光文社
2021年1月 初版第1刷発行
316頁
事故で重度の障がいを負った妻を自宅介護する中年男性の日常とその心理を描く「無力の王」
30代後半の夫婦が1年限定で不妊治療に臨む様子を描く「真昼の月」
不倫相手である上司の子を身ごもった20代の女性が別の男性と距離を縮めていく様子を描く「不肖の子」
脳性まひの青年がネットで知り合った健常者の女性に恋をし、自分は健常者であると偽りの身分をまとって彼女とデートすることにする様子を描く「仮面の恋」
語り手が変わることでさまざまな角度から見た介護や障がいへの偽善、差別、価値観の違い、普通とは何か、などに自分は何も知らない、何も知ろうとしていないことを思い知らされ、ぐうの音も出ないというのが率直な感想です
最後に語られる「ありえたかもしれない結末」でホッとするのも束の間
それは語り手の想像でしかないというのが悲し過ぎました
構成の上手さはお見事
丸山さんにしてやられました
帯の言葉
余韻がすごく、ずっと考えています
の通りです
余談
丸山さん原作「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」がNHKでドラマ化され、主人公の荒井を演じるのは草彅剛さんとのこと
放送予定は2023年冬
楽しみです
わーい!これ、お読みになられていたんですね。
誰かとお話出来て、嬉しいです。
>さまざまな角度から見た介護や障がいへの偽善、差別、価値観の違い、普通とは何か、などに自分は何も知らない、何も知ろうとしていないことを思い知らされ
まさにその通りです。
色々考えさせられました。
そうそう、デフ・ヴォイス草彅君でドラマ化すると聞いて、読むのが更に楽しみになりました。
「西洋骨董洋菓子店」
これ、漫画本オススメです。
私は先にドラマ⇒映画⇒漫画だったかな?ちょっと忘れてしまったんですが、とにかく最初はドラマだったんです。ゲイ要素を排除したストーリーでね、その後ちゃんと本を読んで、こっちの方がずっといいなって思いました。
タイトルとは真逆の内容ですよねぇ。
物語の構成も見事でした。
「西洋骨董~」
ドラマは知らなかったです。
制作2001年当時はゲイ要素は受け入れられなかったのかなぁ。なら作らなくても良かったような。
主に配信ですけど探しますね♪