私の長女は、某インテリア商社の東京支社に努めている。
職種は営業職である。
東京都内を、車で駆けずり回る日々を送っている。
いや、正確に言えば『送っていた』だ。
御多分に漏れず娘の会社も、新型コロナウィルスの影響により、外回り営業は、当分の間、取り止めとなっている。
それどころかついに、会社への出勤も禁止となったとの事。
所謂、テレワークと言うやつだ。
LINEの家族通信に、
≪在宅勤務キター!≫(長女)
との知らせが届く。
その文面からは、何となく、嬉しげな雰囲気も伝わってくる。
どういう仕事を自宅でするのか?と、問うてみた。
≪知らん!パソコン持って帰って事務処理する≫
半ばやけっぱちな答えが返ってきた。
メール等で依頼されてくる、見積もり作業が中心らしい。
リタイヤして4年半。
すっかり世情に疎くなった私だが、単純な疑問が湧く。
見積依頼が来ると言うからには、多くの顧客は平常業務なのだろう。
注文があった場合、出荷や納品はどうするのだろう?
細かく言えば、在宅勤務であろうと、就業時間を越えて作業する場合もある筈だ。
その場合の残業時間の算定は?
いずれにせよ、経営的には相当の痛手には違いない。
と、ついつい、経営者側の視点で考えてしまうが、娘にとって重要な問題は別にある。
どこかのバカ者のせいで、東京でも、トイレットペーパーやティッシュが品不足なのは同じである。
買いだめに走るような娘ではない。
自宅に置いているそれらが、潤沢にある訳ではない。
しかしながら、在宅勤務となれば、当然の事だが、それらの消費量は増える事になる。
≪それが死活問題!≫
娘よ。
その件に関しては、久留米も同様である。
それらをあがなうのは至難の業なのだ。
父は何にもしてやれぬ。
感染の拡大止まりは、いつになるのだろうか。