日本共産党の尾崎あや子東京都議は25日の都議会経済・港湾委員会で、築地市場の豊洲新市場への移転を表明した小池百合子知事の「基本方針」(6月20日)について「土壌も地下水も環境基準以下にする(無害化)という市場関係者や都民との一番大事な約束を投げ出すもので、許されない」と批判し、移転はきっぱりやめるよう求めました。
尾崎氏は、都が「無害化」が市場移転の前提だと繰り返し答弁してきた事実を指摘。築地市場業者でつくる「女将(おかみ)さん会」も「汚染物質除去は私たちとの約束。都から変更の申し出はなく、約束は生きている」と表明していることを示し、「約束が守られないなら、市場関係者も都民も納得できない」と厳しく批判しました。
尾崎氏は新市場の地下空間の床面にコンクリートを敷設し換気する追加対策について、日本建築学会がコンクリート打設で完全にひび割れを制御できるわけではないと指摘したと強調。「これで食の安全・安心が確保できるとは言えない」と主張しました。
さらに土壌汚染対策の柱とした新市場の地下水管理システムについて、地下水位を海抜1・8メートルで管理するとしながら、23日時点でも水位が2・1~3・6メートルとなっている事実を示し、「水位が下がらない原因を究明しないまま、揚水井戸を増設しても、システムが機能するとは考えられない」と批判。盛り土が再汚染された可能性も指摘し、改めて調査するよう求めました。
都中央卸売市場の鈴木理担当部長は水位が下がらない原因について「揚水井戸の目詰まり」を挙げながら、どの井戸の目詰まりをどのように把握したかや増設の効果については答えられませんでした。