しばらく間が空いて申し訳ございません。
続きに参ります。
…後半は、航空自衛隊の基本的なお仕事についてのお話でした。
その根本である、航空防衛力についてですが…
このまま、見ての通りです。
もっとざっくり書くと、
敵を発見するための「レーダー」があり、航空自衛隊が保有する攻撃力として戦闘機及びPAC3の2つがあり、
その2種類による航空防衛力といったところでしょうか。
…そして次の場面
これはちょっと、目から鱗…というか、案外、言われるまで気が付かなかったことです。
陸上自衛隊 ⇔ 警察
海上自衛隊 ⇔ 海上保安庁
と、陸と海にはそれぞれに警察権が存在しますが、空にはそれがない、ということです。
言われてみればそうなんですが、普段そんなことを意識しないので、言われて初めて気づきました。
ちなみに、世界的に存在しなくて、一部アメリカでは民間会社が空軍と協力して警備のようなことを行っているんだそうです。
…毎度、震災の時に、メディアのヘリが諸々災害支援の邪魔になっていることが取り沙汰されますが、
そうなってしまう要因の一つに、空には警察権を持つ存在がないこともあるのだろうと思いました。
そして、そうであるがゆえに、平時から有事まで日本の空を護る唯一の存在なのです。
そしてその、航空防衛力の意義…というか、それはどういうことなのかというと、
「航空優勢を確保」するとのことでしたが、副司令も言い直されたように、これは、早い話が制空権を確保するということです。
これを、ざっくりオセロに例えると… (自分が白:相手が黒だとして)
こんなふうに、
「どこにも置けねぇぇぇ~~~~(ノД`)・゜・。by黒」
という状況にさせるような感じ?(笑)
よけい分かりにくかったらごめんなさい…。
続いて、防衛出動が万が一発令された場合のシュミレーション?です。
この図の一番上にある航空機は、見えづらいかもしれませんが、
早期警戒管制機…通称、AWACSです。
この機体の役割に関して、航空自衛隊音痴の私は、
つい先日、非常に運用に詳しい知人の若手空自幹部さんよりレクチャーをして頂いた(もちろん言える範囲で)のですが…
私は最初、名前に騙されていて
「一番最初に飛んでいく、偵察機みたいなことをして、それから各基地や戦闘機とか海自艦艇と、その情報を収集するの機体」
なんだろうと思っていたのですが…
「あれは非常に高価な機体なので、そんな偵察機みたいな使い方はしません」
と言われました(笑)…すみません…
「あれは、空飛ぶレーダーサイトみたいなもんです」
なるほどそうなのね
…じゃあ、あの「早期発見」って何なのよ~と言いますと、
「遠くまで飛んでいく = 早く発見する、ってことになりませんか?」
と言われ、
「おお!なるほど!」
「ついでに言いますと、基本的に艦は『目が悪い』し、戦闘機はレーダーの範囲が限定されるし、自分の位置を発見される危険があるので
あまり使いたくないし、地上指揮所はなるべく遠くの目標を掌握したい・・・ということで、現代戦の肝であるレーダー情報を提供するのが
このAWACSです」
分かりやすい!!!!!!
彼の答えは毎度、簡にして要を得るものなので、非常にありがたいです
ちなみに、今回の副司令のお話では、端々に海上自衛隊に類するお話も出ていたのですが、
島嶼防衛はもちろん陸海空の統合運用ですが、ミサイル対処は空&海の連携プレーであることなどから
航空自衛隊のお仕事の話とはいえ、海上自衛隊を抜きにしては、語れないことがあるということなのでしょうね。
そして、公海上空における飛行の自由、ということについてですが、
ここでも、無害通航のお話しを交え、海と空の法律の対比を用いての説明があり、これは分かりやすかったです。
無害通航とは「沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない」航行と定義されているらしく、
潜水艦は浮上航行せねばならない、などが決まっているらしいです。
で、空のルールは、領空以外は航空機は自由に飛べるけど、領空内は許可なく飛行することができません。
ここが、海と空の違い。
この違いの理由は、航空機はスピードが早いから、なんかあった時は国民の生命と財産を護る、ということに重大な影響があるから
という、説明を聞けばたしかにそうだよね、という非常にわかりやすい話です。
余談ですが、陸海空自衛隊は、何もかも違う文化と性格を有していて、違いを表す4文字熟語も有名ですが、
最たる違いは、仕事における時間感覚であろうと思います。
陸上自衛隊 → 「準備ができました」の報告 → 「今から始めます」の報告…
海上自衛隊 → 「出港用意~(艦長)」 → ラッパ → 「出港用意」←もいっちょ!
こういう感じですが、これらは航空自衛隊からすると、
「はよやれ」
という感じになります(笑)
まぁ、これはもう、仕方のない話です。
さて、では、航空自衛隊に詳しくなくとも、この言葉なら一度は聞いたことがあるだろう…的な
スクランブルについてです。
探知 → 識別・発信指令 → 緊急発進 → 状況の確認・通告 → 警告・強制着陸
という流れなのですが、この中の「探知 → 識別・発信指令」については、ブログでも書いた通り、
春日基地祭において、DCでのシニア体験をさせていただいた私には、とてもよく理解できたところです。
詳しくはこちらの記事をご覧くださいませ
実はこの記事、このブログの中史上ナンバー1の「いいね」獲得数を記録しております
自衛隊の中でも目立たない仕事にスポットを当てる…これぞ、我が使命を地でいく記事です
そして、F-35導入に伴う、戦闘機の配置移動の話もありました。
この辺は、朝雲新聞でもTOP記事になっていましたので、ご存知の方も多いことでしょう。
ちなみにこの移動に伴って、私にとって唯一の戦闘機パイロットの知人さんも、異動されました。
そして、航空自衛隊のお仕事で忘れてはいけないのが…
先ほど出てきた、現代戦の肝、レーダーに関するお仕事です。
航空自衛隊というと、どうしても戦闘機ばかりに目が行きがちですが…ファイターなんて一握りですからね何度も言ってますが。
以前、航空自衛隊春日基地にお邪魔した時も、これと似た資料を見せていただきましたが、これ見ていつも思うのは、
レーダーサイトは現代の烽火だということです。
地図をご覧いただくとわかると思いますが、レーダーサイトは、人里離れた山の上…もしくは離島にあります。
こういう所で、若いころ働いていた航空自衛官が
「私の青春を返してください(ノД`)・゜・。」
と言ったという話もあります…さもあろう…。
こういう部分からも、本当に昔の防人と重なって見えて「烽火」っていう感じがするんですよね…。
そして、最後は今後、ということで女性自衛官の登用についてのお話でした。
実は、先ごろfacebookで、とある女性蔑視主義者のおっさんと、この件で舌戦を繰り広げたところでした(笑)
正直な話、別に私はもろ手を挙げて女性登用の全てが正しいとは思いません。
ですが、少子化ということを考えると、女性を一定数登用する必然性がどうしてもあります。
能力と適性を持った女性に、正しくその道が開かれるならそれはいいことです。
そうでない女性だと、ちょっとどうか、と思いますが…。
しかし、副司令も仰っていましたし、多くの現役・退役自衛官(男性)からお話を聞く限り、女性自衛官はすごく優秀だということ、
そして、それに刺激されて、男性自衛官も「負けられない!」と士気が上がることから、今のところよい相乗効果が上がっているようです。
また、女性自衛官が増えすぎることで戦力の低下を招かないか、という心配もあるようですが、
ある程度増えても、そこで止まって、一定割合(せいぜい10%くらい?)が維持される、
という見込みを防衛省はしているようです。
予測なので、分かりませんが、と副司令は仰っていましたが、感覚的にそれはあながち間違っていないように、私も感じます。
現代日本の女性が、そんなに多くの割合で志願兵になる可能性があるとは、現実的にちょっとないだろう…と思いますので。
…ざっとこんな感じのお話でした。
航空自衛隊についての基本的なお話しでしたので、よく知らない方には、ちょうどいい内容だったのではないかと思います。
なんといっても、災害支援でお忙しい最中、貴重なお時間を割いて、副司令のお話を聞けたことは、とてもありがたかったです。
また、こういう機会があることを楽しみにしています。
おまけ…航空祭で、ドラえもんのクオリティに比して、猫バスのクオリティ残念な感じなのに笑いを誘われました(笑)
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