古謡...作家歌手、合田 道人、熊本県五木は秘境と言う名にふさわしい。平家落人伝説も残り、その末裔とう人々が近代まで村の有力者だったと言う。歌調に出てくる、あん人たちゃ よか衆、、である。民は幡主に年貢米を納め、余りはよか衆に納めた。
貧しい民たちは田畑を耕し、子供は奉公に上がった。その風習は受け継がれ五木だけでなく、ふもとの人吉などに奉公にでる娘が昭和になっても存在していた。「いつ父や母に会えるだろうか?」という苦しみの日々を歌った歌調は七十以上にも上がる。
戦後に古関裕而が編曲したものが全国的に流布したが、当時五木周辺で歌われていた旋津は異なる。そこには哀愁と郷愁が擬縮されている。「おどま」とは私、「盆ぎり」は盆限りとかく。
「お盆過ぎたらもうここにはいない」と言う意味だ。奉公先を変えながらも、いつか故郷五木に帰りたい、、、と願いながら、悲しさと辛さに絶える子守娘のはかない運命の叫びが、今も聞こえて来るようだ。
おどま 盆ぎり盆ぎり
盆から先ゃ おらんと
盆が早よ来りゃ早よもどる
おどま かんじんかんじん
あの人たちゃ よか衆(し)
よか衆 よか帯 よか着物(きもん)
花は何の花
つんつん椿(つばき)
水は天から もらい水