新・きものの基

絹や木綿、麻など素材から染織の歴史、技法、デザイン、そしてきものと暮らしの多様な関係までを紹介します!

藍染⑤

2007-07-15 08:46:05 | ゆかた・藍染

■藍染・星

型染は、何回も型紙を送りながら、連続した模様を作ってゆくために、模様のつなぎ目がずれないように必ず型紙には「星」といわれる目印があります。写真の右上真ん中の丸で囲った点がそうです。これがないと連続模様が出来ないのですが、最近は模様に関係のない「汚れ」と思うお客様もいて、クレームがつくので、仕上げで星を消すようにしているそうですが、どうしても消せないものもあるとか。「うちは江戸時代からのやり方で、江戸の味を再現しているんで、星は消したくないんで、ていねに説明をいただけるようお願いしているんですが、型染を知らない店員さん、お客さんが多くて最近はやりにくいね」と蛙さんボヤくこと。

画像の上の赤い帯の部分は、生地を貼り付けている糊です。糯米(もちごめ)に石灰をいれ、水を加えながら練り上げて団子状にし、2~3時間湯で煮て、更に湯と石灰を加えて練り上げ、糊の硬さを調整し、さらに米ぬか、水に溶かした緋糊(ひこ)という赤い染料を混ぜ、完成です。型紙の質や文様、その日の天気などで糊の硬さを決めるそうです。

この糊を長板に丁寧に引き、そのまま陰干しし、翌日、長板に引いた糊の上に、引き刷毛で水をむらなく引いたら、木綿生地を張り、生地にしわがよらないように長板に張り、型染の準備をします。

型紙は乾燥したままだとシワがよりますので、一晩水につけ、型染の直前に水から引き上げて、板に張り水気を切ります。

型染は、長板の左から右へと順々に型紙を送ってゆきますので、型紙の文様をいかにうまくつないでゆくかが、腕の見せ所です。そのための大事な目印が「星」なのです。

 

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