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熊谷達也「七夕しぐれ」

2020年02月15日 | か行の作家


光文社文庫
2009年 6月 初版1刷発行
2017年10月 2刷発行
解説・あさのあつこ
344頁

春、小学五年生の和也は県内の小さな町から憧れの仙台市に引っ越してきます
隣家に住む同級生ユキヒロとナオミと友達になろうとする和也に彼らは冷たい態度を取ります
二人がクラスで浮いた存在で、江戸時代から続く因習がその原因であることを知る和也でした…

和也が夏の終わりにまた以前に住んでいた町に戻るまでの短い間の、和也と周囲の人々、大人だったり子供だったり、親だったりとの濃密な関係が丁寧に描かれます
「噂が噂と憶測を呼び、たぶんこんな風にして、人の心の中で差別の遺伝子は増殖していく」
数か月の間に和也は多くのことを学び体験し、成長していきます

まるで熊谷さんの少年時代の回想録のようでした
ワタクシ熊谷さんと同年代なので、ここに描かれている昭和時代に苦も無くタイムスリップして自分も和也と同じ町に暮らしているかのように夢中になって読みました

決して明るい物語ではありませんが読後感は爽快です^^
続編もあるようなので読みましょう

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2 コメント

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『リアスの子』 (todo23)
2020-02-15 17:03:34
ずいぶん前(2009年)に読んだのですっかり忘れてしまいましたが、自分の感想を読むと私も好印象だったようです。
続編と言うと主人公・和也が中学教師になった『リアスの子』でしょうが、この『リアスの子』は仙河海シリーズと呼ばれる別のシリーズの起点にもなっているようです。
そういえば最近、熊谷さんに手を出していませんね。また読んでみようかな。
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todo23さん (こに)
2020-02-16 14:17:25
私も久しぶりの熊谷さんでした。
別のシリーズにも繋がるのですね。読みたいけれど他にもたくさん積んであるし…
嬉しい悲鳴をあげながらボチボチ読んでいきたいです。
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