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今津勝紀「戸籍が語る古代の家族」

2020年09月07日 | 教養・学習本
吉川弘文館
2019年10月 第1刷発行
2020年 1月 第2刷発行
211頁


国民の身分台帳たる戸籍
古代日本にも戸籍に人々が登録され、租税負担の基本となっていた
どの範囲の親族が記載されたのか、人口総数や平均余命、歳の差婚が多かった理由等々
古代の人々の暮らしを明らかにする

今に伝わる古代の戸籍―プロローグ
古代の戸籍
戸口と貧富
戸籍からみた婚姻
古代の恋愛と婚姻
流動性の高い古代社会
女性ばかりの平安時代の戸籍-エピローグ

現在に繋がる戸籍制度は戸籍法が明治四年(1871年)に施行され翌五年に戸籍が作成されたのが出発点でそれ以降何回かの法改正を経て現行に至っているのだそうです
あって当たり前と思っている戸籍制度は一体いつ頃からあったものか、古い戸籍に記載されている内容から何が読み取れるのか
タイトルに興味を惹かれて読んでみました

本書で扱う古代の戸籍は、年数が経て廃棄されるはずが当時の紙は大変貴重品だったため、実際には廃棄されず裏面を再利用され、正倉院文書に偶然残されていたものとのこと
世界的にみても稀有な資料群なのだそうです
襖の裏張りから貴重な文書や絵が出てくるという話もよく聞きますが、出来る限り使いまわして物を大事にする日本人気質が残してくれた貴重な財産です

私が住む愛知県のお隣、御野国(現在の岐阜県美濃地方)の700年頃の戸籍が多く残存しているとのこと
偶然残ったというだけのことですが、もし日本中の戸籍が全部残っていれば歴史家さんたちには正倉院宝物以上の価値ですよね

『戸』という漢字は扉を共有するまとまりを意味します
魏志倭人伝に、倭人の国々に七万余戸、とありますが「戸」の実態が現在の「世帯」にあたるのかどうかはわかっていないそうです
でも、なにかしら人口数なりを把握していたのは確かだと思います


3世紀から10世紀まで
戸籍を探ることで古代の人々の暮らしやはたまた政治まで見えてくるのです


そういえば
実家の父親が亡くなった時、取り寄せた原戸籍に載っていた人(父の3代前の人だったかしら)の出生欄に安政○○年とあって、ご先祖様がいて父がいて今の自分がいるのだと改めて感じ入りました
暇とお金があればの話ですが、分かる限り御先祖様の戸籍を取り寄せてみたいものです

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4 コメント

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戸籍調べ (todo23)
2020-09-08 17:38:59
有る事をきっかけに、私もご先祖様を調べています。
私の場合、江戸時代からこの土地に住み続けている一族なので、市役所に行って「戸籍を遡れるだけ遡って下さい」とお願いしたら、丁寧に調べてくれました(ご存知と思いますが、出して貰えるのは直系の先祖だけです)。既に相続の関係で祖父の代までは持っていたので、新たに出てきたのは曽祖父の分ともう一部(後述)だけですが。
明治5年に作られた「壬申戸籍」には古い身分制度の記載が一部残ったため、今は封印され見る事はできません。ですから出てきたのは明治19年式の戸籍です。これが結構面白いのです。家父長制度に基づく戸籍なので戸主の曽祖父を筆頭にその弟や妻、子供とその妻や孫など大量に記載されています。直系しか見られないと思っていたのに、傍系も判るのです。
そしてこの曽祖父が63才で隠居届を出し、戸籍は長男(大叔父。私の祖父は二男)が引き継ぎます。祖父は曽祖父の隠居前に分家して別戸籍になって居たのですが、直系の曽祖父の没日を特定するという理由で、大叔父は直系では無いのですがその戸籍も出して貰えました。この戸籍は昭和30年くらいまで続いていました。実はこの大叔父を含め祖父の兄弟5人が海外移民して居り(戸籍は日本に置いたまま)、それらの人たちの現地で生まれた子供など、私の知らない情報がこの戸籍に沢山記載されていました。
いまは他の情報と突き合わせながらご先祖調査をしています。これがなかなか楽しいのです。
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todo23さん (こに)
2020-09-09 14:35:40
へぇ~、ほぉ~、凄いですね~~~。
益々自分の御先祖様について調べたくなりました。
傍系まで分かってくるとさらに興味が広がりますね。
戸籍を調べて、なんて金田一耕助みたい(*^_^*)

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ちなみに (todo23)
2020-09-09 15:54:57
我が家には安永2年(1773)を始めにする過去帳が有りまして、それと菩提寺の過去帳を突き合わせ、さらに戸籍の情報を加えて250年分の家系図を作りました。
私の父親の代までで8代、登場人物75人に達する力作です(笑)。
きっかけはこれなのですがね。
http://blog.livedoor.jp/todo_23/archives/52286986.html
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todo23さん (こに)
2020-09-10 09:15:32
お邪魔してきました~。
きちんとした目的があってのお仕事、素晴らしいです。
主人の実家の仏壇に亡き義父が作った家系図があるので、どうやって作成したのか今度義母に詳しく聞いてみます。下呂の山奥のそうそうたる地主だったらしいですが、主人は「山奥に暮らすのには理由があったはずだ」と、もっと詳しく調べたいみたいです。
私の父方は犬山・成瀬家に関係あるみたい。母方は伊勢の宮大工だったらしいです。
何かワクワクしてきます!(^^)!
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