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徒花

2024-10-22 17:30:00 | 映画
新次(井浦新)はかなり重症、というか死期迫っているのだろう。クローンの「それ」から、たぶん臓器移植するために、とある療養施設に入院している。
医師(永瀬正敏)は、言葉少なに臨床心理士まほろ(水原希子)に指示をする。



まほろが新次のケアを担当、状況をヒアリングしてサインをもらう。
新次は「それ」との対面を懇願する。

井浦さんは当然「それ」と二役。
対面したことにより新次の心に疑念が生まれ葛藤がはじまる。
「それ」の知的で純粋さに新次の心は揺れ動くのだ。

映画冒頭の説明、「あるウイルスの蔓延による人口激減、一部の上層階級の人間だけに、延命治療として云々」
とスーパーが流れたが、
不要ではなかろうか。
労働人口が足りないなら富裕層(上層階級)ではなく、労働者層が必要なのではないかな、と思うからである。
やや白けた。

音楽と映像はいいが、
内容は伝わりにくいと思う。近未来を想定というが、セリフも小道具も何かしら近未来と思わせるものがなかったような気がする。



舞台劇をみる感覚で観ていたから、特段時間軸とか場面転換が余りないこと、説明的台詞がないことに不満はない。が、

トンネル、冬枯れた林、小鳥、岩場の海岸、海岸の女性(三浦透子)など、
これらがバラバラのような気がした。
たぶん過去の出来事や妄想、夢などでしょうが。どういうふうに繋ぎあわせたらいいのか?分からない。





井浦新さん、水原希子さんの熱演の「気」は伝わってきた。

延命のためとはいえ
クローンを飼育(ホテル暮らしのような)すること自体、葛藤が生まれのは当たり前だと思う。

一番気になるのはクローンでつくった「それ」と対面させることは倫理上も心理上もあるいは医療上も絶対ないのではなかろうかと思う。懇願されても。
それ言っちゃお終いよと言われそうですが。

話題作であることには間違いない。
キャッチコピー「私が生きるために、私を殺す。という選択。」秀逸だ。

2010年の「私を離さないで」を思いだした。
当時かなりショックを受けた記憶がある。
原作カズオ イシグロさんのあの作品。
キャリーマリガンの美しく悲しい表情を思い出してしまった。



脚本、監督は甲斐さやかさん


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