損益分岐点売上高
-ウチの会社はいくらの売り上げで利益がでるのか?
PRESIDENT 2013年4月15日号
著者:公認会計士・税理士 柴山政行
構成=高橋晴美
図版作成=ライヴ・アート
日本電子は2013年3月期の連結損益分岐点売上高が
10年同期に比べて1割強下がる見通しであるという。
円高対応として、人員削減やグループ会社の統合などのコスト削減を進めた結果であり、
1ドル=78円でも黒字になる収益構造が構築できたそうだ。
損益分岐点は営業利益が赤字にならないデッドラインのことである。
その営業利益は売り上げから変動費と固定費を除いて計算される。
固定費は経営を維持するために不可欠な費用で
「キャパシティコスト」ともいわれる。
人体でいえば、生命を維持するための「基礎代謝」に当たるものである。
一方の変動費には、
材料費、商品の仕入れ費、外注費、変動給などの製造原価のほかに、
発送費や販売促進費などの販売原価が含まれる。
いずれも売り上げ如何によって金額が変動し、
「変動費÷売上高」で売上高一円当たりに対する変動費の比率が計算できる。
変動費が120円、売上高が200円の場合は、
「120円÷200円」で変動費率は「0.6」となる。
グラフを拡大
グラフで表した損益分岐点売上高
次に損益分岐点売上高の計算方法を紹介していこう。
まず「売上高-固定費-変動費=営業利益ゼロ」という式を想定する。
そこから固定費と変動費の合計が売上高とイーブンになる水準、
つまり損益分岐点を求めていくのだ。
では、商品1個当たりの売価200円、
それにかかる変動費が120円(変動費率0.6)、
そして固定費が300万円の事業の場合、
損益分岐点売上高はどうなるだろうか。
売上高を「S」とすると、
「S-0.6S-300万円=0」いう方程式が成り立つ。
その解を求めていくと、
「0.4S=300万円」
「S=300万円÷0.4」と導かれ、
商品を3万7500個売った750万円が損益分岐点売上高だとわかる。
売り上げがこの750万円ラインを超えると、
営業利益が計上されるようになるのだ。
また、損益分岐点売上高が低ければ低いほど、
赤字になる売上高の水準も低くなるということもできる。
実際の売上高に占める損益分岐点売上高の割合を「損益分岐点比率」というが、
これも低いほうが赤字になりにくい体質といえる。
損益分岐点売上高も損益分岐点比率も把握していない会社がたまにあるが、
企業の収益構造、コスト体質の強さを測る判断指標として、
ぜひとも把握しておきたい数値だ。
それでは損益分岐点比率は、
どの程度の水準が望ましいのだろうか。
景気変動などによって売り上げが10%低下することは珍しくないが、
一気に20%ダウンすることはまず考えにくい。
それなら損益分岐点比率が80%を切っていれは、
財務体質として安心感が得られるだろう。
リーマンショック前、
上場企業の損益分岐点は70%台半ばを維持していて、
かなり優れた状態にあった。
経費削減などの企業努力でコストを抑えたことで、
利益が上がりやすい体質になっていたのである。
しかし、いま多くの中小企業の損益分岐点は90%台で、
売り上げ減少に対する抵抗力に不安があるといわざるをえない状況だ。
早いうちにコストを見直すなど、
損益分岐点比率が80%を切るように一層の努力が求められる。
損益分岐点売上高や損益分岐点比率が低く抑えられていることは、
取引銀行や株主にとっても歓迎すべきことで、
冒頭の日本電子では報道が好感されて株価も上昇している。
個人の家計においても、家庭版の損益分岐点を分析しておくことは重要だ。
いくら収入あれば生活が維持できるのかを把握しておくのだ。
そうすれば、貯蓄に回す余裕ができる収入の水準がわかるし、
給与ダウンがあっても慌てなくて済む。
http://president.jp/articles/-/9163より
損益分岐点(分析)について、
簡単にまとめられている。
営業費率70%台が目標ということことのようだ。
この資料は、SUの授業「経営分析」で使えるし、
SIUの「マーケティング」でも、
すで固定費については話をしている。
損益分岐点については、素人でもなんとなく
わかる概念である。
勉強しましょう。
また、学校会計でも応用される。
定員にたいする在籍者数で、
何名が入学すれば、収支がプラスになるのか。
固定費の見直しが必要になる。
-ウチの会社はいくらの売り上げで利益がでるのか?
PRESIDENT 2013年4月15日号
著者:公認会計士・税理士 柴山政行
構成=高橋晴美
図版作成=ライヴ・アート
日本電子は2013年3月期の連結損益分岐点売上高が
10年同期に比べて1割強下がる見通しであるという。
円高対応として、人員削減やグループ会社の統合などのコスト削減を進めた結果であり、
1ドル=78円でも黒字になる収益構造が構築できたそうだ。
損益分岐点は営業利益が赤字にならないデッドラインのことである。
その営業利益は売り上げから変動費と固定費を除いて計算される。
固定費は経営を維持するために不可欠な費用で
「キャパシティコスト」ともいわれる。
人体でいえば、生命を維持するための「基礎代謝」に当たるものである。
一方の変動費には、
材料費、商品の仕入れ費、外注費、変動給などの製造原価のほかに、
発送費や販売促進費などの販売原価が含まれる。
いずれも売り上げ如何によって金額が変動し、
「変動費÷売上高」で売上高一円当たりに対する変動費の比率が計算できる。
変動費が120円、売上高が200円の場合は、
「120円÷200円」で変動費率は「0.6」となる。
グラフを拡大
グラフで表した損益分岐点売上高
次に損益分岐点売上高の計算方法を紹介していこう。
まず「売上高-固定費-変動費=営業利益ゼロ」という式を想定する。
そこから固定費と変動費の合計が売上高とイーブンになる水準、
つまり損益分岐点を求めていくのだ。
では、商品1個当たりの売価200円、
それにかかる変動費が120円(変動費率0.6)、
そして固定費が300万円の事業の場合、
損益分岐点売上高はどうなるだろうか。
売上高を「S」とすると、
「S-0.6S-300万円=0」いう方程式が成り立つ。
その解を求めていくと、
「0.4S=300万円」
「S=300万円÷0.4」と導かれ、
商品を3万7500個売った750万円が損益分岐点売上高だとわかる。
売り上げがこの750万円ラインを超えると、
営業利益が計上されるようになるのだ。
また、損益分岐点売上高が低ければ低いほど、
赤字になる売上高の水準も低くなるということもできる。
実際の売上高に占める損益分岐点売上高の割合を「損益分岐点比率」というが、
これも低いほうが赤字になりにくい体質といえる。
損益分岐点売上高も損益分岐点比率も把握していない会社がたまにあるが、
企業の収益構造、コスト体質の強さを測る判断指標として、
ぜひとも把握しておきたい数値だ。
それでは損益分岐点比率は、
どの程度の水準が望ましいのだろうか。
景気変動などによって売り上げが10%低下することは珍しくないが、
一気に20%ダウンすることはまず考えにくい。
それなら損益分岐点比率が80%を切っていれは、
財務体質として安心感が得られるだろう。
リーマンショック前、
上場企業の損益分岐点は70%台半ばを維持していて、
かなり優れた状態にあった。
経費削減などの企業努力でコストを抑えたことで、
利益が上がりやすい体質になっていたのである。
しかし、いま多くの中小企業の損益分岐点は90%台で、
売り上げ減少に対する抵抗力に不安があるといわざるをえない状況だ。
早いうちにコストを見直すなど、
損益分岐点比率が80%を切るように一層の努力が求められる。
損益分岐点売上高や損益分岐点比率が低く抑えられていることは、
取引銀行や株主にとっても歓迎すべきことで、
冒頭の日本電子では報道が好感されて株価も上昇している。
個人の家計においても、家庭版の損益分岐点を分析しておくことは重要だ。
いくら収入あれば生活が維持できるのかを把握しておくのだ。
そうすれば、貯蓄に回す余裕ができる収入の水準がわかるし、
給与ダウンがあっても慌てなくて済む。
http://president.jp/articles/-/9163より
損益分岐点(分析)について、
簡単にまとめられている。
営業費率70%台が目標ということことのようだ。
この資料は、SUの授業「経営分析」で使えるし、
SIUの「マーケティング」でも、
すで固定費については話をしている。
損益分岐点については、素人でもなんとなく
わかる概念である。
勉強しましょう。
また、学校会計でも応用される。
定員にたいする在籍者数で、
何名が入学すれば、収支がプラスになるのか。
固定費の見直しが必要になる。