歌詞の詳細はこちらへ→Yahooミュージック - 福耳 - 歌詞
スキマスイッチの大橋卓弥君を見ながら歌を聴けばふと
思い出した風景があった。
小学生の時、大好きだった男の子との思い出の風景。
幼くて優しくて弱くて、男の子たちにはちょっと下に見られ、
美男だけどガキ大将の幼馴染と一緒に無理やりヴァイオリンを
習わされていた。
みんなにないか言われても、黙って下を向いてただけだけれど、
彼の中には自分だけの世界があって、話を聞くととても面白かった。
理科室の中庭を掃除した時には、石の下からカエルの姿のままの
骨が出てきて、あまりのきれいさに一緒に見とれていたことが
忘れられない。
私たちは、見るもの、面白いと思うものが似ていた。
私たちはいつもどこか不器用で、現実世界が辛くなると、学校の
人気のないところやプールの裏側通路へ行って、2人だけの想像の
世界で遊んでいた。
彼は毎日掌にすっぽりと入ってしまうくらいのタオル地の
クマのぬいぐるみをこっそりと学校に持ってきていた。
クマニーちゃんは彼の分身そのもの。
みんなに見つかるのは恐ろしいけれど、離れているのはもっと辛い。
2人きりになると彼は本当にクマニーちゃんに優しい言葉をかけて
いた。
私にだけは見せてくれた大切な彼の友人は裸だった。
お母さんが、そんな赤ちゃんみたいなものいつまでも持っていないの!
って捨てられそうになるから、洋服も作ってもらえないし、
本当はお布団を作ってあげたいの。でもボクはうまく作れないから・・・
そういわれて、私の心は生まれて初めて優しさという愛情で一杯になった。
なんてかわいそう!
私ならきっと出来るに違いない。私が作ってあげよう。彼の願いを
かなえてあげたい。
「私が作ってあげようか。」
そう恐る恐る言った時の彼の幸福に満ち足りた輝くような顔を
私は一生忘れないと思う。
一瞬たりとも離れがたいクマニーちゃんを、彼はお布団のために
私に一晩貸してもいいといってくれた。
私はクマを、いや彼の分身を壊れないとわかっていても両手で胸抱いて
家まで連れて帰って、白い、ふかふかの敷布団と掛け布団を一晩で
縫い上げた。
多分今見たらがっかりするような代物だったに違いない。
でも、作っている間中、彼の幸せを願ったし、クマニーちゃんに
いいお布団を。と思いながら一目一目を手縫いして行った。
翌日、プールの裏まで行った私たちは、布団のなかにすっぽり包まれた
クマニーちゃんを手渡した。
「ありがとう、ありがとう。お布団ありがとう!」
彼はクマクーちゃんを腹話術のように挨拶させて自分でもお礼を言って
くれた。
胸の中がものすごい美しいもので暖かく満たされた気がしてた私たちは
地上の、プールの裏手の暗い場所にいながら、心は宇宙の果てまで
飛び立つような時間だった。
3歳で親を捨てて家出したり、幼稚園の頃にはこの世をはかなんでいた
おばあさんみたいな魂の私には、世の中にはこんなに純粋無垢で優しい
魂を持った人間がいるんだと教えてもらう時間だったのかもしれない。
暑い夏が来ようとしていた。
その後私はすぐに転校することになり、その後彼を見守っていく事は
できなかったけれど、私は転校先でめっきり元気になり、友達と
ぶつかり合いながらも大地に根を降ろすように生きていた。
そのことをこの曲を聴いてつい昨日のように思い出していた。
小学5年生だったのにまだそんな幼い彼をずっと大切に私の心の中に
住まわせていた。
私にとって初めて自分だけの世界から抜け出せたきっかけだったし、
人のために作る手仕事の原点になってくれだんだなぁ。。。と言う事に
改めて気づかされた。
そんな1曲でした。
いえ、そんな詩じゃないですよ。
でも惑星タイマーの歌詞は、彼のような純粋な夢見る男の人の言葉なのです。
宇宙までいこうと、そんな柔軟で生き生きとした魂を持っている人が誘って
くれたら、想像の力だけでどこまでもいけるでしょうね。
彼のように。
今日は星が見えなかったけれど、小さな月が見えています。
miyoさんにとって極めて重要なターニングポイントだったのですねえ。
まるで、ショートショートを読んでいる様でした。
ありがとうございまーす。
そうなんですよ。思わず聞きながら分析に入ってしまいました。
彼のかわいくて幼い顔と茶色の髪と、ヴァイオリンを
弾く姿が思い出されます。
きっと現実の彼は立派なオジサンなんでしょうけれど、私には今でも天使です(笑)