 初版1刷発行2012年10月 4刷発行解説・森村誠一上巻 474頁下巻 511頁甲州無宿の源次悪徳岡っ引き・下谷の梅三郎の罠にかかって入牢中に近くで火事が発生します伝馬町の牢屋敷にも奉行から解放命令が出て我先にと逃げ出す囚人たち源次も無事逃げおおせ、期限までに指定された本所の回向院に戻るつもりでいたのですが、何の因果か、再び梅三郎の罠にかかり戻れなくなってしまいま . . . 本文を読む
文春文庫2010年11月 新装版第1刷2017年11月 第11刷解説・浅生憲章新装版解説・中島淳彦211頁連続ドラマW、倉科カナさん主演で2018年に放送された「春が来た」を観て原作に興味を持ちました「隣の女」日々、ミシン内職で家計を助ける平凡な主婦が隣室の男女の睦言を壁越しに聞いたことを発端に飛び込んだニューヨークへの恋の道行きを描きますこれも、1981年、桃井かおりさん主演、TBSでドラ . . . 本文を読む
中公文庫2018年6月 初版発行2019年8月 14刷発行解説・清水良典334頁第32回(2015年)織田作之助賞受賞東京、杉並の古びた洋館に暮らす四人の女父の顔も行方も知らない刺繍作家・佐知気ままな母・鶴代佐知の友人・雪乃雪乃の会社の後輩・多恵美そこに関わってくる男性は鶴代の祖父の時代から洋館の敷地内の家に暮らす謎めいた老人・山田多恵美に付きまとうストーカー男水漏れ事故でダメになってしまった雪乃 . . . 本文を読む
角川文庫2020年6月 初版発行637頁「開けずの間」行き違い神に取り憑かれ滅んだ一家の話背筋がゾクリとなる怖さでした取り憑かれる人間には取り憑かれる理由があるのです「だんまり姫」あやかしを呼び寄せる声が不思議を起こす話不思議な声の持ち主である女性の人生が良きものであったのは幸いでした「面の家」世に災いをもたらす面を守る番人とその家の話心に邪なものを持つから邪な声が聞こえる、とは正しいのかもしれま . . . 本文を読む
講談社文庫2019年1月 第1刷発行解説・朝宮運河1019頁1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃パリで起きた騒乱は瞬く間にフランス全土に広がりますパリから西へ400km弱、ビスケー湾にほど近いロアール川に面した地方都市ナントに暮らす貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、日雇いで食いつなぐジャン=マリと妹コレットらの運命も革命により大きく変転して . . . 本文を読む
角川文庫2019年6月 初版発行398頁職場の上司である不倫相手に騙され鬱病になり、仕事もお金も居場所さえも失った25歳のエミリ両親はエミリが10歳の時に離婚父は北海道で新しい家族と、母も新しい年下の彼氏と東京のベッドタウンで幸せに暮らしており、たった一人の兄はアメリカ暮らし唯一頼れるのは10年以上連絡をとっていなかった母方の祖父・大三おじいちゃんだけおじいちゃんの家に逃げ込んだものの寂れた田舎の . . . 本文を読む
講談社文庫2018年10月 第1刷発行解説・斎藤美奈子171頁第154回芥川賞受賞作「異類婚姻譚」子供もなく定職にもつかず、ただ安楽な結婚生活を送る“私”ある日、互いの輪郭が混じりあって自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気づきます倦怠期にさしかかった夫婦が互いの姿にげんなりし、やがて離婚に至る物語です「自分の甘えやだらしなさは棚に上げても、相手のそれは気になるもの . . . 本文を読む
角川文庫2019年6月 初版発行解説・瀧井朝世 665頁参の「泣き童子」を読んだのは2013年随分と時間が空いてしまいました「迷いの旅籠」ある村から名主と一緒にやってきた子どもが村で起きた怪異事件を領主に語る前に予行演習として黒白の間にやってきます 取り戻せないものに固執した人間の狂気と寂しさ、哀しさが伝わってきます「食客ひだる神」人間に空腹感ををもたらす憑神、ひだる神に取り憑 . . . 本文を読む
文春文庫2018年11月 第1刷解説・杉江松恋499頁杉村三郎シリーズ第4弾ですこれまでの3作は全て前書き、これからが杉村三郎の物語だと密かに期待しております離婚、離職、失意のうちに故郷の山梨へ戻った杉村三郎が東京に戻り私立探偵事務所を開設しますそこに持ち込まれた仕事が3編と、東京へ戻るきっかけになった故郷で起きた事件が1編東日本大震災や殺人事件、少年事件、介護問題、不倫世間には宮部さんがテーマに . . . 本文を読む
角川文庫1972年 3月 初版発行1978年10月 12版発行解説・村松定孝449頁
再読のはずですが記憶がありません…
時代は維新前後越前の山あいの村にある紙漉き工場で働くくみは、美しいうえに早熟な身体つきで仕事場の男たちの眼をひき、2人の男と結ばれますしかし、男たちは戦争などを理由にそれぞれくみの元から去ってしまいます15歳の冬 . . . 本文を読む
文春文庫2016年4月 第1刷上巻 407頁下巻 454頁解説・杉江松恋
「誰か」「名もなき毒」に続く杉村三郎シリーズ第3作
9月の終り残暑も薄れ始めたある日の夕方一人の身寄りのない老人が起こしたバスジャック事件偶然、そのバスに乗り合わせてしまったのが主人公の杉村です呆気なく解決したかに思われたその事件は、日本社会の、そして人の心に潜む巨大な闇へ . . . 本文を読む
中公文庫2017年 7月 初版発行429頁解説・日下三蔵
初期の傑作を厳選した文庫オリジナル短篇集「水底の祭り」「牡鹿の首」「紅い弔旗」「鏡の国への招待」「鎖と罠」「まどろみの檻」「疫病船」「風狩り人」「聖夜」「反聖域」
皆川さんの第一期、1972年~85年、犯罪サスペンスを書いていた頃の作品を収録あとがきによれば、本当に書きたいのは幻想小説でし . . . 本文を読む
河出文庫2017年3月 初版発行解説・門賀美央子214頁
文化文政時代、ただひたすらに「己だけの女」を求めて、美人画に枕絵に絵筆をふるう浮世絵師・渓齋英泉お津賀、おたま、おりよ、三人の妹の生をも搦めとった果てに見い出したのは―――爛熟の江戸を舞台に、絵師の凄まじいまでの業を妹たちの情念が濃艶に花開く
英泉の妹たちについては実在した . . . 本文を読む
徳間文庫2015年 12月 初刷解説・辻本力449頁
自称ツイてる養鶏農家、村田二郎が村おこしをかけて世界初の卵かけご飯専門店オープンさせます立地は日本の自然を満喫できる観光資源に恵まれながら交通の便が悪すぎるため観光地としては無名人口は減少の一途を辿るばかりの限界集落・蛍原集落の森の中使うのは友人と作る米と自分の養鶏場で獲れる卵何と食事代はタダ!村の仲間たちは大反対ですが二 . . . 本文を読む