映画など街など

きままに映画や趣味を

MR.LONG/ミスター ロン

2018-01-23 12:11:53 | 映画
仕事帰りは時間ロスを避けたい。早めの夕飯をとりタイミングが合う「ロン」を選択。

前情報なく観たがイイんじゃない。
台湾映画は佳作が少なくない。「クーリンチェ少年殺人事件」や「悲情城市」レベルとまでは言わないが。

ロン(チャンチェン)はナイフ捌きの達人。請け負った台湾マフィアの暗殺は失敗。六本木から這々の体で逃げ、流れついたのは北関東の田舎。

そこでリリー(イレンヤオ)親子に会いドラマは展開する。ロンはシャブ中毒の母親リリーの麻薬を強引に断たせる。やがて子どものジュン(バイルンイン)とは親子のような関係ができあがる。
ロンは逞しく料理が得意だ。
ある日、住民のホームパーティの料理を強引に頼まれてからトントン拍子に話が進み、台湾牛肉麺の屋台をやることになる。寺の境内でオープンする屋台は大繁盛。

しかしヤクザに見つけられたリリー、ロンに危険が迫る。

ロンの寡黙がいい。説明台詞を排除し表情で演じる。イージーにしない男女の関係にも好感がもてる。それにしてもリリーを演じるイレンヤオの美しいこと。

映画には、アクションだけでなく、人間の善悪、誠実、情愛、逞しさが盛り込まれている。

ロンは目論見通り日本を脱出するが、
高雄を旅する北関東の仲間たちと再会する。これはご都合主義にも映るが、やはり必然というべきだろう。


ロンを演じるチャンチェンが、クーリンチェ少年殺人事件の主演シャオスーだった。これを知らなかったことを今恥じている。


21グラム

2018-01-16 07:59:52 | 映画
先週キネ旬のベスト10が発表された。
観た作品が1.2本しか入っていなかった。えっ?てのもあった。


21グラムのポール、クリスティーナ、ジャック3人の関係はネタバレになるので、コミットは回避するが、3人の存在、状況、交差する関係が重すぎる。アメリカ映画としては結構シリアス。2004年の作。

21グラムとは何を意味するか台詞に出てくるが、そうなんだと思う。

14年前のショーンペン、ナオミワッツ、ベニチオデルトロの演技は素晴らしい。アカデミー賞ノミネートは納得だ。

2013年に「ダイアナ」妃を演じたナオミワッツはやはり美しかった。

話は変わるが、小説を構想する場合は、人間関係はこういう図式が基本なんだろうな。


打上げ花火、下から見るか?横から見るか?

2018-01-06 22:31:16 | 映画
1995年公開の実写版。プライムで観た。
昨年アニメ版が公開されたというが小生は知らない。

14歳、最後の夏休みの一日、花火の打上げられる日の午後の話だ。
二学期には、なずな(奥菜恵)は転校してしまう。なずなは花火の日クラスの男の子(山崎)を誘う。
この年頃は女の子の方が圧倒的に成長がはやい。男の子が幼なく子ども子どもしているのはしょうがない。
されど山崎裕太は子役時代もイイ味出している。そして奥菜恵はとても美しい。
女性が大人になる前の一番美しい季節なのだろうか?

少年時代、夏の終わりに、切なく甘く、痛みのような寂しさを覚えたのは、色んな意味での別離を本能的に感じていたのだろうか、と今思う。

映画公開の2年前の93年に製作した45分の短い作品だが、岩井のその後の躍進はこの作品で納得すると思う。

岩井俊二の映像はいつも豊潤な詩が詰まっている。