みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

WZ-オルキエストラ

2008年02月06日 | トーダル
WZ-オルキエストラとは一言で説明するとトーダルのバックバンド。2002年に結成された。

「WZ」とは何を意味するのか? というと 古いベラルーシ語で「東西」を表す言葉の頭文字。(WOSCHOD と ZACHOD)

 日本語に訳すと「東西オーケストラ」という意味。命名したトーダルによると、ベラルーシは東西ヨーロッパの間に位置しているから、だそうです。
 この「東」というのは、ベラルーシから見て東にあるロシアのことをさしており、マヤコフスキーの詩に作曲してロシア語の歌も歌ったのは、そういう理由もあったからだそうです。
 でも「月と日」を発表後はこの「東」はロシアではなく、もっと東にある日本のことを意味しているんだそうです。
 つまり今ではグループ名は「日本と西ヨーロッパの間にあるオーケストラ」という意味ですよ。
 スケール、大きいです。
 もっとも結成当初は4人しかメンバーがいなかった。

アリャクサンダル・シュバラウ(アレックス):バヤン
クセニヤ・ミンチャンカ:バイオリン、ジャム・ビー(打楽器)、ボーカル
アレーク・イワノビッチ(イワ):アコースティック・ギター、アコーディオン
ヴャチァスラウ・シャルギエンカウ(スラーワ):コントラバス
 
 その後、メンバーが交代したり、曲に合わせて、メンバーが一時的に参加したり、と顔ぶれは流動的。
 トーダルの曲作りの上ではバヤン(ロシアのアコーディオン)とバイオリンを多用しているところが、大きな特徴となっている。

 メンバーの詳細はまた改めて投稿しますね。

トーダルの人生 4 ソロ活動 そしてWZ-オルキエストラ

2008年02月06日 | トーダル
<ソロ活動開始>

 2000年クリヴィを脱退し、ソロ活動を始めたトーダルは、新しいアルバムの製作に取りかかった。それは2001年にソロ活動ファーストアルバム「オモチャヤサン」となって誕生する。
 クリヴィをあんなにもめて脱退したほどトーダルがやってみたい音楽とは何なのか・・・と思っていたファンは「オモチャヤサン」を聴いたとき、びっくり仰天したと思う。
 「オモチャヤサン」はもちろんクリヴィ時代の音楽とは全く異なる作品だった。
 なぜなら、そこには「ブラックユーモア」と「人間社会への風刺」がぎっしりつまった異色の歌が収録されていたからだ。
 もっとも歌詞はレアニード・ドラニコ-マイシュークという詩人が書いた物で、トーダルが書いたわけではない。しかし、わざわざこの詩人のこの作品を選んだところにトーダルの挑戦があったと思われる。

 こうしてソロ活動ファーストアルバム「オモチャヤサン」で衝撃を与えたトーダル。
 確かに作品の中でも異色のアルバムと言えるけれど、(「月と日」も異色かも。(^^;))ベラルーシ音楽史上の中で見ても相当異色の作品である。聴いていると笑えるのに、笑顔が凍りつく瞬間がたくさんある・・・。

 その一方で、子供向けの舞台音楽にも手を出すことになる。
 ミンスク子ども劇場がスウェーデンの児童文学「屋根の上のカールソン」(原作アストリッド・リンドグレーン)をベラルーシ語の劇にして上演することになり、その音楽をトーダルが担当した。

<WZ-オルキエストラ結成>

 2001年トーダルは自分のグループ「トーダル&WZ-オルキエストラ」を結成する。
 結成当初はトーダルが吹くクラリネット以外に楽器は、ギター、バイオリン、バヤン、コントラバス(ベース)ぐらいしかなかったが、この基本編成に加えて、アルバムの作品によって、さまざまな楽器(メンバー)を自由に加える形を取っている。 
 「トーダル&WZ-オルキエストラ」として最初に発表したアルバム「バラード」はベラルーシ民謡をアレンジしたもの。
 つまり、クリヴィ時代にしていた音楽と傾向は同じなのだが、クリヴィ時代とは全くちがう編曲の方法を採っている。
 これがトーダルがやりたいと思っていたがクリヴィ時代はできなかった音楽の一つだったのだろう。

 その後も1年に1枚か2枚という超ハイペースでアルバムを発表している。
 基本的には「オモチャヤサン」同様、ベラルーシの詩人の作品をトーダルが読んで、気に入ったものに作曲する、という形式でアルバムの製作を行っている。(「季節の香り」「愛の汽車」「薔薇と踊るタンゴ」「LIRYKA」など)
 一方で、ロシア語の作品を手がけたり(「MW」など)、日本の歌を歌ったり(「月と日」)しており、また「I want you now」は英語で、アルバム「ベッラ・チャオ」に収録された2作品ではイタリア語で歌うなどしている。
 さらにユニセフから依頼されユニセフ創立60周年記念アルバム「子守唄」を製作するなど、最近は「ベラルーシナンバーワンの国際派アーティスト」と呼ばれるようになっている。
 2008年はスウェーデンの詩人の作品をベラルーシ語に翻訳した歌詞に作曲するという「スウェーデン・プロジェクト」が待っている。
 活動の場をポーランドにも広げ、学生だったとき、その入り口前でガラス製品を売っていたワルシャワ科学文化会館で、現在ではコンサートを開き、満席の観客の前で自分の作品を歌っている・・・。

 この調子でがんばれ、トーダル! マーサは応援し続けるよ。

 しかし・・・この記事、どこまで続くんだろう? 「トーダルの人生」なんていうタイトルにしなきゃよかった。(^^;) トーダルが死ぬまで(あるいはマーサが死ぬまで)これ、続くんだろうか。
 
 WZ-オルキエストラはまだまだ続くと思うし、次の記事のタイトルは「トーダルの人生 5 WZ-オルキエストラ時代中期」とか「トーダル40歳代」「50歳代」「60歳代」という具合に分けたらいいのだろうか。
(そのころ、どうなってるんだろ、トーダル。本人はこの間「白髪頭の小ぎれいなじいさんになることを目指す。」と言っていたが。)

 とりあえず「トーダルの人生 5」に続く。(そのうち・・・)
   

トーダルの作品リスト

2008年02月06日 | トーダル
<パラーツ時代>

1995年
 「パラーツ」が発表したアルバム「フォークロア・モダン」製作に参加。(2005年に再リリース)


<クリヴィ時代>

1997年
 アルバム「ヘイ・ローリー」発表。(2005年に再リリース)
 アルバム「Narodny Albom」製作に参加。

1998年
 アルバム「霧のかなたに」発表。

1999年
 アルバム「人々に」発表。
 アルバム「Вольныя танцы: слухай сваё」製作に参加。

2000年
 アルバム「僕はここで生まれた」製作に参加。
 クリスマスソングアルバム「聖なる夜」製作に参加。


<ソロ活動・WZ-オルキエストラ時代>

2001年
 ソロ活動を開始。第1作目のアルバム「オモチャヤサン」を発表。(作詞はレアニード・ドラニコ・マイシューク)
  映画「新鮮な肉は花火とともに」(ベラルーシフィルム イワン・パブロフ監督)の音楽を担当し、ラストシーンで音楽家の役で1秒間ほどクリヴィのメンバーとともに出演する。
 ベラルーシ語版の劇「屋根の上のカールソン」(原作アストリッド・リンドグレーン)の音楽を担当する。ミンスクの現代芸術劇場で初演。
 アルバム「Вольныя танцы: альтэрнатыва by」にクリヴィ時代の作品が収録される。

2002年
 トーダル&WZ-オルキエストラとして初めてのアルバム「バラード」を発表。
 英語の歌「I want you now」がアルバム「Personal depeche Belarusian on tribute」に収録される。
 クリヴィのアルバム「ミンスク・ベルリン」に作品が収録される。

2003年
 アルバム「季節の香り」発表。(作詞はアレーシ・カモツキー)
 プロモーションビデオを6作品製作する。

2004年
 アルバム「愛の汽車」発表。(作詞はルィゴール・バラドゥーリン)
 アルバム「ベッラ・チャオ」の製作に参加。イタリア語に翻訳された自作の曲をイタリア語で歌う。

2005年
 アルバム「MW」(歌詞はウラジーミル・マヤコフスキー)
 アルバム「月と日」(日本の歌)発表。日本国内でも販売され、ベラルーシ人アーティストのアルバムとしては、最も多数売れる。
 日本のラジオ番組(「文化放送」「NHK地球ラジオ」「FM東京」)で取り上げられる。また日本の雑誌「マガジンALC」(アルク発行)などでも紹介される。

2006年
 アルバム「薔薇と踊るタンゴ」(作詞はウラジーメル・ニャクリャーエウ)
 アルバム「長い引き出しの歌」(今までのアルバム未収録曲を集めた作品集)発表。
 「ベラルーシポップス ヒット1ダース 2005」に「春の日」(アルバム「愛の汽車」収録曲)と「君の元へ」(アルバム「季節の香り」収録曲)が収録される。

2007年
 ユニセフ創立60周年記念アルバム「子守唄」製作に参加。収録曲のプロモーションビデオに山猫の役で出演する。 
 アルバム「LIRYKA」(作詞はゲナジー・ブラウキン)発表。
 「ベラルーシポップス ヒット1ダース 2006」に「村祭」(アルバム「月と日」収録曲)と「道」(アルバム「薔薇と踊るタンゴ」収録曲)が収録される。

2008年
「ベラルーシポップス ヒット1ダース 2007」に「海」(アルバム「長い引き出しの歌」収録曲)が収録される。
 アルバム「いるもの全て」(今までのアルバム未収録曲に新作曲を加えた作品集)発表。


(新しい作品を発表したら内容に追加します。)