講談社文芸文庫
2005年11月 第1刷発行
2005年12月 第2刷発行
解説・坪内祐三
300頁
中学生か高校生だったかの頃
「合言葉はオヨヨ」「唐獅子株式会社」などを読みました
純文学作品は初めてです
「丘の一族」
なぜだか自分には「肌の白い親戚」がいた
ドイツ人の血をひく親戚一家の様子を客観的に眺める主人公
「家の旗」
代々続いた和菓子屋の跡取りであるはずの自分
雑文を書いて糊口をしのいでいる現在、祖父の弟子であり今は和菓子屋の当主となった叔父の息子の結婚式に呼ばれる
「八月の視野」
敗戦直後の東京下町で暮らす中学生の眼を通してみた日常
危ない商売に手を染める家族を手伝うことも生きていくのに必要なことだったのです
これら3編は芥川賞の候補となりましたが、いずれも選者の評価を得られず受賞には至りませんでした
「みずすましの街」
遊び人・清さんを主人公に描く町内の暮らし
戦前~戦中、そして戦後を淡々と描いています
秀作を集めた中編集です
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます