埼玉県内の大雪被害を調査するため、日本共産党の塩川鉄也衆院議員、柳下礼子、村岡正嗣両県議は23日、秩父市、小鹿野(おがの)町を訪れ、除雪や農業被害の状況を自治体や農家から聞きました。斉藤捷栄、出浦章恵、新井康一、山中進の各秩父市議と出浦正夫小鹿野町議が参加しました。
市役所や町役場、県の県土整備事務所では、除雪と孤立集落の解消に全力をあげている状況の説明を受けました。
農業用ハウスが雪の重みで倒壊する被害が大規模に起きた問題で、一行はミニトマト、イチゴ、キュウリの農家を訪ねました。観光用のイチゴを栽培している男性(42)は、6000平方メートルあるハウスの7割以上が被害を受けました。農業を続ける意思を固めたものの、資材不足でハウスの再建には1~2年かかると言われています。「復旧するときに資金繰りを援助してほしい」と話しました。
小鹿野町でキュウリを栽培する地区では大勢の農家が出迎え「借金して再建してもどれだけ続けられるかと思うと考えてしまう」「秩父のキュウリのブランドが守れるか心配」と口々に語りました。町の支援事業で昨年就農したばかりの男性も被害に。ハウスメーカーへの注文が殺到し、再建の見通しは立っていません。「意欲が続くうちに支援の手を」と訴えました。
塩川議員は「国の支援制度を最大限活用することや、足りない場合は制度の創設が必要です。再建へつながるしっかりした支援を求めていきたい」と話ました
独居老人支援へ各戸に通路
― 埼玉・秩父 中津川集落
埼玉県秩父市の中津川集落は、県道が雪崩でふさがり孤立したままです。同集落は市内から車で1時間。秩父で一番山奥にあります。22世帯33人のうち65歳以上が17人、独居は85歳を筆頭に7人います。22日、地域の人たちが、救援物資で炊き出しをし、おにぎりやカレーを独居世帯などに配りました。
日本共産党の山中進市議(64)と三千恵さん(64)夫妻は、この地で民宿を経営。大雪時、市内にいて帰宅できないままの進市議は、三千恵さんと電話で連絡をとり、「薬が足りない」「灯油がない」などの声を受けて支援にとりくんでいます。「1メートル20センチの雪なんて生まれて初めて」という三千恵さん。真っ先に比較的元気な住民に声をかけ、励ましあいながら、各世帯を結ぶ通路をつくりました。「独居老人が取り残されないように」と思ったからです。雪と格闘し各戸を1メートルの道で結びました。民宿に食料の備蓄もあるので「困ったらいつでも来てください」と各家を訪問。安否の確認をしています。
進市議は「集落の4キロ手前まで除雪が完了した。普通の暮らしができるまであと少し頑張ってほしい」と市内での救援活動に励んでいます