父のお墓参りに来て、高台から空を見ると
不思議に細長い雲が流れていた
昨晩降った雪が北側の日陰に薄っすら残った
寒い日今日、空は暖かそうに晴れている
様々な事情で住んでる家を明け渡さなければ
ならなくなったのは私が高校生の頃だった
父が長く入院生活を送っていたことが原因だった
男として、悔しかったに違いない
どんなに一時帰宅が出来るよと言っても
新しい借家には帰って来てはくれなかった
初めて家に入ったのは遺骨になってから・・
あれから長い月日がたってついにこの家も引き払い
父の仏壇も移動しなければならなくなった
初めて掃除に入った制服姿の私も家に一人きりだった
そして今日、別れる最後に私だけが家にいた
片付けても片付きようのない家のなかを
あちこち動きながら、様々な場面、思い、言葉が
心に浮かんでは消える
このただの「物」ではない物たちすべてを処分して
母と私はある時代を見送らなければならない
涙はないけれど、ただ深く寂しさが広がる
父は今、何と言っているだろうか・・・
不思議に細長い雲が流れていた
昨晩降った雪が北側の日陰に薄っすら残った
寒い日今日、空は暖かそうに晴れている
様々な事情で住んでる家を明け渡さなければ
ならなくなったのは私が高校生の頃だった
父が長く入院生活を送っていたことが原因だった
男として、悔しかったに違いない
どんなに一時帰宅が出来るよと言っても
新しい借家には帰って来てはくれなかった
初めて家に入ったのは遺骨になってから・・
あれから長い月日がたってついにこの家も引き払い
父の仏壇も移動しなければならなくなった
初めて掃除に入った制服姿の私も家に一人きりだった
そして今日、別れる最後に私だけが家にいた
片付けても片付きようのない家のなかを
あちこち動きながら、様々な場面、思い、言葉が
心に浮かんでは消える
このただの「物」ではない物たちすべてを処分して
母と私はある時代を見送らなければならない
涙はないけれど、ただ深く寂しさが広がる
父は今、何と言っているだろうか・・・