スクラップブッキング日記

スクラップブッキング講師歴18年。
作品作りに明け暮れる毎日です。

35年ぶりの映画「くるみ割り人形」

2014-12-03 15:01:17 | Weblog
今日、ぽっかりと時間が空いたので、先週末からロードショーになった
映画「くるみ割り人形」を観てきました。
この映画、私が生まれて初めて小学生の時、渋谷までバスに乗って、
一人で観に行った思い出の映画です

当時小5の私、「ど~しても!行きたい!」と駄々をこねても
親に連れて行ってもらえなかったので、千円札を渡されて一人でドキドキしながら、
手書きの地図を握りしめて、渋谷の映画館に行ったのを覚えています。

その時の映画の感激が忘れられず、本もパンフレットもLPレコードのサントラ盤も
購入したほど・・・
ですから、35年ぶりに観たのに、台詞もほとんど忘れてはいませんでした。
今朝食べた朝食さえも、忘れてしまう位な私なのに・・・

当時サンリオとしては、5億円というお金をつぎ込み、
5年間かけて人形をコマ送りで、時間をかけて撮った映画として
大変話題になったのを今でも覚えています。
(確か、中井喜一が中学の時、初めてデートで観に行ったのがこの映画だったよなあ・・・
なんて、どうでも良いことまで覚えています)

そして、声の吹き替えが今回は、有村架純ちゃんと、松坂桃李君がやっていますが、
35年前は、子役の杉田かおると、若き日の志垣太郎だったのを覚えています。
映画の脚本と監督はサンリオの社長の辻信太郎さんでしたが、
今回はんなと「きゃりーぱみゅぱみゅ」を手掛けた、増田セバスチャンさんが監督。

私は何を隠そう、きゃりーぱみゅぱみゅの衣装や、あの独特の世界観が大好きで、
よく娘と原宿できゃりーちゃん御用達の「6%DOKIDOKI」という、
何だかよくわからないお店にも行ったりしてます。

この映画、残念ながらロードショーになったばかりにもかかわらず、
平日の朝イチもあったせいか、なんと観客は私を含めて5人。
みなさん、私と同じような年代の方が、昔を懐かしんで足を運んだという感じ。

この映画「くるみ割り人形」ズバリ、東京ディズニーランドの「It's a small word」が好きな人は
きっと喜んで観ていただけるに違いない。そう言い切れます
ですが、全くあの世界に興味がない方が観ても、時間とお金の無駄かもしれません。

良きにつけ、悪しきにつけ、せっかくの増田セバスチャン監督の世界観は、
表だって発揮されていなかったので、(昔のレトロ感を損なわないために、
相当配慮したのかな?)それがかえって良かったような、なくて残念だったような・・・

残念なのは、昔この映画で一番好きだった、王子様?とクララがチャイコフスキーの「花のワルツ」に合わせて、
「お花の国」などに行くシーンなどの一番の見せ場が、素晴らしかったのにほとんどカット

これでは、「水戸黄門」のクライマックスの印籠シーンと、
由美かおるの入浴シーンをカットしまったら(それはいいか・・・)
ドラマが成り立たないのと同じ位の問題です

なんと古い映像を30分カットして、新しい映像を20分追加したとのことですが、
カットする部分、またリニューアルさせた部分のチョイスが、
今イチだなあ・・・

ともあれ、この古い映画を3D仕様にしたこと(3Dでの観賞をおススメします
暗い画像を、極彩色豊かに作り直したことで、こんなにも素晴らしく、
ファンタジーの夢の世界が生まれ変わるものかと、感動しました

ちなみに、、クララの相手役の男性のお人形さん、
昔の新御三家の野口五郎にそっくりで、なんとも言えない昭和のレトロ感がたまりません!

そうそう、私はこの映画を子供の時観て感動し、
「大人になったらサンリオの会社で働きたい」と本気で思ったほど。

サンリオのデザイナーさん(キティちゃんの生みの親とか)の多くが、
女子美術大学の卒業生の方が多いことを知り(本当かどうかは不明)
中学受験の時に、母親に「付属中学を受験させてくれ!」と懇願したのを覚えています。

結局、反対され大学受験で入学し、就職の時もサンリオからの採用募集の紙の前で、
受けようかどうしようか、迷ったことを覚えています。
その頃はバブル絶頂期だったので、一度受けると、不採用になることはまずありえなかったので、
サンリオの会社で、デザイナーの道に踏み込むかどうか、本気で悩んだっけ・・・

結局、憧れていた「夢の世界」に「現実の職場の世界」として足を踏み込んではいけない・・・
そう、勝手に思い込んで、あきらめて全然違う建築の世界に行ってしまったのだけど。
でも、これで良かったのだと思います。

そんなわけで、この映画「くるみ割り人形」は、
私にとって「夢」の原点。作品がどうのこうのより、忘れることの出来ない1本の映画です。