新潮社
2016年9月 発行
284頁
心に傷を抱え、1年の約束で大学を休学して独り暮らしを始めた冨山
他人、特に女性とのコミュニケーションが苦手なため、コンビニで深夜アルバイトをしています
そんな冨山が関りを持つようになった、先輩男性、客としてやってきた高校生、高校時代の同級生でただ一人、自宅に遊びにきていた友人との日々を描きます
冨山たちは、親の立場からみたら、頼りなくて心配でたまらない、少しだけ世間とズレた生きづらさを抱えた若者たちです
けれど、後半で描かれる、遠回りでも、四苦八苦、悪あがきしながら自分のアイデンティティを確立していこうとする姿にホッとしました
人間関係が薄っぺらなようで実は深い所で繋がっていることに気づいた冨山は、大学に復学することを決めます
こうあらねばならない、なんてことは考えず、何でも良いから、自分の好きなこと、やりたいことを続けていく人を応援したいと思います
ラジオ深夜放送は社会人になってからは一切聞いていないので冨山らが熱く語るところはついていけず読み飛ばしました
そこに共感が持てていたら、もっと冨山の気持ちが理解できたことでしょう
でも、それを差し引いても読後感は爽快でした
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