新・きものの基

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2011注染(7)そして江戸の技にー注染

2011-05-29 17:28:56 | 2011注染

注染は手作業でありながら多彩な柄、小紋などの微妙なタッチや独特の色合いを出せます。また、ぼかし等の技法を活かすことで立体感を表現することにも優れています。表裏両面から染色するため、表も裏も同じ柄が同じ色合いで出るのも注染の特徴です。さらに注染のもう1つの特色は、多彩な染料、例えば直接染料、ナフトール染料、硫化染料、反応染料、スレン染料など、数種類の染料を一度に使うこともあり、染められた生地の発色は、「ゆらぎや、にじみ」など手仕事の味わい個性、特色ですが、同時にプリントなど染色技術が発達した今日、多少の色ぶれ、にじみを「欠点」と見ることも出来ます。また当然染料により何度も洗濯したときの色の抜け方、褪め方が異なります。これらは注染の長所でもあり短所でもあります。どんなモノでもそうですが、呉服店もお客様もお互いにしっかりとした正確な知識を持つ必要があります。

大阪で発明された注染ですが、その後、東京や浜松などにその技は広がってゆきましたが、各地の職人の気質や工夫が加えられ、色柄など各産地の特色、個性があります。例えば東京は長板中形の伝統を継いでいますから、細かい色柄を注染で染め出すため、東京では2枚付けで染めます。しかし、浜松は6枚、大阪は3枚付けと両産地でも一度に染め付ける枚数に違いがあります。

注染の特色

すべて手作業のため、1枚として同じものが出来ません。

すべて手作業のため、やさしさを感じる色合いや濃淡や、輪郭に、

にじみやゆらぎの独特の味わい、表情がでます。

染料を上から注ぎ下に抜き、さらに裏返して注ぎ下に抜きますので、表裏同一模様が同じ濃さで仕上げることができるため、仕立てる際に表裏どちらでも使えます。

染料を上から注ぎ下に抜くため、

糸を痛めず、生地の目をつぶさないため、通気性が良く、肌触りが良い。

使い込むほどに色が落ち着き、味わいが出てきます。

型紙1枚で何色も染めることが可能

 


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