文春文庫
2018年3月 新装版第1刷
2019年2月 第4刷
解説・小松伸六
361頁
2018年3月 新装版第1刷
2019年2月 第4刷
解説・小松伸六
361頁
茨城県日立市の象徴である大煙突はいかにして誕生したか
明治から大正にかけて、外国人技師、チャールス・オールセンとの出会いをきっかけに煙害撲滅を粘り強く訴えた若者、関根三郎と、世界一高い煙突を建てて住民との共存を目指した企業の決断
足尾や別子の悲劇を日立鉱山では繰り返さない
今日のCSR(企業の社会的責任)の原点を描いた力作
明治から大正にかけて、外国人技師、チャールス・オールセンとの出会いをきっかけに煙害撲滅を粘り強く訴えた若者、関根三郎と、世界一高い煙突を建てて住民との共存を目指した企業の決断
足尾や別子の悲劇を日立鉱山では繰り返さない
今日のCSR(企業の社会的責任)の原点を描いた力作
始めのうちはまるで吉村昭さんの記録文学のようで、新田さんらしいところが無いと思いながら読んでいましたが、煙の流れを気象観測で予測できないか、という話が出てから以降、俄然面白くなりました
また興味深いのは、あとがきでご本人が書いておられる
公害はもともと人間が作り出すものが圧倒的に多く、被害を蒙るのも結局は人間である。公害を解決せんがためには、まず人間の考え方を改めねばなるまい。私は続出する公害に対する鬱憤を『ある町の高い煙突』を借りて吐き出そうとしたのではない。私は半世紀前に“ある町の高い煙突”を創り上げた良心と情熱を兼ね備えていた一群の若き人間像を描きたいがために、この小説を書いたのである。
外交官になるという夢を諦め、公害問題の真の解決を目指した三郎の姿は眩しいほどでした
彼は、年老いてから妻と共にスウェーデンまで出かけチャールス・オールセンと61年ぶりに再会を果たします
初めて出会った時に言われた言葉「勇気(カリッジ)と忍耐(ペイシャンス)」を再びチャールスの口から聞いた三郎は長生きはするものだ、と思うのでした
彼は、年老いてから妻と共にスウェーデンまで出かけチャールス・オールセンと61年ぶりに再会を果たします
初めて出会った時に言われた言葉「勇気(カリッジ)と忍耐(ペイシャンス)」を再びチャールスの口から聞いた三郎は長生きはするものだ、と思うのでした
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/e6c16fdcf347129741b2130b2ccff34e
映画はスクリーンで観逃したのでCSでの放送を期待しているところです。