昨年80歳で亡くなった氏の評伝。
著者は永年氏の謦咳に接していただけに、演劇に対する氏の情熱が伝わってくる好著となっている。
東京芸大美術学部の油画を落ちて、1955年劇団青俳の研究生を経て新劇デビュー、ところが、状況劇場の唐十郎の戯曲を観て俳優をあっさり諦めてしまう。「唐の戯曲を演じる身体が僕にはない」(20ページ)という理由からだった。
1968年には、蟹江敬三・石橋蓮司らと現代人劇場を結成してアートシアター新宿座で初演出をする(29ページ)。その後幾星霜、ついに世界の蜷川と称されるまでになるのだが、1人の男の生き方として素晴らしいと思う。
私も、さい劇などでシェクスピア劇シリーズ他、多くを楽しませてもらった。合掌
本書は、先月21日に「NINAGAWA マクベス」を鑑賞したときに会場で買い求めてきたもの。