〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

『女のいない男たち』の『木野』

2022-08-17 22:06:27 | 日記
 ズームでの朴木の会の27日、
『木野』の話を本気で講義をしようかと思っています。

 そこで、本年度三月『都留文科大学研究紀要』に発表した、
 拙稿「近代小説の《神髄⦆―「表層批評」から〈深層批評〉へ」を
 予め読んでおいてくださいと言おうと思っていましたが、
 それでは済まなくなったな、との思いが実感です。
 そこで、
 2011年ひつじ書房場馬場重行・佐野正俊共編『〈教室〉の中の村上春樹』掲載の
 拙稿「村上春樹の「神話の再創成」―「void=虚空」と日本の「近代小説」―」を
 読んで頂くと助かります。
 あるいは、ネットで、
 拙稿の「現実は言葉で出来ている―『金閣寺』と『美神』の深層批評  
 ―」を御覧ください。
 
 『木野』という一種、不気味、祟る小説を読むには、
 まず、三島の「小説論」、役に立ちますよ。

 思うに、
 驚かれるでしょうが、
 文学研究の専門家や批評家にとってこそ
 三島文学は理解しがたい逆説があります。
 いや、そういえば、
 大江健三郎は村上春樹の小説をまるっきし
 認めていなかったし、
 蓮實重彦は「結婚詐欺」と言う言い方で春樹を罵倒していました。
 やはり、世界観認識の問題は避けて通れません。

 講座、まずご覧ください。
 




夜明け前に『木野』を読み返していると

2022-08-17 07:06:16 | 日記
真夜中、『木野』を読んでいると、胸が痛くなります。
朝になって
13のブロックに分かれて、組み立てられていることに
気付きます。
なるほど、『ドライブ・マイ・カー』の後に書かれながら、
後方五作目に置かれ、末尾『女のいない男たち』で締めくくられる。
それがよく分かります。
『木野』は奥が深い。祟(たた)ります。

夜中、とてつもなく。