小学館文庫
2013年5月 初版第1刷発行
解説・三浦しをん
593頁
主人公は「カタリテ」と名乗る小説家
書き出しで行き詰まり書き続けることができなくなってしまう
そんななか、小説内の登場人物が痺れを切らして「蝙蝠」に変身しながら新たな物語を始めてしまったり、〈南の鞄〉という謎の巨大鞄から生まれた過去形で予言をする「ソボフル」なる人物の壮絶な半生が突如語られる
一方、ようやく「語り」を再開させることになった「カタリテ」は自らの作品世界に入り込んだ後、南を目指し、〈エッジ〉という名の作中人物や作家たちが集う奇妙な療養所に妻と共に辿り着くのだが…
今まで読んだ吉田さんの作品中、最も奇妙奇天烈な世界でした
初読だった「つむじ風食堂の夜」がとても『普通』の作品に思えてきます
『言葉』というものを大切にされる作家さんだということが改めてわかります
ワタクシごときがどうのこうの書ける作品ではありません
しをんさんですらシャッポを200個くらい脱ぎまくったというのですから
〈エッジ〉で背中を揉み解され人生最良の眠りを手に入れたというカタリテ
整体に行こうかと真剣に考え中です
以前エッセイで読みましたが、吉田さんは体調不良を訴えた時期があり、その原因は睡眠不足、睡眠の質の悪さ、だったとか
ご自分の実体験も小説の要素になっているようです
カタリテが友人の円田くんと通う南新宿の雲呑の店
雲呑や店の描写があまりに美味しそうで、夕飯に雲呑スープを作りました
吉田さんに慣れている方にしかお薦めできない作品です
ヨロシク
(^_^)
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