亡き人と共に行った最後の旅行が、スペインだった。
首都、マドリードから入り、トレド、セビリア、コルドバ、
セゴビア、モンセラート、グラナダ、など、主要都市を
巡った。
グラナダでは、かのアルハンブラ宮殿内にある
サン・フランシスコホテルに宿泊した。
ここは、旧、修道女たちの宿泊所をホテルにしたもので、
宮殿内の中庭に面しており、窓を開けると、宮殿の中庭で、
ジャスミンの花の香りが漂い、神聖な空気に満ちていた。
絵は、宮殿を遠景から描いたもの。
根っからのラテン系気質を自負する私は、そのまま、
居つきたいような街だった。