みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0860「しずく87~目覚め」

2020-04-10 18:07:24 | ブログ連載~しずく

 再(ふたた)びあの洞窟(どうくつ)の中――。月島(つきしま)しずくが目覚(めざ)めようとしていた。ハルとアキは、しずくのそばで声をかけ続けた。しずくの瞼(まぶた)がゆっくりと開いていく。そして、姉妹(しまい)の方へ顔(かお)を向けて呟(つぶや)いた。
「ここは…。私、どうして…」
 ハルが答(こた)えた。「お姉(ねえ)さんは、ずっと眠ってたのよ。それでね…」
 しずくがハルの手に触(ふ)れた。すると、突然(とつぜん)、ハルが気を失(うしな)ってしまた。驚(おどろ)いたアキはハルの名を呼び、しずくに叫(さけ)んだ。「お姉ちゃんに何をしたのよ!」
 しずくは身体(からだ)を起(お)こすと、「心配(しんぱい)しないで。すぐに気がつくわ」
 その言葉(ことば)通りにハルが目を覚(さ)ました。ハルは顔をしかめて言った。
「どうしたのかしら…。何だが、変な気分(きぶん)だわ…」
「ごめんなさい」しずくはハルの頬(ほお)をなでて言った。「あなたの記憶(きおく)を覗(のぞ)かせてもらったわ。いろんなことがあったみたいね。――さあ、私もやるべきことをやらないと…」
 しずくは座(すわ)り直(なお)すと、目を閉じて両手を広げた。すると胸(むね)のペンダントが淡(あわ)い光を放(はな)ち始めた。姉妹は、しずくから離れてその様子(ようす)を見つめた。光が消えると、しずくは目を開けて彼女たちに言った。
「もう戻(もど)ってもいいわよ。家に帰りましょ。私、お腹(なか)が空(す)いちゃった」
 しずくが姉妹と手をつなぐと、三人の姿(すがた)は忽然(こつぜん)と消えてしまった。
<つぶやき>いよいよ、しずくが動き始めます。さて、これからどうなるんでしょうか…?
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