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きままに映画や趣味を

ボッシュ レガシー

2022-07-15 19:00:00 | 映画など
レガシーは5月6日から毎週配信された。最初は4話配信、一気呵成に観てしまった。その後は毎週金曜日に2話ずつ。全10話。

ボッシュは上司の事件への対処に我慢ならずにバッジを投げ捨てた。職を辞し己の正義を通したのだ。それで完結となっていた。

その後Amazonから続編制作の情報が入っていた。

私立探偵をやっているボッシュ にある日依頼がくる。依頼事項は自分の若かりし時期の恋人の調査。重病の巨大企業のオーナーの内密な依頼。存命のうちに解決したいからだ。70年も前のこと
恋人は別れて8か月後に自死、彼との子どもがいた。ジュニアは残念ながらベトナム戦争で戦死していた。報告すると、業務はもう終了だと依頼主は告げるが、ブッシュは無報酬で継続調査を請う。

「気持ちが分かる」自分の生い立ちと重なる所を感じたからだ。そうしたボッシュの情感が魅力の一つでもある。ドラマの本筋は調査を邪魔する者たちとの戦いだ。敵は単純ではない。依頼者の会社の後継、巨大な遺産の利害関係がからむ。巨悪は誰か。
戦死したジュニアには恋人がいて、その子どもがいることが分かる。
依頼者は小康状態に戻るが、40年も勤めた秘書に殺されてしまう。ボッシュ に遺産の分割を任せる文書が届いていた。遺言執行人だ。

娘のマディはロス市警に勤務。新人巡査で活躍。下っ端だがタイ人街のレイプ事件を追ったりしている。

相変わらず、医師の殺人事件とか複数のストーリーが絡み合いながらドラマが展開。宿敵だったチャンドラーはPTSDを抱えながらも弁護士業を再開。ボッシュ と協力関係にあるが、マディを危機に陥れてボッシュの怒りは爆発。 






ロス市警のかつてのなじみ、相棒のエドガー、ビア樽コンビなどもちょこちょこ出てくる。懐かしい。
地震でボッシュ の自宅が損傷。
変わらずアートペッパーを流して寛ぐライフスタイルは変わらない。

シリーズの最後、娘マディが拉致されてしまう。まだ続くことを意味する。
あれから三か月近くなる。
レガシーのシリーズ2を辛抱強く待っている。


東京オリンピック A版、B版

2022-07-08 21:00:00 | 日記









東京オリンピックを観た。楽しみにしていた。河瀬直美だから。


サイドA、Bと言われと、レコードLP版を思い出す。映画はAのあとすぐにBは観られない。裏返せば聴けるレコードとの違いだ。2、3週間は待った。 

tohoシネマ新宿に行く。プライムビデオ等を否定するわけではないが、映画は劇場で観なきゃ」スクリーンと音響だ。

今回の作品は白紙で観た。
事前に識者とかマスコミの雑音を入れなかった。オレ的には映像が綺麗で監督の気持ちが伝わってきた。
ドキュメンタリー映画だが、河瀬直美のこだわりがある。素材は幾らでもあるから、何をセレクトしてどう料理するか。監督は楽しかっただろうなあ。ドラマを観てる感覚がした。河瀬直美は饒舌だ。時間が経過して一層思われる。

最大の収穫は、
野村萬斎のボレロとのコラボが観られたこと。

サイドAでは、劇場の冷房が効きすぎ閑所に立たざるえず、柔道の団体戦などを見逃した。残念。

無観客での開催になることは多数の人々は想像していたと思うが。無観客になってしまった関係者の複雑な思いを取り上げている。
サイドBは、関係者を描くということで、内心期待は薄かった。オリンピックを巡る様々な壁や問題があった。一番はコロナかもしれないが、組織委員会当事者もそうであったのは皮肉なことだった。河瀬さんは逆に創作意欲が高まったんじゃないかな。

食堂スタッフには結構意識して焦点をあてている。聖火リレーはドキュメンタリー的に描かれた。
人物のアップシーンが多いが、とくにバッハ、森のアップが記憶に残る。助演男優賞をあげたい。河瀬さんも皮肉屋だと思う。
コロナ禍での開催や女性問題が表出するなか、山口香氏や宮本亜門氏の発言をしっかり取り上げていることは評価したい。
橋本聖子には忖度したのか。「橋本聖子のオリンピック物語」の小作品が挿入されてる感がする。
 
映画とは別だが、開会式の酷さはないのではないか。出演したアーティストも可哀想な気がする。当日なんじゃこりゃと辱めを受け寝込みたくなるほどだった。何を言いたいのか。どこが世界にアピールできる日本文化なのか。悲惨すぎる出来。
D通の軽薄な傲慢なプロデュースではハナから期待もへちまもないが。どこの国、都市の開会式パフォーマンスなのか。こんな恥辱はない。
未だショックだ。

そもそも復興とか、コンパクトとか言っていたじゃないかい。河瀬監督はその辺りも外していない。

オレは野村萬斎をみるため、もう一度観てもいいと思っている。シングルカットして欲しい。



ヒトラーに盗られたうさぎ

2022-07-07 20:14:29 | 日記
プライムビデオに取り込まれ久しい。コロナが流行りだしてからだ。TVが余りにつまらないのも一因。

久々にヒット、佳作だ。
「アマンダと僕」以来だ。

ベルリンで生活する裕福なユダヤ人一家、演劇批評家の父親、ピアニストの母親、アンナと兄のマックスの2人の子ども、そして家政婦。アンナこと絵本作家ジュディスカーの少女時代を作品にしたドイツ映画。

アンナは母親から「スイスに逃げる」と告げられる。大好きなうさぎのぬいぐるみは置いていかざるえない。長引く風邪を口実に、父親は密かにスイスに棲家を探しに行っていた。ヒトラーの台頭で危機が迫るのを察知していたからだ。
 
家政婦を留守に残しスイスに向かう列車でナチスの検札。「どこかで聞いた名前だ」思わずヒヤッとする。密告者がいたり悲惨な方向にいくのが常だから。

1933年ヒトラーは選挙に大勝利。
スイスに叔父が訪問。うさぎのぬいぐるみまで掠奪されたと言う。一層危機は迫っているうえ、スイスの家は貧弱すぎる。父はユダヤ人の新聞紙をあてにパリに移ることにする。

パリ。いよいよ他言語、慣習、文化が違う生活だ。されど、父親の仕事は激減し家賃も払えなくなる。ドアを叩く家主、電気を消し息をひそめる一家。金はないがプライドの高い夫。何とか子どもに惨めな思いをさせたくない妻。夫婦関係も少しギクシャクしてくる。
やがてアンナは公立の学校に行くことになるが、最初フランス語が理解できず友だちもできない、が、暫くしてフランス語の作文コンクールで優勝。聡明なアンナだからこそ。父親にはナポレオンを素材にした脚本がイギリスで売れる知らせ。

エッフェル塔での「故郷は幾つあっても構わない」との母親の言葉に、一家はパリを去る決心。ロンドンへ行くことになる。

特段変哲のない作品だが、惹かれるのは、家族の絆の強さ、貧困、差別に負けず明るく生きる様、希望を捨てない逞しさか。何よりもアンナの可愛いさだ。

1000人から選ばれたという9歳のアンナ(リーヴァクリマロスキ)が愛らしい。兄マックス(マリヌスホーマン)はピアニストとしても活躍してるらしい。両親役(オリバーマスッチ、カーラジュリ)も良く特に母親もなかなか知性を感じさせる女優だ。

R指定のない全世代にお薦め作品だった。
オレ的には誠に恥ずかしいが、公平にみるセンスを持ち合わせてるんだと自嘲する。

アカデミー外国映画賞ノミネート、また各国で賞を獲得しているカロリーヌリンク監督、2019年製作。

ジャニスリトルガールブルー

2022-07-04 11:15:00 | 映画
ジャニスを無性に聴きたくなった。 

2年前のメモ。編集していたがブログ素人。不慣れで削除してしまい落ちこむ。再現出来ないし、いまそんなエネルギーない。

ジャニスを毎日聴く生活を数か月続けていた記憶がある。iPodに飽き足らずYouTubeでジャニスを観ているうち、「ジャニスリトルガール」にたどりついたのだ。数年前(2015年)に上映されていたのだ。気がつかなかった愚か者だ。

至急ビデオを探した。若き日のジャニスの映像(ライブステージ、TV出演)身近な人のインタビュー、ジャニス自身の手紙等からなるドキュメンタリー映画だ。
ジャニスは母親によく手紙を書いた。絵も上手かった。妹に言わせれば、とても優しく傷つきやすい女の子。
ジャニスはなぜ、ハイスクール時代を中心に排斥・異端視されたのか?
彼女のリベラルな思考からくる生き方。想像以上に保守的な環境だった当時、彼女が求めているものや感じることと大きな溝があり、どうにもならなかった。そういうことってある種の者には痛いほど理解できる。そして人種差別があった。KKK活動全盛期のころではないか。
とにかく周りと違う者は排斥されるのだ。

ショッキングなのは、スーパースターになってから同窓会に出たときの映像だ。彼女には誰も近寄ってこない。昔とおなじ孤独感を味わう。テレビカメラを持っメディアと一緒に行った母校なのに。悲惨すぎる。亡くなる年の9月だ。「高校時代ダンスパーティには誰も誘ってくれなかった」と自嘲気味に喋っていたジャニス。スターになってもかわらない。 
心が痛む。彼女自身、生涯傷を負っていた。

ステージで絶唱する姿に一瞬ハッとした。20代の彼女が40代女性に見えたのだ。酷く疲れてみえた。
喜び、悲しみ、痛み、怒りなどの感情を強く情熱的に表現する彼女。
しかしステージ以外に彼女の行き場、安らぐ場はない。哀しい。スーパースターの素顔は寂しがり屋で傷つきやすい20代の女の子だった。

急ぎすぎたのか?
スタジオで録音してる最中、ホテルで急死。マルボロを買って部屋に戻ったのに。半世紀以上前のこと。爾来ジャニスを超えるアーティストが出てこない。天才だった。27歳。
死因は薬物中毒ではなく、転倒し頸の骨折という説もある。

ジミヘン、モリソン、ワインハウスも27歳

1970年には三島由紀夫も逝った。
ジャニスの死から半世紀以上も経ってる、全く色褪せない。

たまに何かの商品のCMに使われたりしてるが、全然場違いな使い方に嫌悪感を覚える。

もっと30.40.50代の曲を聴きたかった。
来日して欲しかった。

俺たちが生きてていいのかい。
ジャニスを玉手箱入れて、蘇らせたい。
ああ、鬼籍にはいったひとたち。
蘇ろ!

実は、蘇ったのだ。昨年、松竹映画ジャニスジョプリンはブロードウェイの作品を映画にしてくれた。メアリーブリジットデイヴィス。眼を閉じていれば目の前にジャニスがいた。

今年は今年で国際フォーラムで、ミュージカル公演決まってる。八月が待ち遠しい。第一希望外れたが、第二希望でチケットゲットした。
27歳のアイナジエンド。ジャニスが亡くなる一週間前の一夜のステージを演じる。ジャニスの半生を舞台化する。

52年前に逝去したジャニスはやはり、永遠だったのだ。
パンチ一発で俺ら徒食してるクソ親父をぶっ飛ばしてくれ!