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(ブロードウェイのにぎわい)
New Yorkは、高層ビルがそびえ立ち、路上ではたくさんの露店がいろいろなものを売っていて、人が早足で歩く雑然とした雰囲気は、東京のようだ。街が汚くて、注意していないと汚水を踏んでしまいそうになったり、なんとなく小便臭かったりするのも、ちょっとなつかしい。でも街を行き交う人々は東京よりもずっと多様で、さまざまなパフォーマンスを繰り広げ、エネルギーがもっと凝集されている。
このエネルギーを満喫しようと、ブロードウェイでミュージカル<Wicked>を観る。歌も踊りも舞台の仕掛けも、さすがにすごい! オズの国で悪い魔女になる緑の肌のエルファダと良い魔女になる美人のグリンダの、コントラストがはっきりした演出の物語で、舞台を大いに楽しみながら、しみじみしてしまった。
最後の夜は、その昔、東京で親しくしていた、今はこちらの大学教員として大活躍の香港出身のDさんに会う。おいしい中華料理をご馳走になりながら、20数年ぶりに、昔と同じく中国ジェンダー史研究について語り合った。彼女といい、ワシントンで会ったRさんといい、アジア出身の女性がアメリカに来て大学でポストを得て活躍しているのは、本当にすごい。学界を挑発する刺激的な仕事を発信し続けているDさんは、いろんなアートの溢れるNew Yorkの環境を楽しんでいるという。私もまた、New Yorkのエネルギーを吸収しに来たい。