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伊井直行「草のかんむり」

2010年09月24日 | あ行の作家
講談社文庫
1990年7月 第1刷発行
解説・川村二郎
156頁


予備校生の僕は塾講師の李珍明から声を掛けられる
彼は僕の曾祖父を知っている、見せたいものがある、という
李に誘われるまま彼のマンションに向かった僕は、そこで、なんと!アマガエルにされてしまったのだ!
そういえば、以前行方不明になった塾生の事件に彼が関係しているのではないかという良からぬ噂もあったのだった

断固として人間に戻りたい、と考えた僕はグリム童話のように女の子(お姫さま)に助けてもらおうとシマヘビや子供たちの石礫をも恐れず公園に向かう

突拍子も無い変身譚ですが面白いです
無理や矛盾が無くは無いのですが、李と曾祖父の間で起きた出来事やアマガエルになった僕が人間に戻るべく勇気と努力で頑張る姿が楽しくて、数時間で読み終わってしまいました

僕を自分の力で人間に戻すことが出来なかったことが心のキズとなりノイローゼになってしまった女の子
タイトルになっている『草のかんむり』に彼女の心が沁みています

人間に戻った僕と、また別の物語を紡いでいってくれることでしょう


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