大企業vs中小企業、
どちらで働く?
なにが違う?
2013年5月21日(火)21:10
(ライフハッカー[日本版])
ライフハッカー様
私は現在、就職活動中です。
これから発展していく余地のある中小企業か、
安定している大企業か
どちらを目指すべきか迷っています。
何を考慮して決めるべきですか?
途方にくれている者より
途方にくれている者さんへ
中小企業と大企業、どちらを選ぶかは、
就職活動中にする大事な決断のひとつです。
あなたがまだキャリアを築き始めたばかりの人であれば、
なおさらです。
良い悪いの問題ではなく、
あなたの目標と希望する働き方で決めるものです。
また、世界共通の答えもありません。
大企業は一般に
福利厚生制度が充実していますが、
例外もあります。
従業員100人未満の会社で、
手厚い保障を与えているところを見つけたら、
面接官や採用担当者に詳しく聞くと良いでしょう。
完全なガイドではないですが、
就職活動中の方に考えてほしいポイントを以下に挙げます。
大企業の魅力
大企業には大企業たる理由があり、
その会社は成功の上に成っているといえます。
もっとも零細企業でも、
時とともに市場で独自の地位と強みを打ち出し、
大きくなっていく会社はあります。
さて、大企業は次のような点が魅力です。
しっかりした組織
大企業に入ると、
あなたは長年の経験を持つ組織の一員となります。
そのため、たいてい仕事のやり方や
職場の雰囲気はすでに確立されています。
会社で何をするべきか、
部内でどう振る舞えば良いかが一目瞭然で、
しばらくすると昇進の仕方もはっきりしてきます。
この方法がすべての人に向いているわけではありませんが、
決められた昇進や安定を望むなら、
大企業にはその道があります。
より整った福利厚生制度
一般的に、大企業は健康保険制度や退職制度が整っています。
企業収益が低いほど
保障に回す資金は確保しづらいものです。
最近の研究によると、
従業員2~99人の米国企業で
何かしらの福利厚生制度を設けているのは、
全体の47%だそうです。
当然ながら、このことは
あなたがその制度を利用する場合のみ、重要です。
ADP社の研究では、
大企業で働く、福利厚生を受ける資格のある非正規労働者のうち、
実際に利用しているのは
たった50%強に過ぎないことが示されました。
同様に、正社員でも77%しか利用していません。
会社の規模に関わらず、
どのような福利厚生があるかは、
事前に調べておいた方が良いでしょう。
会社を辞めずに仕事内容を変えられる
大企業はさまざまな分野で、
多くの人を必要としています。
あなたには明確な役目が割り当てられているはずですが、
その会社を辞めずとも、
社内で新しい分野の仕事を探すこともできます。
開発者が事業部長を務めたり、
デザイナーがマーケティングに携わったり、
モバイルOSのトップが
ウェブブラウザ開発会社の上級副社長に就いたりすることもあるでしょう。
社内で就職活動をする必要がある場合もありますが、
新しい仕事の応募先がすでに働いている企業なら、
採用担当者も安心でしょう。
大企業の問題点
しかし、大企業での勤務は良いことばかりではありません。
もし、フォーチュン500に入っているような
会社で働きたいと考えているなら、
以下の特徴も知っておくべきです。
遅い変革
大企業で変化を起こすのは容易ではありません。
あなたの会社に新しい考え方を歓迎する社風があっても
(それ自体はありがたいことですが)、
部内の体制を変えたり、
新しい商品を開発したりするには時間がかかります。
例えば、2010年5月、
デザイナーとして有名なMarias Duarte氏はPalm社を去り、
Googleへ行き、Androidのユーザーエクスペリエンスディレクターに就任しました。
18カ月後、Androidは新商品を発売しましたが、
Marias氏によると、それは長い道のりだったそうです。
(Marias氏は)何年もの間受け継がれてきた、
(Androidという)このとんでもなく成功したプラットフォームのデザインと
ユーザーエクスペリエンスを任されるようになりました。
それは小さな車を運転するというよりも、
空母を操艦するようでした。
Marias氏はボタンを押す仕草をして、
「OKみんな、左に曲がるぞ。あれ、
ちゃんと左に曲がってるか?」と言ったくらいです。
すべての人がモバイルOSを再設計するような、
大掛かりなプロジェクトに携われるわけではありませんが、
大半の人は会社で自分の業績を積みたいと思っているでしょう。
その夢は、大企業よりも中小企業の方が叶いやすいのです。
見知らぬ同僚
どれだけ社交的で話しやすい人でも、
数百~数千人規模の会社で
全員と知り合いになるのは不可能です。
まちがいなく、あなたの仕事にまったく
知らない人が関わっていることもあるでしょう。
給料を決めるCEOや法務部などが、
あなたの働き方を規定するでしょうが、
そういう人たちと直接会話をすることはできません。
良い会社だと、上層部に
重大な事を伝える制度が整っていますが、
必ずしもそれが約束されているわけではないし、
制度があっても効果的に機能しているかどうかはわかりません。
業績が周囲の環境に影響される
これと関連して、あなたの成果や幸福度は、
どの組織に属するかで左右されます。
うまく機能していない組織では、
努力の度合いに関わらず仕事の質が落ちるでしょう。
これは、社内での出世にも関係します。
あるGoogleのエンジニアも次のように言っています。
仕事の質は、割り当てられたチームによるところが大きいと言えます。
良い仲間とともに働けると、
人生は素晴らしいものになるだろうし、
逆の場合もまたしかりです。
「誰と働くか」は、
あなたの出世に大きな影響を与えます
(消えかけの商品を作る部署での出世は、望まない方が良いでしょう)。
もちろん、不愉快な思いにさせる人と働くのは誰でもいやです。
しかし、あなたが働く組織と
あなた自身との間に、上司や管理部などが存在すると、
そのような人の影響は大きくなるでしょう。
中小企業で働く利点
数十人の会社とフォーチュン500に入る会社では規模が違います。
しかし、全社員が顔見知りで
友情関係を築けるようなところで働くのもひとつの人生です。
成果が人の目につきやすい
あなたが上層部の人間でなければ、
大企業ですばらしい仕事を成し遂げても
CEOの耳には入らないでしょう。
中小企業でいい仕事をすると、みんなに見てもらえます。
また、他人と能力差をつけるのも容易です。
あなたが取る行動も目につきやすいでしょう。
Medical Methodsの上級副社長である
Dean Medley氏は次のように述べています。
小さな会社で成果を上げると、
100人に広まります。
新しいことを始めると、
それは大ごととして受け止められます。
これからキャリアを築いていく人は、
自分の能力を開拓するために、
最初は中小企業で働くとよいでしょう。
後に続く人脈や名声を得ることができます。
早い出世
すべての同僚と近くで働ける利点は、
彼らに成果を認識してもらえるだけではありません。
昇進につながる機会に
より多く巡り合えるという点も挙げられます。
上層部と直接話をして、心配事やアイデアを伝えられ、
早く出世できるでしょう。
大企業では数日、時には数週間かかる申請や承認が、
中小企業では上司の扉をノックするだけで済むこともあります。
多くの仕事に関われる
大企業では会社を去らずに違う仕事をしたり、
異なる能力を使うことができると述べました。
中小企業では、机から離れずに
違う仕事に携われます。
特に入社したての頃は、会社紹介のパンフレットに書かれていた
職務内容以外の仕事も任せてもらえるでしょう。
1日のうちにPhotoshopで仕事をし、パソコンの故障を直すと、
その週の金曜日には会社のウェブサイトを更新する機会があるかもしれません。
職場を変えることなく
いろいろな能力を伸ばしたいなら、中小企業の方が向いているかもしれません。
中小企業の弱点
CEOに直接電話をかけられるからといって、
すべての問題が解決するわけではありません。
小さな会社に応募する前に、以下のことを心得ておいてください。
目立つ失敗
CEOを知っていると、あなたの成果を認めてもらいやすいですが、
失敗するとこの利点が諸刃の剣となります。
誰が見ていようと、理想の社員は失敗を最小限に抑えようとします。
けれど、社員の大半に自分の失敗を知られて、
良い気分になる人はいません。
充実していない福利厚生
先に述べたように、中小企業の福利厚生制度は
大企業ほど整っていません。
キャリア形成の初期であれば、会社が健康保険を制度化するまで
我慢できるかもしれません。
しかし、何もないところから何かが生まれる可能性は低いものです。
あなたにとって福利厚生が大切で、
応募する会社がそれを提供していないなら、
いつかそれが提供されるだろうと望むのではなく、
制度が整っている会社を探す方が賢いでしょう。
法務部や人事部がない
たいていの中小企業は、
ある程度会社が大きくなるまで法務部や人事部を設置しません。
組織を単純化するためには良いでしょうが、
苦情に対応するための人材が
いないということになります。
特に法務部に関して、弁護士の顧問料は高くつきます。
ただし、これには理由があります。
自分がしたいことが法務関連のものだと気付くのは、
それ自体に価値があることで、
自分自身でそこまでたどり着く人はまれなのです。
当然のことながら、どの会社に入るかは、
あなたの向き不向きによります。
すべての人が、何千人もの従業員を抱える大企業で
働きたいと思っているわけではありません。
給料が高く福利厚生が整っているのはどこか、と考えるだけではなく、
あなたの個性や能力が最も発揮できるのはどこか、と考えることも重要です。
心をこめて。ライフハッカーより
Eric Ravenscraft(原文/訳:駒場咲)
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/lifehacker_31758.html