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素敵なダイナマイトスキャンダル

2018-09-24 13:33:30 | 映画
最高だよ。完成度高いと小生は思うのだ。年齢的には勿論大先輩だが小生も同じ空気を吸っている。昭和後期サブカルチャー、バブル期は面白い時代だったと今更ながら思う。ネタバレはまずいので内容はほどほどにするが、末井昭の自伝の映画化だ。
蒲田のキャバレーやピンサロの看板製作、文芸的エロ本(いや完成度の高いエロ本)に写真雑誌。左翼的匂いのする評論家、文化人たちの文章も掲載していた。エロ本は警視庁に摘発され発禁。失業するもパチンコ屋に行けば、パチンコ雑誌を思いつく。なかなかしぶといアイデアマンだ。
末井を演ずる柄本佑を中心に妻役の前田敦子、愛人役の三浦透子、母親役の尾野真千子がなかなかイイ感じ。尾野真千子にはゾクゾクさせられる。エンドロールでは末井とのデュエットまで披露してくれた。存外可愛い声だ。

男優陣もハマってる。楽しんでる奴もいるような気がしてくる。親父役の村上淳は台詞少ないが味を出してるし、松重豊、峯田和伸、島田久作も同様だ。しかし眼鏡かけてる奴がやたら多い。

ノスタルジーに浸るだけでもいい。今では希少な喫茶店がよく出てくる。
学生時代から、勤め始めてバブルを経て昭和から平成、時代の流れは速かったような気がしてくる。色んな時代を思い出して笑ってしまう。

カルフォルニアドリーミン、久々に聴いた。ママス&パパス、懐かしい。映画より旧いと思うのだが、レコード買ったことを思い出した。柄本と三浦とのボートシーンで小生は井の頭公園ではなく石神井公園のボートを思い出してしまった、何故だか。

幾度となくカットインされる幼少、少年期の末井と尾野真千子演ずる母親。関係は複雑、屈折し傷つきながらもダイナマイトで心中した母への愛を感じるが痛みが伴う。

昭和がいっぱい詰まってる。
今から思うと過激で、自由だったような気もする。おおらかでギスギス、ピリピリはしていなかった。

若い人はどう思うのだろうか?
封切は3月だったが、早稲田松竹で上映してくれて感謝している。
マジ損はない。好みもあるが。なおR15である。
映画が面白いのは登場人物が面白いからだと気づきアマゾンで原作本を注文した。