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藤沢周平「決闘の辻」

2023年02月02日 | は行の作家


新潮文庫
2022年2月 発行
2022年2月 2刷
解説・安部龍太郎 剣と心
330頁

歴史上名高い剣客の果し合いを描く短編集
史料に基づく歴史小説です


「二天の窟(宮本武蔵)」
老いた宮本武蔵に傲岸不遜な若者が立会いを挑んできます
兵法者としての名声を守るため武蔵がとった行動は…

「死闘(神子上典膳)」
伊藤一刀斎の弟子である神子上典膳と善鬼の決闘を描きます
一刀斎も武蔵と同じく老いによる力の衰えを感じています

「夜明けの月影(柳生但馬守宗矩)」
柳生但馬守宗矩が過去に因縁のある小関八十郎に付きまとわれる物語


「師弟剣(師岡一羽斎と弟子たち)」
師岡一羽斎の三人の高弟を描いた作品

「飛ぶ猿(愛洲移香斎)」
愛洲太郎左衛門を父の仇と教えられ、仇を討つために関東から日向へ旅に出る住吉波四郎の物語

ユーモアや恋心、人としての苦悩を織り交ぜながら剣に生きる男たちの心が臨場感豊かに描かれます
藤沢周平さんの文章の質の高さゆえの読み応えのある短編集でした





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2 コメント

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積読山崩しですね (narkejp)
2023-02-03 08:27:26
私も久しぶりの藤沢周平作品で、年をとってから武芸者の老いをテーマにした話を興味深く読むこととなり、感じるものがありました。闘争心、競争心は若者の活力と向上の原動力の一つでしょうが、やがて転機が来たときにどうするのかは、それぞれが迷うのでしょうね。
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/998ae37349fd33a624b99f6c501d6684
トラックバック代わりに私の記事のURLを貼り付けておきます。
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narkejpさん (こに)
2023-02-04 12:40:15
はい、ようやく読めました。
宮本武蔵と柳生宗矩しか知らなくてWikで調べながらでした。
本書はこの年齢でなかったら素直に読めなかったかも。
読書からでも老後の生き方を学べますね。

藤沢周平さんが古い資料や古地図を捲りながら苦心されている様子が思い浮かびます。今の自分より若い時に書かれているんですよねぇ。
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