角川℮文庫
2018年2月発行
底本 2018年2月発行角川文庫
解説・吉田篤弘
生後まもなく、流木に乗って漂っていたところを拾われて以来、17年間、親兄弟も親戚も友人もなく、何事においても自らの感情を封じ込め、慎ましい生活を送ってきたリュス
17歳で救済院を出て、ネオ・バロック様式のミロナ地図収集館の受付で働き始めます
ある日、静かな日々を送っていた彼のもとに、地図製作技師メルカトルなる人物から謎の地図が届き、次々と彼の周囲で不可思議な事件が起き始めます
長野まゆみさん独特の架空の幻想世界
まるで箱庭のようで自分も街を彷徨っている感覚に囚われます
お決まりの美少年に絡む女性たちが良い感じです
少年の心の動きが上手くとらえられており、恵まれなかったリュスのこれまでが温かなものに変わっていく様にとても穏やかな心持ちになりました
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます